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今日は何の日?■スポーツセダンのVR-4に特別仕様車スーパーVR-4追加

1998(平成10)年1月8日、三菱自動車は8代目ギャランの高性能モデル「ギャランVR-4」の特別仕様車「スーパーVR-4」をリリースした。高性能ターボエンジン+4WDの走りを極めた「ギャランVR-4」に、専用エアロパーツなど迫力のスポーツ装備を追加したスペシャルなクルマだ。
6代目ギャランに初めて設定されたVR-4

三菱の中核モデル「ギャラン」の6代目が登場したのは、日本中がバブル景気に浮かれていた1987年10月のこと。フロントグリルを2分割した逆スラントノーズに、サイドセクションにS字断面を導入した“オーガニックフォルム”を採用したガッチリした硬派なスタリングが際立って見えた。
パワートレインは、最高出力170ps/最大トルク19.5kgmを発揮する三菱が誇る名機2.0L 直4 DOHCの4G63型エンジンを筆頭に、1.6L&1.8Lの直4 SOHCエンジン、1.8L 直4 SOHCディーゼルターボの4種エンジンと5速MTおよび4速ATの組み合わせ。駆動方式は、FFとフルタイム4WDが用意された。

そして、先進技術の粋を結集したハイスペックグレード「ギャランVR-4」は、2ヶ月遅れの同年12月に登場した。VR-4は4G63型2.0Lエンジンに三菱重工製のターボを装着し、最高出力205ps/最大トルク30.0kgmを発揮。その強力なパワーを余すことなく路面に伝達するためにフルタイム4WDとABSを合体。これに留まらず、4WS(4輪操舵)、4IS(4輪独立サスペンション)を加え、これらのハイテク技術は総称して“アクティブ4”と呼ばれた。

このようにして仕上げられたVR-4ベースのWRCラリーマシンは、1988年から1992年の5年間で総合優勝6回、2位4回という輝かしい記録を残した。また、そのうちの最後の2回の優勝は、三菱の社員でもあった篠塚健次郎選手によるもので、日本人初のWRC優勝ドライバーという金字塔を打ち立てたのだ。

8代目ギャランにも設定されたシリーズ3代目VR-4
7代目ギャラン(含、シリーズ2代目VR-4)を経て、1996年8月に8代目「ギャラン」はデビューした。

大胆にコーナー部をカットした伝統の逆スラントの精悍なフロントマスクとシャープで伸びやかなサイドビューで構成されたスタイリングで高性能セダンであることをアピール。また、先代に続くシリーズ3代目となる「VR-4」も設定された。

パワートレインは、最高出力150ps/最大トルク18.2kgmを発揮する1.8L 直4 DOHC GDI(直噴)エンジンとINVECS-IIスポーツモード4速ATおよび5速MT。VR-4は、280ps/37.0kgmの2.5L V6 DOHCインタークーラーツインターボと5速MTの組み合わせ。また、INVECS-IIスポーツモード5速ATを組み合わせたVR-4は、「VR-4タイプS」とネーミングされた。
その他にも、新安全強化ボディ“RISE(ライズ)”を採用し、VR-4には旋回性能を向上させる“AYC(アクティブヨーコントロール)”と4輪のブレーキを独立に制御する”ASC(アクティブスタビリティコントロール)”、トラクションコントロール“TCL”が搭載され、高性能VR-4の走行安全性が高められた。

車両価格は、1.8L GDIの2WD車が179万~218万円、VR-4が298万円(VR-4タイプSは、309.4万円)に設定された。当時の大卒初任給は19.4万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で2WD車が212万~258万円、VR-4が353万円に相当する。
スポーツセダンの代表格となったVR-4だが、このシリーズ3代目となると、セダン人気の低迷の影響もあり、初代VR-4のような人気は得られなかった。
迫力のスポーツ装備満載のスーパーVR-4追加

1998年1月のこの日、8代目ギャラン「VR-4タイプS」をベースにした「スーパーVR-4」が発売された。スーパーVR-4のパワートレインは、最高出力260ps/最大トルク35.0kgmを発揮する2.5L V6 DOHC ICツインターボエンジンとINVECS-IIスポーツモード5速ATの組み合わせ

特別装備は、フロント/サイド/リアエアダム、リアスポイラーなどの大型専用エアロパーツとともに、ラリーアート製スポーツマフラー、ポテンザRE710Kai高性能タイヤ。インテリアについては、全体をブラック&レッド の専用カラーで統一し、MOMO製本革巻ステア リングホイール、RECARO製フロントフルバケットシートが装備された。
車両価格は、328.9万円。ベースのVR-4タイプSの309.4万円より19.5万円ほど高額に設定されたが、特別装備の充実さを考慮すると、お買い得だった。
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三菱のラリーマシンとしては、ランサーエボリューション(ランエボ)があまりに有名になったため、ギャランVR-4の存在は目立たなくなってしまった。VR-4が、三菱がワークスとして本格的にWRCに参戦する足がかりとなり、VR-4があったからこそランエボの大活躍があったと言っても過言でないだろう。ちなみにギャランVR-4は、今回紹介のシリーズ3代目が最後のモデルとなった。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
