幅広ボディは軽量かつ高剛性 前後トルク配分も進化
WRC(世界ラリー選手権)に出場するための認可を得るホモロゲーション取得のために開発されたGRヤリス。見た目にベースのヤリスの面影は残っているものの、ほぼ別モノと言える。
エクステリア




全長×全幅×全高はベースが3950㎜×1695㎜×1495㎜なのに対して3995㎜×1805㎜×1455㎜。ホイールベースは10㎜伸長した2560㎜となっている。特に全幅の拡大が大きく、大開口のバンパーを含めて迫力満点だ。ボディの素材はエンジンフード、ドア、トランクリッドがアルミニウム、ルーフはカーボンファイバー強化プラスチックとされ、軽量化にも力が入れられている。
乗降性


エンジンは新開発の1.6ℓ直列3気筒ターボで発売当初は最高出力272PS、最大トルク370Nm。2024年のマイナーチェンジでは304PS/400Nmまでスープアップされた。トランスミッションは6速MTに加え、マイナーチェンジ時にGR-DATと呼ばれる8速ATを追加。また、シャシーはそのままに、120PSの1.5ℓ自然吸気エンジンとCVTを組み合わせたモデルはラインナップから外された。マイナーチェンジではスポット溶接の13%増加、構造用接着剤の塗布を24%増加などしてボディ剛性の向上も図られている。
インストルメントパネル

インチフルカラーTFTメーターはヘルメット着用時の視認性に配慮。
開発はトミ・マキネン・レーシングの協力を得るとともに、レーシングドライバーやラリードライバーを起用。本格スポーツカーなど少量生産に特化したGRファクトリーで生産されるなど、あらゆる面で特別なモデルだ。エンジンは初期モデルでも十二分にパワフルだったが、改良モデルでは低/中回転域のトルクが一層充実して、ドライバビリティが良くなった。回転が落ち込んでいるときでもアクセルを踏み込めばグイグイと加速してくれるのだ。3気筒ゆえに少し振動を感じるが、安っぽい雰囲気は皆無。気筒あたりの排気量が大きいことでトルクを出しやすいなど性能面でのメリットを考慮してあえて3気筒を選択したことを知れば、腑に落ちるだろう。
居住性


ブランノーブと合成皮革を使用。後席は膝前のクリアランスが約40㎜、頭は天井にほぼ触れた状態と、身長173㎝の筆者には閉塞感のある空間。子ども専用か荷物置き場と割り切って使う方が無難だろう。
ベース車両はコンパクトカー用のGA-Bを採用しているが、GRヤリスはリヤまわりにひとクラス上のGA-Cを組み合わせている。そのためシャシーも別モノでサスペンションも引き締まっているが、ワインディングロードを走らせると嫌な硬さはなく、スムーズにストロークしている。ボディ剛性の高さに加えてショックアブソーバーが良い仕事をしている印象で、しなやかだが粘り腰という絶妙な動きをみせるのだ。 GR-FOURと呼ばれる4WDはモード切り替えで前後トルク配分が変わるのが特徴。初期モデルはノーマル60対40、スポーツ30対70、トラック50対50だったが、マイナーチェンジ後はノーマル60対40、グラベル53対47、トラック60〜30対40〜70へと改められた。
うれしい装備






月間販売台数 530台(24年11月~25年4月平均値)
現行型発表 20年9月(改良 25年4月)
WLTCモード燃費 12.4 ㎞/ℓ※6速MT車

ラゲッジルーム


進化を感じるのはトラックを選択していてもトラクション性能が高く攻めやすくなったこと。FR的フィーリングよりも実戦的な特性を選んだ。一般道での乗り心地ははっきりと硬めでロードノイズも大きいが、それだけに本気度を感じさせ、好き者を夢中にさせるのがGRヤリスだ。


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