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今日は何の日?■アウトドアをより楽しくするエアトレックスポーツギア

2003(平成15)年1月15日、三菱自動車は2001年にデビューした乗用車とRVの使い勝手を高次元でバランスさせた「エアトレック」に、アウトドア志向の高い若者向けに「エアトレックスポーツギア」を発表(発売は1月17日)した。スポーツギアは、車体を550mmリフトアップし、精悍なフロントマスクを採用したRVテイストを強調したモデルである。
スマートオールラウンダーをアピールしたエアトレック

2001年6月、「エアトレック」は“スマートオールラウンダー”を謳ってデビューした。ステーションワゴンとも、ミニバンとも、またオフロード性能を持つ4WD SUVとも異なる特定のジャンルに収まらない、いわばクロスオーバーRVといったところか。当時は、まだクロスオーバーSUVという表現は、一般に浸透していなかった。

エアトレックは6代目ランサー「ランサー・セディア」をベースに、シャシーやサスペンション、エンジンなどを流用して極力コストを抑えて開発された。全体的にやや膨らみを持たせた欧州車風のスタイリッシュなデザインに、大人5名が余裕をもって乗れる室内空間と広い荷室空間を持ち合わせ、さらに4WDによる走破性も兼ね備えた各ジャンルの良いところを融合させたモデルだった。

パワートレインは、最高出力126ps/最大トルク17.6kgmを発揮する2.0L直4 SOHC、139ps/21.1kgmの2.4L 直4 DOHCの2種と4速/5速ATの組み合わせ。駆動方式は、FFとビスカスLSD付センターデフ式フルタイム4WDが設定された。
アウトドア志向を強調したエアトレックスポーツギア

2003年1月のこの日、エアトレックシリーズに、さらにアウトドア志向の強い若者向けに「エアトレックスポーツギア」が追加された。

エアトレックシリーズに共通するクロスオーバーRVというコンセプトをそのままに、車体を55mmリフトアップするとともに大型ルーフレールを採用するなどして、ひと回り大きな車体サイズとなった。また、フロントマスク中央部を太い柱状とし、大型化したスリーダイヤのロゴマークを中央に配置した精悍なフロントマスクが特徴だ。

さらにアウトドアを楽しむために、室内の後席シートバックを含むラゲッジフロアの表皮をビニール製とし、濡れや汚れも簡単に拭き取れるようにし、荷物の出し入れを容易にする樹脂製レールなどアウトドアを楽しむ装備が採用された。

パワートレインは、最高出力133ps/最大トルク20.4kgmを発揮する2.4L 直4 DOHCを低中速重視に最適化したエンジンとINVECS-IIスポーツモード4速ATの組み合わせ。駆動方式は、FFおよびビスカスLSD付センターデフ式のフルタイム4WDが選べた。

車両価格は、2WDのFF車が200万円、4WD車が215万円に設定。オールラウンダーをアピールしたエアトレック、さらにRV色を強めたエアトレックスポーツギアだったが、そのアピールは市場に上手く響かず、登場から約4年、1代限りで2005年に後継車「アウトランダー」にその座を譲ることになった。
後継車は、より洗練された都会派SUVアウトランダー
エアトレックの後継車「アウトランダー」がデビューしたのは2005年10月のこと。エアトレックよりひと回り大きくなり、ある程度のオフロード走行もできる、街乗りを重視したより都会的なクロスオーバーSUVとなった。

アウトランダーと言えば、人気のPHEVのイメージが強いが、最初はガソリン車のみでデビューした。エンジンは、当初は最高出力170ps/最大トルク23.0kgmの2.4L 直4 DOHCのみだったが、2007年には220ps/28.2kgmの3.0L V6 DOHCエンジンが追加された。トランスミッションは、2.0LがCVT、3.0L V6には6速ATが組み合わされ、駆動方式はFFと電子制御フルタイム4WDが用意された。

アウトランダーは、堅調な販売を続けながら進化を続け、2012年10月にモデルチェンジして2代目に移行。そして、2013年1月に「アウトランダーPHEV」が登場したのだ。アウトランダーはPHEVの先駆的なモデルとして高く評価され、国内のみならず世界中で2026年現在も人気を獲得している。
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エアトレックは、スポーツギアの他にもターボ車を追加するなど商品力強化を図ったが、存在感を高めることはできなかった。もともとのエアトレックがステーションワゴン、ミニバン、4WDオフローダーを融合させたコンセプトを目指していたが、これが逆にクルマの魅力をボケさせてしまい、市場の注目を集められなかったのだろう。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
