工事現場の有無は交通誘導員がいなくてもわかる
2025年12月11日、岡山県の工事現場で通行車両の誘導をしていた交通誘導員の方が大型トラックにはねられて亡くなるという痛ましい事故が発生しました。工事現場の交通誘導員が巻き込まれる事故は、この岡山のように通行する車両にひかれたり、また工事車両にひかれるという事例がたまに起きています。大きく報道されない、怪我で済んだ例も含めればかなりの数にのぼるでしょう。
交通誘導員の仕事でよく見るのは、路上の工事・作業現場の一番手前に立ち、ニンジン(赤く光る誘導用の棒)を振っている姿です。通りかかる車両に車線変更を促す役割だと思われますが、ここでドライバーの方にちょっと考えていただきたい。そもそも、誘導員を見て初めて工事現場があることに気づくことってありますか? 工事現場はパイロンや黄色と黒のフェンスなどで囲われており、とても目立つようにされているので、運転免許を取得できる身体能力を持つ人が普通に運転してさえいれば、かなり手前からその存在に気づくはずです。
交通誘導員の配置は条例によって義務づけ
だから工事現場に突っ込むような事故は誘導のやり方が悪かったから起きたのではなく、ドライバーが居眠りかスマホ操作かそれとも突発的な病気なのか、理由はわかりませんが前をまったく見ていないから起きるのです。ですから交通誘導員がいても事故は起きます。そしてその場合、真っ先に被害に遭うのは一番手前にいる交通誘導員なのです。
だったら交通誘導員を置かない方がいいのではないか、と思うかもしれませんが、現状そうはいきません。道路使用許可を取った工事の場合、自治体の条例によって交通誘導員を置くことが義務づけられているからです。私はこの条例は現実に沿って見直すべきではないかと考えています。
必要な現場には配置すべき。大事なのは柔軟性
何もすべての交通誘導員が不要と言っている訳ではありません。対面通行の片側を止めて、交互に通行しなければいけないような工事では、誘導員が必要でしょう。また、歩行者の歩行に影響が及ぶような工事でも、誘導員はいた方がいいかもしれません。要はその工事の状況によって誘導員が本当に必要かどうか、柔軟に対応できるようにするべきではないのか、ということです。(言い方は悪いですが)いてもいなくても関係ない誘導員を置いたために、万一の事故の被害が余計に大きくなってしまうようでは、それこそ本末転倒というものです。
公共工事費用の原資は税金
交通誘導員は雇用を生み出している、という意見もあります。確かにそうでしょうが、真夏の炎天下や真冬の厳寒の中で立ち続けなければならないような仕事は、やらないに越したことはないのではないでしょうか。誘導員が不要になれば工事費用の削減につながります。交通誘導員を派遣する警備会社は反対するでしょうが、道路工事はほとんどが公共工事であり、その原資は我々の税金なのですから。
とはいえ、一度決めたことを変更するのが大の苦手な日本、また「安全対策やってますアピール」が大好きな日本ですから、この現状は当分変わらないでしょう。しかし、このままではまた新たな犠牲が出ることは間違いありません。

