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今日は何の日?■世界トップの高級セダンを目指した4代目シーマ

2001(平成13)年1月12日、日産自動車はフラッグシップセダン「シーマ」の4代目をリリースした。バブル景気真っ只中の1988年に誕生して一世を風靡したシーマだが、バブル崩壊とともに2代目、3代目は徐々に人気に陰りが見え始めた。4代目は、グローバル高級セダンとしてすべてにおいて世界トップを目指した。
大ヒットして“シーマ現象“という造語を生み出した初代シーマ

初代シーマ(FY31型)は、1988年1月に誕生した。高級セダンながらスタイリッシュなハードトップにすることで、スポーティさも兼ね備えたバブル時代に生まれたハイソカーを代表するモデルとなった。

車速感応式電子制御パワステや4輪ベンチレーテッドディスクブレーキ、ハイグレードには電子制御式エアサスペンションを採用するなど、当時の先進技術を採用。さらにインテリアについても、木目調パネルや100%高級ウール素材が使われ、オプションで運転席メモリー機能や後席シートヒーターも用意された。

パワートレインは、当時最強レベルの最高出力255ps/最大トルク35.0kgmを発揮する3.0L V6 DOHCセラミックターボと200psの同NA(自然吸気)の2機種エンジンと、電子制御式4速ATの組み合わせ。駆動方式はFRである。


シーマが登場した1980年代後半は、日本では空前のバブル景気の真っただ中で、“高価なモノが売れる”、“高価でないと売れない”時代だった。シーマは、400万~500万円と高価格でありながら、何と1年間で3万6000台以上が売れ、“シーマ現象”という造語が生まれた。
シーマ人気もバブル崩壊とともに人気に陰りが
2代目、3代目も、高級セダンとして進化し続けたが、1991年にバブル崩壊が起こり、市場がRV人気に押されるようになるとシーマの輝きは徐々に失われた。

・2代目シーマ(FY32型:1991年8月~)
2代目シーマは、基本的には初代モデルを踏襲しながらも、より存在感のある高級セダンを目指した。
初代の特徴でもあったピラーレスからピラードハードトップへ変更され、ホイールベースは80mm延長されて居住性が向上した。また足回りでは、エアサスペンションを油圧式アクティブサスペンションに置き替え、高級車らしい重厚な乗り心地が魅力だった。
パワートレインは、最高出力270ps/最大トルク37.8kgmを発揮する4.1L V8 DOHCと4速ATの組み合わせ。駆動方式は、FRに加えて1年後にフルタイム4WD(アテーサE-TS)が追加された。

・3代目シーマ(FY33型:1996年6月~)
シーマ人気が右肩下がりとなる中で、3代目シーマは新たな高級車として次元を異にする基本性能やクオリティを目指し、なかでも特に安全性能が強化された。
スタイリングは、和をテーマにした従来のデザインから重厚な欧州車風に変貌。ボディは、衝突吸収ボディ・高剛性キャビンが実現され、その他にも充実した安全装備によって世界最高水準の安全性能が自慢だった。
パワートレインは、最高出力270ps/最大トルク38.4kgmを発揮する4.1L V8 DOHC、270ps/37.5kgmの3.0L V6 DOHCターボの2種エンジンと4速ATの組み合わせ。駆動方式は、FRとフルタイム4WDが継承された。
欧州高級車に劣らぬ堂々としたスタイリングの4代目

2001年1月のこの日にデビューした4代目シーマ(F50型)は、新開発のプラットフォームを採用し、グローバルに通用する高級セダンを目指した。

ベンツやBMWを意識したアグレッシブなデザインが特徴。特に、張りのある彫刻的なフロントのフォルムが重厚かつ高級感を主張。世界初の7つの凸レンズを持つマルチプロジェクター・キセノンヘッドランプと、日本車初のドアミラーウインカーが先進性をアピールし、またインテリアはソフトにラウンドされたパネルと上品な色使いで、モダンで開放的なインテリアに仕上がった。

さらに先進の安全技術として、“レーンキープサポートシステム”や“車間自動制御システム”、緊急時の停止距離を短縮する“ブレーキアシスト”などを装備。その他にも、ETCや緊急通報システム“ヘルプネット”も搭載された。
パワートレインは、最高出力280ps/最大トルク46.0kgmを発揮する新開発の直噴4.5L V8 DOHC(NEO Di)、280ps/39.5kgmの3.0L V6 DOHCターボの2種エンジンと、新開発のマニュアルモード付電子制御5速ATの組み合わせ。駆動方式は、FRと4WDが継承された。
車両価格は、492万~695万円(2WD)/615万~691万円(4WD)だった。
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4代目シーマは2010年にいったん生産を終えたが、復活を希望する多くの声に応えて2年後の2012年4月に5代目(HGY51型)が復活した。5代目シーマは、これまで通り日産の先端を行く技術を搭載して、フラッグシップらしいモデルとして威厳を保ったが、本格的なモデルチェンジをすることなく2022年8月に生産を終了した。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。




