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今日は何の日?■パスファインダーが、米国“4×4・オブ・ザ・イヤー”を受賞

1987(昭和62)年1月14日、日産自動車は前年秋から米国に輸出している4WDオフローダー「パスファインダー」が、米国の“4×4・オブ・ザ・イヤー“を受賞したことを発表した。パスファインダーは、米国で基本デザインを行ない、1986年9月にデビューした「テラノ」の米国輸出車だ。
RVブームに対抗するために日産が放った初代テラノ
1980年代半ば、米国で流行したアウトドアブームが日本にも押し寄せ、走破性の高い4WDを装備したオフローダーブームおよびRVブームに火が付いた。

いち早く人気を獲得したのは、1982年に登場した三菱自動車「パジェロ」、1984年のトヨタ「ハイラックスサーフ」で、それらに対抗する形で1986年8月に日産自動車からデビューしたのが、「テラノ」だ。テラノは米国市場を重視し、基本デザインを日産の米国デザイン会社NDIで行なった。
小型ピックアップのシャシーを使って、2ドアの流れるようなラインのハードトップのボディを被せた都会的なスタイリングで、“誰にでも乗用車感覚で乗りこなすことができる新感覚4WD”を開発テーマに、乗用車のように座席位置は低めに設定していたのが特徴だった。

パワートレインは、最高出力85ps/最大トルク18.0kgmを発揮する2.7L 直4 SOHCディーゼルエンジンと5速MTの組み合わせ。駆動方式はFRと4WDの切り替えが可能なパートタイム4WDが採用された。
テラノの車両価格は233.3万円。当時の大卒初任給は12万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で約447万円に相当する。テラノも4WDブームに乗って人気を獲得したが、パジェロやハイラックスサーフの人気には及ばなかった。
4WD車を対象にした“4×4・オブ・ザ・イヤー”

一方米国では、テラノは「パスファインダー」の車名で日本より少し遅れて1986年秋にデビューした。搭載エンジンはテラノとは異なり、最高出力140ps/最大トルク23.0kgmの3.0L V6 SOHCと105ps/18.6kgmの2.4L 直4 SOHCのガソリンエンジン2種が搭載された。

そして米国で翌1987年1月のこの日、パスファインダーが“4×4・オブ・ザ・イヤー”を受賞したのだ。“4×4・オブ・ザ・イヤー”は、米国のピーターセン・パブリッシング社発行の4WD車およびオフロード車専門誌として名高い“4ホイール&オフロード”誌の主催により毎年選出される。

4WD車を対象とするものとして、米国で最も権威のある賞と位置付けられており、この年で5回目にあたる。選考は、機構や動的評価、内装、外観、その他の5つの項目で評価し、それぞれの得点を総合して優位を競う。

この年に選考対象となったモデルは、「ニッサン・パスファインダーSE」の他、「ジープ・ラングラー」、「ダッジ・ダコタ」、「三菱SPX」、「フォー ドFl50」の計5モデルであったが、パスファインダーSEは内装、外観、その他の 3項目で1位となり、総合で“4×4・オブ・ザ・イヤー”の栄誉に輝いたのだ。

2代目で国内終了、海外のパスファインダーは令和の今も人気モデル
1995年9月にモデルチェンジした2代目「テラノ」は、先代のコンセプトを継承しながらフレームをモノコック構造のボディ内に組み込んだモノフレーム構造を採用して、強度を高めながらも軽量化を実現。2列5名乗車のワゴンスタイルで、3列シートを持つパジェロやハイラックスサーフよりコンパクトに仕上げられた。

エンジンは、最高出力130psの2.7L 直4 SOHCインタークーラーターボディーゼルと170psの3.3L V6 SOHCガソリンエンジンの2種、駆動方式はフルタイム4WD(オールモード4×4)および先代と同じパートタイム4WDが用意された。
2代目テラノは、悪路走破性や乗り心地など本格オフローダーとして優れた性能を発揮したが、初代同様パジェロとハイラックスサーフの後塵を拝して、2002年に国内販売を終了した。
一方、米国ではパスファインダーとして3代目が2005年から、4代目が2012年から、5代目が2021年から登場し、米国を中心にした海外で人気を獲得している。
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テラノの後を継ぐ形で、日本のSUVブームに合わせた乗用車ベースでソフトなSUV「エクストレイル」が2000年11月にデビューして大ヒットした。現在の日本では、オフローダー色の強いSUVの人気は限定的だが、北米市場では相変わらず人気なのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
