操舵性に優れ安心感ある走り 後席の広さと積載性も十二分

現在のノートは第三世代。パワートレインを〝e-POWER〞に絞ったハイブリッド専用車となっている。e-POWERとは、シリーズ式ハイブリッドシステムに日産流の名前を付けたもの。「電気自動車の新しいカタチ」を標榜する。

エクステリア

上級仕様の「ノートオーラ」に対してこちらはベーシック仕様。フェンダーの張り出しが少なく車体サイズは5ナンバーに収まり、テールランプも発光面積が少ないなどの違いがある。最小回転半径は4.9m。

電気自動車はバッテリーの電力をモーターに送って走行するが、e-POWERはエンジンで発電した電力をモーターに送って走行する。電気自動車のバッテリーを、エンジン発電機と小さなバッテリーに置き換えたものなのだ。なぜそんなことをするのかというと、エンジンの効率が高い領域が狭いから。例えば20kW、2400rpmで効率が最高になるエンジンがあったとしても、加速や登坂ではエンジン回転数はもっと高くなるし、40㎞/hぐらいの巡航なら20kW も必要なく、実際の走行では最高効率領域から外れていることの方が多い。そこで、エンジンはいつでも最高効率点だけで稼働させ、パワーが足りないときにはバッテリーから供給し、余るときにはバッテリーを充電。いっぱいになったら電力だけで走れば、効率の悪い領域は使わずに済む、というわけだ。

乗降性

しかもモーターは強制的に回せば発電機になる。減速時にはエンジンブレーキの代わりにモーターを強制回転させて発電し、バッテリーを充電すれば、加速に使ったエネルギーの多くを回収できる。さらに電気自動車っぽさが感じられるよう、エンジンの存在感を徹底的に消しに掛かっているのが、e-POWERの特徴。走行騒音にエンジンノイズが隠れるタイミングでなるべく稼働させたり、吸遮音対策を徹底したりしているため、エンジンが掛かった際には一定の音しか聞こえないし、音量も極めて小さい。だから、走っているうちにエンジンの存在は気にならなくなり、電気自動車のような運転感覚が味わえる。

インストルメントパネル

フラットなパネルのメーターは全面液晶ではなく7インチTFTと5インチセグメント表示部の組み合わせ。メーターとナビ画面の位置を同じ高さにしているところに先進性が感じられる。シフトセレクターは電子式だ。

電気駆動のアドバンテージは、4WDにも活かされている。後輪には独立したモーターを搭載しており、前後駆動力配分は自由自在。減速時には後輪にも回生ブレーキを掛けるため、ノーズダイブを抑えたフラットな姿勢が維持できる。操縦性能も気持ち良い。操舵応答性は素直だし、切り増しにもリニアに付いてくる。〝スポーティ〞という部類ではないが、常に手の内にあるような安心感が好ましい。

居住性

ノートは、コンパクトカーとしての実力も十分。Bセグメント車としては室内が広く、身長181㎝の著者が前後に座っても、後席の膝前には約60㎜の余裕が残る。頭まわりの圧迫感も少ない。ラゲッジルームは航空機に持ち込めるサイズのスーツケースが4個積めるので、大人4名での小旅行もOKだ。最小回転半径は4.9〜5.2mと小回りも利く。運転支援システムには、日産自慢の〝プロパイロット〞を装備。ナビの地図情報からカーブの曲がり具合を読み込んで、最適な速度まで減速する機能も付いており、高速道路はほとんど制御任せで走らせられる。

うれしい装備

センターコンソールは“ブリッジ状”と呼ばれる橋のような形状。下部は大型トレーになっていてボックスティッシュも置けるサイズ。運転席からも助手席からもサッと手が伸ばせて便利。
ハッチバックタイプのコンパクトカーとしては珍しく、後席にもリクライニング調整(2段)が組み込まれている。ただ、初期モデルにあったセンターアームレストは現在販売するモデルでは廃止された。
月間販売台数    4465台(24年11月~25年4月平均値)
現行型発表     20年11月(「AUTECH CROSSOVER」マイナーチェンジ 24年5月)
WLTCモード燃費   28.4 ㎞/ℓ※「X」

ラゲッジルーム

それ以外にも、純正オーディオの音質が良いとか、パワーオフしても、ドアを開けるまではオーディオやナビがシャットダウンしないなど、細かい気配りも利いている。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.168「2025-2026年 コンパクトカーのすべて」の再構成です。

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