連載

あのコンセプトカー、どうなった?

F2譲りの2.0L・V6エンジンをミッドに搭載

HP-Xのスタイリングを手がけたのはピニンファリーナ。ボディサイドにはそのバッジが付いている。

1984年、イタリア、トリノ・モーターショーでホンダが発表したコンセプトカーがHP-Xだ。

「H」はHonda、「P」はピニンファリーナ(Pininfarina)、「X」はeXperimental(実験的)を意味する。超ウェッジシェイプ、ジェット機のような取り外し可能な一体型キャノピーを持つHP-Xは、いま見ても新鮮さを失っていない。

1984年のトリノ・ショーでのピニファリーナのブース。フェラーリ・テスタロッサ、ピニンファリーナ スパイダー ヨーロッパ “Volumex”、プジョー、アルファロメオのモデルも見える。
あまりにも斬新なスタイリング。

1980年代のホンダはどんな状況だったか。

・1981年にデビューしたシティが大ヒット。
・1983年にF1参戦 第2期がスタート。3代目シビック、2代目バラードを発売。バラードスポーツCR-Xも1983年デビューだ。
・そして1984年はF1でウィリアムズ・ホンダが第9戦ダラスGPで復帰後初優勝を果たしている。

さて、HP-Xである。どんなコンセプトカーだったか。

名前のとおり、スタイリングはピニンファリーナが担当した。エンジンはF2用のレーシングエンジンをベースにした2.0L・80度V6エンジンをミッドに搭載する。ホンダは1981年にF2活動をスタートしていた。

HP-Xは、グランドエフェクトを利用した高度なエアロダイナミクス、軽量化と性能向上のためにハニカムパネル、カーボンファイバー、ケブラーといった当時最先端の素材を採用していた。

HP-X
HP-X

インテリアも未来的だった。ホンダ開発の「電子式ドライブサポートシステム」はリアルタイムテレメトリー、GPS、さらに「特殊ソナー」による路面状況警告など先進機能を予見していた。

ちなみに、ホンダが世界初の地図型カーナビゲーションして生むである「ホンダエレクトロジャイロケータ」を発表したのは1981年のことだ。

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HP-Xのデザインスケッチ

1989年のNS-Xコンセプトに結実する

1989年のホンダNS-Xコンセプト
ホンダNSXのデザインスケッチ

HP-X自体はさすがに量産化されることはなかったが、あるクルマに結びついている。ホンダNSXだ。

1989年にベールを脱いだNSXは、コンセプトカー時代は「NS-X」だった。ご存知のとおり、「New Sportcar X(未知)」がモデル名の由来だ。

HP-X 全長×全幅×全高:4160mm×1780mm×1110mm ホイールベース:2550mm
NSX 全長×全幅×全高:4430mm×1810mm×1170mm ホイールベース:2530mm

ボディサイズは

HP-Xコンセプト
全長×全幅×全高:4160mm×1780mm×1110mm ホイールベース:2550mm

NSXは
全長×全幅×全高:4430mm×1810mm×1170mm ホイールベース:2530mm

NSXは、トランクスペースを確保するために、リヤのオーバーハングを伸ばしているが、ホイールベースはHP-Xとほぼ同じだ。

NSXが搭載したのは、レジェンドのエンジンをベースに開発した3.0L・V6DOHCエンジンであるC30型。

NSXは、3.0L・90度V6エンジンをミッドに搭載。オールアルミ製ボディ、戦闘機のキャノピーを思わせる前進キャノピーデザインなどHP-Xとの共通点も多い。

HP-Xは、その後のカーデザインの可能性を拡大した自動車史に残るコンセプトカーだった。

HP-Xは、レストアされて2024年のモントレー・カー・ウィークでお披露目された。レストア作業はイタリアのピニンファリーナの工房で行なわれた。

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