いまのクルマと遜色ない機能も

2代目ハイエース解説第4章は内装編の後編。
2代目ハイエース内装の、前回紹介しきれなかった残りの部分をクローズアップしていく。

※★マークは、当時の資料などでの呼称です。

シート

・前席シート

初代と同じくヘッドレスト一体型だがカラーリングが明るくなり、室内全体を広く感じるようになっている。
フロントドアのガラスは2500Rの曲面ガラスで、実際、旧型よりも実際の肩まわりのゆとりが増しているという。
中央に補助シートを持つ3人掛けだからこそのコラムシフトである。

前席シート。

・2列目、3列目シート

撮影車は3×3×3の9人乗り。
したがって、2列目も3列目とも3人掛けとなる。
厳密に測ったわけではないが、背もたれが初代よりもいくらか丈が伸びているようで、自動車らしい座り心地になっている。
ただ、2列目も3列目も、たとえ乗用ワゴンであってもヘッドレストはない。
こちらのサイドガラスも曲面ガラスになり、荷客室幅1520mmは2000Rの曲面ガラスによるものらしい。

2列目シート。
3列目シート。

なお、2列目、3列目はごらんのようにフルフラットになる。
使用頻度は少なかろうが、子どもが喜びそうなシートアレンジメントだ。

2列目、3列目フルフラットシート。

・スライドドア内側

前回のドア内張りの項で載せるべきだったが、2代目スライドドア内側の操作部をお見せしよう。
といっても愛想も素っ気もないもので、ドア内側を隠すのはただの平ボード。
インナーハンドルは縦配置のものがねじ止めされているだけ、ロックノブも黒い棒がちょこんと伸びているだけ。
いまのミニバンみたいに、デザインされた立体成型の樹脂トリムにボトルだかドリンクだかのホルダーを設けるなんていうふやけたものはない。

スライドドア内側。

・スライドドアレール(アッパー側)

スライドドアの構造はいまもむかしも同じ。
ドアを上中下3つのレールでスライドさせる。
おもしろいのはアッパーレールのレイアウトで、ごらんのように室内でむき出し。
スライド構造を学ぶのにうってつけな見てくれだ。
いまならルーフサイドともっと一体化を図った、大仰なつくりになっていて、それを天井トリムで包む構造になっているから、このあたりは乗降時の頭上空間をいくらか狭める姿にになっている。

スライドドアレール(アッパー側)。

・広がった開口寸

2代目の自慢は大きくなったスライドドアの開口幅。
「なんと980mm(カタログより)」なのだそうで、12人乗りコミューターは655mmとなる。
スライドドアは「各所にベアリングを組み込んでいますから、片手で荷物をかかえているときでも、片手でらくにドアを開閉できます。」と。
いまは電動開閉があたり前だから、昔ながらのカタログフレーズだ。

開口寸は980mm。

★インサイドステップ

初代のリヤサイドドアはヒンジ式なのに対し(途中からスライドドア車が追加)、2代目は初手っからスライド式。
初代もきちんとしたステップがあったのだが、2代目は2代目でなぜかカタログで「新しくインサイドステップを設置」と、まるで初代にはなかったかのようにPRしている。
初代もあったじゃん・・・
ただ、「新しく」設けられたのは、夜間の乗り降りを助けるランプ。
これは初代にはなかった。

インサイドステップ。
初代のリヤサイドドアのステップ。

空調/オーディオ

★フロントヒーター

全機種標準装備。
機能は現代のものに極めて近く、モード切替は「VENT(上半身送風)」「HEAT(足元送風)」「DEF(くもり取り)」の3つ。
内外気切替えや温度調整はいまと同じ。
違うのはモード切替に「BI-LEVEL(上半身+足元送風)」がないこと、ファン風量が3までしかないことくらいだ。
なお、夏場の冷房は、助手席計器盤下に吊り下げるダッシュタイプクーラーがバンとトラックに、オーバーヘッドタイプクーラーがコミューターとワゴンにオプションでつけられる。

フロントヒーター(の操作パネル)。

★左右ベンチレーションルーバー/★ブーストベンチレーションルーバー

むやみに電装品のスイッチを入れられる状態のクルマではないので確かめておらず、当時のクルマに照らし合わせての推測になるが、左右のベンチレーションルーバーは外気導入による走行風のみが吹き出し、ブロアファンによる強制送風は、「ブースト」というだけに中央のブーストベンチレーションルーバーからのみ。

