未だサーキット走行を楽しめる現役マシン!
トータルバランスを徹底的に煮詰めたシビックチューンのお手本仕様!
現在、オールドシビックのチューニングではK20A型エンジンへの換装が主流となっている。
しかし、今なお往年のホンダ車によるレースが盛んな関西エリアでは、B型エンジンの人気は衰えていない。その理由は、ショートストロークならではのレーシングエンジンを思わせる鋭い吹け上がりと、突き抜けるようなサウンドにある。単なるスピードだけでは語れない、唯一無二の魅力をテンロクVTECは今も放ち続けているのだ。

ゼロファイターが手がけたこのEF9は、B16Bをベースにサーキットでの速さを徹底的に追求した一台。1.6リッターながら、K20A搭載車と互角に渡り合う性能を実現している。その速さを支えているのが、シビックのワンメイクレースで培われてきた、ゼロファイター独自のチューニングノウハウだ。
ちなみに、ゼロファイターが製作したN1シビック(EF9ベース)は、鈴鹿サーキットでコースレコードを保持。2分25秒763というタイムはいまだ破られていない。

エンジンはストック仕様のB16B型をベースとし、主流となっているK型スワップチューンに真っ向から対抗する構成。制御はオリジナルECUで行い、レブリミットは9500rpmに設定。超高回転域で響くサウンドは、小排気量VTECならではの快音だ。

エンジンチューンはN1規定に準拠し、排気量は1.6Lのまま。カムシャフトのみを戸田レーシング製Aカムへと変更している。低速から高回転域までをカバーする特性で、街乗りにも対応しつつ最高出力は215psを発生する。

エキゾーストマニホールドはオリジナルの4-2-1タイプ。中低速トルクの落ち込みを防ぎ、全回転域で安定した排気効率を実現する。軽量設計とすることで、車両全体の軽量化にも貢献している。

マフラーはゼロファイターを代表する主力アイテムのひとつ。撮影車両にはストレート構造の競技専用品を装着し、低速域のトルクを確保しながら、高回転域では理想的な抜けとサウンドを両立させている。

サスペンションはオリジナル車高調を軸にセットアップ。鈴鹿をはじめ各地のサーキットで好タイムを記録してきた、自慢のフットワークだ。テンロクでK型搭載車に挑むための必須メニューといえる。

ゼロファイターの車高調は1WAYながら、縮み側と伸び側で異なる減衰特性を持たせた独自構造を採用。特に伸び側の特性を重視し、高い接地性を実現している。ハイレート仕様でありながら跳ねにくく、乗り心地も比較的マイルドだ。

タイヤはアドバンA050の15インチで、フロントに225/50、リヤに195/55を組み合わせる異サイズ仕様。コンパウンドはフロントをM、リヤをGSとし、発熱バランスを最適化している。ブレーキパッドは制動屋製で、フロントにN1-Racing50を装着。耐フェード性とコントロール性を高次元で両立し、リヤには専用設計のSP300を組み合わせる。

コクピットはスパルタンなレーシング仕様。メーターパネルには大型タコメーターのみを配置し、油温・水温・油圧のサブメーターはセンタークラスターに集約されている。トランスミッションはATS製クロスギヤ(3・4・5速)を組み込んだクロスレシオ仕様だ。

室内には11点式ロールケージを組み込み、ボディ各部はリベット留めによる補強を実施。それでも徹底した軽量化によって、車重は純正比で約120kg減を達成している。一見するとハードな仕様だが、N1規定に沿った構成のため、ストリート仕様にも応用可能なメニューやノウハウが数多く詰め込まれている。


「古いシビックのチューニングカーにありがちな“リヤが跳ねて暴れる”印象がまったくない。リヤタイヤの温まりが想像以上に良く、2周目には挙動が安定してきました。これならレースでも序盤からペースを上げていけそうです。エンジンフィーリングも良く、ギヤのつながりも完璧。力不足を感じることなく、気持ちよく走れました」とは、当日インプレッションを担当した末廣武士選手。

「EF9を速くするうえで最も重要なのは、この2点。パワーに頼るのではなく、エンジン・ボディ・足回りのトータルバランスで勝負するという考え方です」と語るのは、ゼロファイターの林さん。EF9に限らず、テンロク党にとって大いに参考となる一台だ。
●問い合わせ:ゼロファイターオートカスタム 奈良県桜井市芝911-1 TEL:0744-42-9989
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