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今日は何の日?■8代目ローレルにリーンバーンエンジン搭載

1999(平成11)年1月2日、日産自動車は1997年にモデルチェンジした8代目「ローレル(C35型)」の2.0L全車にリーンバーンエンジンを搭載し、1月11日より発売することを発表した。1968年に“ハイオーナーカー”を謳って誕生したローレルは、長く堅調な人気を維持してきたが、低燃費化の要望に応えるためリーンバーンエンジンを搭載したのだ。
ハイオーナーカーを謳った初代ローレル(C30型)
1968年4月、日産は「ブルーバード」と「セドリック」の中間に位置するアッパーミドルセダンのローレルを、“ハイオーナーカー”というキャッチコピーを掲げて市場に投入した。ハイオーナーカーには、ライトバンのような商用車を設定しない純粋なオーナーカーであることを強調する意味合いがあった。

ブルーバードで採用された“スーパーソニックライン”を踏襲した直線基調のスタイリングに、サスペンションはブルーバードと同じフロントがマクファーソン・ストラット、リアがセミトレーリングアームの4輪独立懸架、さらに国産車初のラック・ピニオンのステアリング機構を採用。パワートレインは、最高出力100ps/最大トルク15kgmを発揮する1.8L 直4 SOHCエンジンと、3速/4速MTおよび3速ATの組み合わせ。

また1970年には、ライバルのトヨタ「コロナマークII」に対抗するため、日産初のピラーレスハードトップを追加。コロナマークIIには後れを取ったが、日産の人気モデルとなった。
その後も、2代目(C130型:1972年~)から7代目(C34型:1993年~)まで多少の人気差はあるものの、日産のアッパーミドルセダンとして堅調な販売を続けた。

ラストローレルとなった8代目

1997年6月、ローレルのラストモデルとなった8代目(C35型)がデビュー。先代同様4ドアハードトップのみの設定で、3ナンバー化してスポーティ仕様の“クラブS系”とラグジュアリーな“メダリスト系”の2種が用意された。

クラブS系は、ブラック塗装のハニカム状グリルとクリアカバーの中に丸目4灯のヘッドライトを組み合わせた精悍な印象。一方のメダリスト系は、外周部にメッキを施した斜め桟グリルとマルチリフレクターヘッドライトを組み合わせたラグジュアリーさを強調。また、ゾーンコンセプトと呼ばれる衝撃吸収ボディで、安全性が飛躍的に高められたのも特徴だった。

エンジンは、最高出力235psを発揮する2.5L 直6 DOHCインタークーラーターボを筆頭に、200psの同NA(NEOストレート6:RB25DE)、155psの2.0L直6 DOHC NA(NEOストレート6:RB20DE)、さらに100psの2.8L直4 SOHCディーゼルの4種。組み合わせるトランスミッションは、電子制御4速ATのみ、駆動方式はFRをベースにアテーサシステムの4WDも設定された。

NEOストレート6は、2ステージ可変吸気システム(NICS)と、高応答の可変バルブタイミング(NVCS)の採用によって、出力と燃費の両立を実現したのが特徴だ。
車両価格は、2WD仕様の2.0L NAエンジン搭載の標準グレードが225.5万円(クラブS系)/226.0万円(メダリスト系)。当時の大卒初任給は、19.5万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で約266万円/267万円に相当する。
2.0Lエンジンをリーンバーン仕様に換装
そして1999年1月のこの日、8代目「ローレル(C35型)」の2.0L全車がリーンバーン(希薄燃焼)エンジンに換装することが発表された。

ベースとなったのは、上記の最高出力155psの直6 DOHC(NEOストレート:RB20DE)で、このエンジンにシリンダー内の混合気流を生成するエアージェットスワラーや冠面凹型ピストンを採用して、安定したリーンバーンを実現。日産は、1998年に直噴のリーンバーンエンジン(NEO Di)を開発していたが、今回適用されたリーンバーンエンジンは、通常のMPI(マルチポート噴射)システムで燃料噴射方法を工夫してリーンバーンを実現したものである。
さらに、より広い領域でのロックアップを実現するとともに伝達効率を高めたE-Flowトルクコンバーターを用いた新開発のオートマチックトランスミッション“E-ATx”を採用して、滑らかな変速とレスポンスとともに、燃費も改善された。
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1990年代、ちょっとしたリーンバーンブームが起こった。当初は、MPIでリーンバーンを成立させた例もあったが、三菱GDIの登場に端を発した直噴リーンバーンが、トヨタや日産からも登場した。しかし、直噴リーンバーンは燃費に優れるものの信頼性や排ガス規制への対応が厳しいことから、徐々に下火となった。現在直噴システムは一般的な噴射技術となったが、その多くはリーンバーンでなく、ストイキ(理論混合)燃焼である。
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