5代目「タント」となるのだろうか? それとも全く新しいモデル?
ダイハツは今回のジャパンモビリティショー2025に5車種ものワールドプレミアを投入してきた。その中でもこの「K-ビジョン」が、最も一般ユーザーに手が届きやすく、またダイハツ自身が最も強く、早く市販化したいと願っているのではないかと思わせる、そんなパッケージングの持ち主だろう。
ロッキーなどに搭載されているシリーズハイブリッド「e-スマートハイブリッド」を軽自動車に搭載できるよう、モーターとエンジンを同軸に直結配置のうえ、PCU(パワーコントロールユニット)をモーターの上に配置し一体化することで、小型軽量化したものを新開発。
これを、将来の電動化を見据えた次世代DNGAプラットフォームに搭載することで、従来のエンジンとCVTとの組み合わせに対し20%以上燃費を改善するほか、約4日分の外部給電(燃料満タンで停車中に消費電力400Wで供給した場合)も可能にする、としている。

さらに、両側スライドドアを備え、室内空間は広く、運転席まわりは直感的に操作しやすいシンプルなデザインを採用したことを、ダイハツ自身は強く訴求している。
その一方で、ダイハツ自身はなぜか積極的にアピールしようとしない、極めて大きな特徴が「K-ビジョン」にはある。それは、助手席側Bピラーレスボディを採用している、ということだ。

各部の作りはコンセプトカー然としたところが少なくない「K-ビジョン」ではあるが、各ドアがすべて閉じた状態で実車を見ると、助手席側はピラー内蔵スライドドアを想定した設計になっているのが一目瞭然。


そのほかにも、ADAS「スマートアシスト」のステレオカメラが備わり、タイヤはなぜかコンセプトカー用タイヤではなくごく普通の銘柄が装着されていた点も、妙に現実的だった。

ここまで見ると、「これは次期タントのストロングハイブリッド車ではないか」と考えるのが自然だが、公表されている「K-ビジョン」の主要諸元は以下の通りとなっている。
全長:3395mm
全幅:1475mm
全高:1680mm
ホイールベース:2460mm
乗車定員:4名
車両区分:軽HEV
全長と全幅は軽自動車枠一杯で、ホイールベースは現行「タント」と全く同じ2460mm。だが全高は「タント」の1755mmに対し75mmも低くなっている。全高1655mmの「ムーヴ」や「ムーヴキャンバス」の方がむしろ近いほどだ。
現行4代目「タント」がデビューしたのは2019年。しかしダイハツにはこれよりもモデルライフが長く、世代交代の優先順位が高いと思われるモデルが複数存在する。


そう考えると、例えこの「K-ビジョン」がそのまま次期「タント」になるとしても、市販化されるのはまだ先と考えられるが、ダイハツは認証不正問題により生産のみならず開発も一時ストップしたという特殊事情がある。
またタントが属する超背高軽ワゴンのカテゴリーは国内最大のボリュームゾーンであり、メーカー間の競争も熾烈を極めているため、世代交代のサイクルも早い傾向にある。
となると、この「K-ビジョン」が市販化されるのは、そう遠くない未来なのかもしれない。果たしてその時、これが5代目「タント」となるのだろうか? あるいは全く新しいモデルとして、生を受けるのだろうか?

