シンプルに質感を高めた内装 高合成ボディや乗り味も好感

2020年にフルモデルチェンジを受けて4代目となったフィット。ホンダのMM思想(マン・マキシマム・メカ・ミニマム)を具現化した歴代モデルの美点を継承しつつも、スタイリングや乗り味などは大きく変わった。

エクステリア

撮影車の「RS」はスポーティ、SUVテイストの「CROSSTAR」、上質な「LUXE」と個性の明確なグレードを用意する。いずれも、バンパーのデザインや16インチアルミホイールの意匠で差別化される。最小回転半径は5.2m。

エクステリアデザインはスポーティ路線から愛着の沸く優しい雰囲気で、柴犬みたいな存在なのだという。インテリアデザインも激変していて水平基調のダッシュボードとメーターフードを取り払ったことですっきりとした。意識したのはノイズの少なさで視界は良好かつ心地良い。シートの座り心地なども含め質感は大いに上がっている。燃費の良さもフィットの伝統だが、ハイブリッドシステムは従来のi-DCDと呼ばれる1モーター式から、現在のホンダの主力パワートレインである2モーター式のe:HEVへ換装された。競合のヤリスに比べるとモード燃費では劣るが、ボディサイズや車両重量にそれなりの差があるので致し方ないところ。むしろ、いたずらに燃費の数値を追うのではなく、走りやすさや気持ち良さにフォーカスしている。

乗降性

e:HEVとしては初となるリニアシフトコントロールを採用。やや強めに加速すると、エンジン回転数が上下して有段ギヤのように疑似シフトアップするもので、ラバーバンドフィールなどの違和感がなく、リニアリティとスポーティさがある。普通に走らせているときはエンジンの存在感があまりなく、BEV(電気自動車)に近い感覚だが、いざ加速させるとエンジン車の良さもあるという二面性が楽しめるシステムだ。

インストルメントパネル

7インチのデジタルメーターはシンプルな表示で、見やすさを重視したデザイン。インパネ中央の鮮やかなコネクティッドナビはメーカーオプションとなる。ダッシュボードはフラットで、広々とした視界を実現している。

 
また、エンジンは発電に徹してモーターで駆動するシリーズ式ハイブリッドをベースとしながら、70㎞/h程度上で負荷が低い巡航走行ではエンジンが直接駆動するモードをもっている。エンジンは高速域で燃費に有利なゆえだ。メーターでその切り替えを確認できるが、ショックなどはまったくなく、乗員が意識させられることはな1.5ℓ自然吸気+CVTのエンジン車は燃費やトルク、静粛性ではe:HEVに譲るものの、軽快感があるのが美点。ハンドリングのスポーティさを求めるのなら選択肢になる。

居住性

プラットフォームは先代からのキャリーオーバーだが、乗り味は大きく変わった。剛性感の高いボディに、スムーズにストロークするサスペンションによって快適なのだ。実は従来のフィットは、開発時にドイツ車のVWポロをベンチマークとしていたが、これが4代目はフランス車のシトロエンC3にかわった。なるほどユニークなデザインといい乗り味といい、確かにフランス車風だ。ドイツ車は高速域のスタビリティを重視するため、硬い乗り心地になりがちだが、4代目フィットが快適なのはそのためでもある。

うれしい装備

ラゲッジスペースの床下にアンダーボックスを用意する。実測値で幅480㎜/奥行き220㎜/深さ220㎜となっており、使い勝手も良い。トランク的に活用したり、汚れものを隠しておくにも便利。
柔らかなイメージの助手席前パッド部分は、リッド付きインパネアッパーボックスとなっている。財布やスマートフォンなどを収めたポーチやウェットティッシュ入れにちょうど良い収納スペースだ。
月間販売台数    4437台(24年11月~25年4月平均値)
現行型発表    20年2月(一部改良 24年8月)
WLTCモード燃費  30.2㎞/ℓ※「e:HEV BASIC」のFF車

ラゲッジルーム

22年にはマイナーチェンジを受けて、以前はあったスポーティな「RS」が復活。ほどよくスポーティな専用サスペンションと、標準車にはないフロントグリルを装着したことで人気が高い。広々とした室内空間や質感の高さ、快適でバランスの良い走りをもつフィットは、国産コンパクト随一の実力車だと言えるだろう。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.167「2025-2026年 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。

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