軽さだけじゃない、ワンダーの底力

B18Cで引き出すワンダーシビックの速さ!

環状文化を発信するオリジナルブランド『OSAKA JDM』を展開し、シビックのチューニング&カスタムシーンを盛り上げるファイブマート。代表を務める古川さんは、鈴鹿サーキットのN1レースにEG6で長年参戦してきただけでなく、ワンダーシビックでタイムアタックに挑み続ける生粋のシビックフリークだ。

「免許を取った頃はVTEC全盛期だったこともあって、正直に言うと若い頃はワンダーシビックにあまり興味が持てませんでした。実際、オリジナルブランドの関係で2009年にワンダーを購入したのですが、軽量ボディで走りは楽しいものの、VTECを搭載したシビックには敵わない。そこでB16Bをスワップしたところ、一気にすべてが楽しくなって、ワンダーでどこまで速さを引き出せるのかにハマってしまいました」と古川さんは振り返る。

理想の速さを追求する心臓部は、高回転まで回せるB16Bから、さらなるステップとして4連スロットル仕様のB18Cへと進化。セントラルサーキットでは1分26秒8をマークしている。現在はパッケージ全体の完成度を高めるため、足回りなどの煮詰めを優先し、吸排気チューンを中心とした約180ps仕様のB18Cを搭載している。

ECUには無限のB18Cレース用を採用。4スロ化やエンジンチューンに加え、将来的にはフルコン投入といった伸び代も残されている。

タイムアタックだけでなく周回レースも楽しむスタイルのため、軽量化はあえて最優先とせず、安全タンクはコレクター付きの30Lをチョイス。模擬レースを含めた走行会が頻繁に開催される関西らしい実戦志向のアプローチだ。

昭和車らしいデザインのダッシュボードはそのまま残しつつ、AIMデジタルメーターの追加やスイッチ類を集約した機能的なインテリアを構築。オドメーターが示す走行距離は4万kmで、実走行という点にも驚かされる。

フロントのトーションバーは、強化品の入手が困難なうえ、VTECエンジン換装による約20kgの重量増に対して必要なレートを確保できない。そのためアーム類は残したままトーションバーを撤去し、コイルオーバー化を実施。これによりトーションバー特有の跳ねが抑えられ、スムーズなストローク特性を手に入れている。

フロントブレーキにはNSX用キャリパーを使い、280mmローターを投入。タイヤサイズは14〜16インチまで様々な組み合わせを試した結果、ローターサイズとのバランスを考慮して15インチに固定。ワンダーらしい足元の雰囲気にもこだわった。

リヤは、ドラムブレーキではスポーツシューの選択肢が少ないことから、BB4プレリュード用ローターとクイントインテグラ用キャリパー&ホーシングを流用してディスクブレーキ化。同時に足回りのコイルオーバー化も行っている。

往年の環状スタイルを彷彿とさせる、オリジナルのリヤウイングとセンター出しマフラーもファイブマートらしい演出だ。フロントフェンダーは純正のオフセットで装着し、リヤにはバリュースポーツ製ワイドフェンダーをパテ埋め処理で自然に仕上げている。

「フロントがトーションバー、リヤが車軸式という足回り構造から、これまでチューンドワンダーにはじゃじゃ馬というイメージがありました。でも実際に走らせてみると、ステアリングを切ればノーズが素直に入り、リヤもしっかり路面を捉えている。アタックマシンとは思えないほど安定した挙動で、とにかく走りが軽快です。初期制動がやや強く、コントロールが難しいブレーキを少しアレンジすれば、さらに速く、楽しく走れるはずです」と、インプレッションを担当した末廣武士選手は語る。

現在進めているパッケージバランスの最適化が完了し、フルチューンのB18Cを搭載してさらなる軽量化を施せば、ファイブマートのワンダーは「昭和FF最速」の称号を狙える存在になることは間違いないだろう。

●取材協力:ファイブマート 大阪府羽曳野市西浦984-1 TEL:072-950-5050

「テンロクは、まだ終わっていない!」K型全盛時代を走り抜くEF9型シビックの現在地

K20Aスワップが主流となった現在でも、B型エンジンで最前線を走り続けるEF9がある。ゼロファイターが手がけたこの一台は、B16Bを核にN1思想を現代へと昇華。9500rpmまで回るテンロクVTECと、徹底的に煮詰めた足回り、軽量ボディのトータルバランスでK型搭載車と互角に渡り合う。パワー至上主義では辿り着けない“速さの答え”が、ここにある。

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