F1コンストラクターがWECに参入する理由

アストンマーティン ヴァルキリー AMR-LMH
アストンマーティン ヴァルキリー AMR-LMH

まずは恒例の答え合わせから。2025年の予言は「アストンマーティンが2025年WECの台風の目になる」というものでしたが、最高位はWEC富士での5位。シリーズ・ランキングはハイパーカー部門ダントツ最下位の8位というもの。というわけで大ハズレ。失礼しました。

確かに今シーズンのアストンは、世界の名だたるレースで活躍する唯一のV12エンジン搭載車という以外見るべきものがない……という状態ではありましたが、ある事情通によると、今こぞってF1コンストラクターたちがWECに参入しているのは、バジェットキャップの厳しいF1界において、空力やストラテジーの研究、開発、ドライバーやスタッフの育成などWECが「Bチーム」的な役割を果たしているからだそう。

となると、アウディF1的にはポルシェの撤退が痛いのでは?と思うところですが、そんな視点で2026年のF1とWECをウォッチしてみるのも面白いかもしれません。

さらなる活況を呈する自動車イベント

そして来る2026年の予想ですが、ひとつ確実に言えるのは世界的に自動車イベントがさらなる活況を呈するということ。例えば4月24〜26日に開催されるモナコ・ヒストリックGPでは、これまで安全上の問題から見送られてきた1981年から1985年までのターボF1クラスがついに新設! また2年に1度のペースで開催されてきたル・マン・クラシックが毎年開催に変更。7月2〜5日に行われる今年は、1976年から2015年までのマシンを対象とし、グループ5/6、グループCに加え、GT1、LMP1、GT3など比較的新しいカテゴリーが用意されることになっています。

一方日本においても春先から、これまでにない新しいスタイルのイベントが開催されるとの噂がチラホラ。まずは年明けの東京オートサロンなどでの発表に注目です。

イギリス自動車界の動向に注目

ベントレーEXP15
ベントレーEXP15

そしてもうひとつ、予言というより気になっているのが2026年以降の自動車業界、特にイギリス自動車界の動向。年の瀬になってEUが2035年に内燃機関車の新車販売を原則禁止する方針を撤回する案を打ち出したことが話題となりましたが、それに先駆け2023年にはイギリス政府もガソリン/ディーゼル車の新車販売禁止を2030年から2035年へ延期。HVも2035年まで容認と、急激な電動化戦略の見直しを図っているのはご存知のとおりです。

その中にあって頑なに「2035年までの完全EV化」を謳ってきたベントレーも、ついに「目標を柔軟に見直す」ことを発表。同様にフルEVメーカーに生まれ変わるはずだったジャガーは8月にエイドリアン・マーデルCEOが電撃退任を発表したことで、年内に発表が予定されていたBEVの新型「XJ」に関する話題もまったく聞かれなくなってしまいました。

また「エレトレ」「エメヤ」をリリースしてBEV化に舵を切ったロータスも戦略の見直しを表明。アストンマーティンも「ヴァルハラ」以降のPHEVモデル、BEVモデルに関する噂が聞こえてこないなど、イギリス自動車業界全体的にトーンダウン傾向にあるのは否めません。

高額車の少量製造へ

ジャガー タイプ00
ジャガー タイプ00

となると、彼らに残された道はひとつ。それは英国特有の少量生産車の特例を使い、高額車を少量製造するというビジネスモデルに転換すること。もちろん電動化に舵を切っていたメーカーがすぐに内燃機やハイブリッドを用意できるとは限りません。しかしながら現在残っているメーカーのキャラクターや、イギリス自動車業界の体質を思うと、ランドローバー以外はこの方法が最もしっくりくる可能性が高い気もします。

いずれにしろ、この1年間にどういう対応、対策が採れるかで各メーカーの命運が決まってしまうのではないでしょうか?個人的には各メーカーが内燃機ベースでニッチ路線に舵を切るのを期待するところです。