
WRCはグループB(1983~1986年)、グループA(1987~1996年)、WRカー(1997年~)と変遷してきた。マシンが速く、高価になりすぎると次の規定に移るというのは、モータースポーツではどのカテゴリーでも共通だ。
怪物マシンのグループBの時代が終わって、グループAへ。ホモロゲーションのための最低生産台数(当初は連続する12ヵ月で5000台以上)というハードルがあり、ターボ4WDでないと勝てない状況に不満を持つマニュファクチャラー(おもにフランス勢)に配慮して、FIA(世界自動車連盟)が1992年に創設したのがF2クラスだ。95年には、改造範囲を拡げたF2キットカー規定が導入された(50セット以上の改造用キットパーツを生産・販売しなくてはならなかった)。


F2キットカーのエンジンについては、グループAと同じで、25,000台のシリーズ生産のうち直接は2,500台生産されたものをベースに、自然吸気で最大排気量は2.0L。ボア×ストロークの変更も可。ほかにもグループAでは禁止されている改造もOKだった。リストリクターもなし(のちに38mm径のリストリクターが義務化)。ボディは140mm(左右70mm)のワイドフェンダーとリヤウィングが装着可、最低重量も960kgと軽く……というように、比較的自由度の高い車両規則だった。
駆動方式こそ2WDでターボ過給はなしだが、F2キットカーはターマック(舗装路)ラリーでは、グループAマシンに匹敵する速さを誇った。


今回紹介するプジョー306 MAXI(マキシ)は、プジョー・スポールが1995年に306をベースに製作したF2キットカーだ。エンジンは2.0L直列4気筒DOHC。最高出力は98年には300psに達していた。自然吸気ならではの甲高いエンジンサウンドも、プジョー306マキシの人気の源であった。
306MAXIのボディサイズは、全長×全幅;3995mm×1835mm ホイールベース2600mm 車両重量960kgだった、
2WD、自然吸気のF2キットカーは、プジョー、シトロエン、ルノー、シュコダ、フォード、ヒュンダイ、スズキなど多くのマニュファクチャラーのWRC参戦を促したが、2000年を境に退潮。WRCはWRカー全盛の時代へ移っていく。