ベンチレーションルーバー(助手席側)。
ベンチレーションルーバー(運転席側)。
ブーストベンチレーションルーバー。

★助手席サイドデフロスター

撮影車の助手席サイドデフロスターはオーナーの趣味で、ここにオーディオのツイーターにつけかえられてしまっている。
だから本来の姿をカタログ写真でお見せしよう。
このサイドのくもり取りは名のとおり助手席側のみで、カスタムとデラックスに標準。
スタンダードの助手席側くもり取りは助手席乗員に、ドライバーサイドのガラスのくもりは全ハイエースドライバーが、それぞれぞうきんで拭けというわけだ。

助手席サイドデフロスター。ただし、これは前オーナーがツイーターを取り付けてある。
カタログ掲載の助手席サイドデフロスター写真。

★リヤヒーター

リヤヒーター(の操作スイッチ)。

リヤヒーターは、ワゴンカスタムのみ標準装備。
ロングバンとスーパーロングバンの6/9人乗り、コミューター全機種、ワゴンのカスタム以外にオプションでつけられる。
3/6人乗りしかない標準バンとトラックにはオプションの用意さえない。
風量は2段階と、ごく簡単なものだ。

★熱線バックウィンドゥデフォッガースイッチ

熱線バックウィンドゥデフォッガースイッチ。

運転席からやや離れた位置にある。

★AMラジオ

オーディオといってもAMラジオがつくのみ。
ボディ型問わず、スタンダード以外に標準、スタンダードにオプション。
スタンダード以外はAM/FMラジオがオプションでつけられる。
また、スタンダードを含む全機種、カセットステレオもオプション選択可。

アンテナは昔ながらのロッドの伸縮式で、右フロントピラーに直づけされている。

AMラジオ。
ラジオアンテナ。

その他装備

★時計

撮影車の計器盤はどうやら後期型のようで、初期には全機種オプションで用意されていたアナログ時計がデジタルになってついていた。
表示はこの頃自動車用に増えようとしていた緑色の蛍光管式のクオーツ式だ。

蛍光管表示のクオーツデジタル時計。

★シガーライター&灰皿

漢(おとこ)の仕事場には必須のシガライターと灰皿。
ライターはスタンダードを除く全機種に標準。
灰皿はたぶん全機種に標準だ。
禁煙、嫌煙の時代だから、筆者が喫煙者であっても灰皿とはいわないが、灰皿にも使える引き出し式のもの入れはいまのクルマにもほしいと思っている。
小銭入れのほか、いまならBluetooth機器や音楽を入れたUSBなど、現代に相応しい使い道があるはずだからだ。

シガライターと灰皿。

・ルームランプ

ルームランプ。

荷室ランプを除けば(写真はない!)室内照明は大きな天井にこれひとつだけ。

トランク/収容スペース

・トランクルーム

バックドア開口幅は1280mm。
ヒンジは外側にあるから開口部をフルに使うことができる。

荷室。

外観編でも述べたが、バックドア上端がルーフにラップするように前側にせり出す平行4リンクのおかげで、バックドア開口に費やす車両後方スペースはただのバックドアよりは少なくて済む。

平行4リンク式バックドアの動き。
ひとの後ろへの下がり量は半歩ですむ。

★グローブボックス

ふたは水平に開き、その上は缶飲料を置くためのくぼみがつけられている。
内部の容量は計器盤の奥行から想像するとおりのもので、それほど容量は大きくない。
内部はボルトの頭がいくつかあり、ちょっと使いづらそうだ。

グローブボックス。

・アンダートレイ

グローブボックスの下にはトレイがある。
奥行きが豊かで、ふたの有無を除けばグローブボックスより容量は大きいのではないか。
なかなか使いやすそうだ。

アンダートレイ。

お年玉代わりにお送りした、時代の名車探訪、2代目ハイエースワゴン4部作、いかがだったろうか。
次回、「名車探訪」か「なんでもラウンジ」、はたまた「いまさらシエラ」でお逢いいたしましょう。
ごきげんよう。

【撮影車スペック】

トヨタハイエースワゴン カスタム
(C-RH22G-JC型・1980(昭和55)年型・4速コラムシフト)

●全長×全幅×全高:4340×1690×1910mm ●ホイールベース:2340mm ●トレッド前/後:1445/1400mm ●最低地上高: 195mm ●車両重量: 1380kg ●乗車定員:9名 ●最高速度: – km/h ●最小回転半径:5.3m(車体5.8m) ●タイヤサイズ:6.00-14-6PRLT ●エンジン:18R-U型・水冷直列4気筒OHC ●総排気量:1968cc ●ボア×ストローク:88.5×80.0mm ●圧縮比:8.5 ●最高出力:100ps/5500rpm ●最大トルク:15.5kgm/3600rpm ●燃料供給装置:キャブレター ●燃料タンク容量:58L ●サスペンション 前/後:ウィッシュボーン式コイルばね/車軸式半だ円板ばね ●ブレーキ 前/後:ディスク/デュオサーボ ●車両本体価格:186万9000円(当時)