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今日は何の日?

■初代フェアレディZに実用性に配慮した“2by2”モデルを追加

1974年にデビューした日産S30型「フェアレディZ 2by2」

1974(昭和49)年1月17日、日産自動車は1969年11月にデビューした初代「フェアレディZ(S30型)」のマイナーチェンジで、後席を装備した4人乗り“2by2”を追加した。北米からの要望に応える形で、標準の2シーターモデルをロングホイール化して、全長を310mm延ばしたのだ。

トヨタ2000GTに対抗して登場した初代フェアレディZ

1969年にデビューした日産S30型「フェアレディZ」

オープンスポーツの「フェアレディ」シリーズの後を継いで、1969年11月にボディをクローズドクーペに一新した「フェアレディZ(Z30型)」が誕生。フェアレディZは、マニアのためのスポーツカーでなく、誰でも運転を楽しむことができるGTカー的な要素を取り入れたスポーツカーだった。

1969年にデビューした日産S30型「フェアレディZ」のリヤビュー

米国をメインとした海外市場をターゲットにして、スポーツカーらしいロングノーズ&ショートデッキの美しいフォルムを採用。インテリアについても、コクピットに眼前に2つ、センターコンソールに3つのメーターを配置するという凝りようで、多くのファンを魅了した。

日産S30型フェアレディZの最強バージョン、Z432

国内向けのグレードは、標準グレード「Z」と上級グレード「Z-L」、そしてトップグレード「Z432」の3つを設定。ZおよびZ-Lのエンジンは、最高出力130ps/最大トルク17.5kgmを発揮するSUツインキャブを装着した2.0L直6 SOHC(L20型)を搭載。Zは4速MT、Z-Lには5速MTが組み合わされた。トップグレード「Z432」は、160ps/18.0kgmのソレックス3連装の2.0L直6 DOHC(S20型)が搭載された。

Z432にも搭載されたレーシングエンジン、S20

車両価格は、93万円(標準Z)/108万円(Z-L)/185万円(Z432)。当時の大卒初任給は3.4万円程度(現在は約23万円)なので、単純計算では現在の価値でそれぞれ約629万円/731万円/1251万円に相当する。

欧州のスポーツカーにも引けを取らない走りと流麗なフォルムを纏ったフェアレディZは、お買い得感を持って歓迎され、日米で大ヒットした。

北米からの要望で2by2を追加

1974年にデビューした日産S30型「フェアレディZ 2by2」

1974年1月のこの日、フェアレディZの標準的な2シーター車に加えて、4人乗り“2by2”が追加された。もともと北米で人気が高かったS30型だが、北米のユーザーからの実用性の高い”2by2”のシートレイアウトを求める声に応えたのだ。家族でのドライブやレジャーなどで荷物を積む際に、2シーターでは不便に感じるユーザーが多く、例えスポーツカーでも北米では4人乗りの方が人気が高かったという事情があった。

日産S30型「フェアレディZ 2by2」のリアビュー

S30型“2by2”は、2シーター車をベースに全長を310mm(ホイールベース300mm)延長して実質4人乗りとし実用性を高めたもので、ZおよびZ-Lグレードで設定された。2シーターのダイナミックなファストバックスタイルを維持したまま、力感に溢れたスタイルとなった。

日産S30型「フェアレディZ 2by2」のコクピット

後席シートは、前席と同じ座り地の良いバケットタイプ。シートバックは、前倒れ式で畳めば、トランクと一体になり広い荷室空間が実現された。パワートレインは、最高出力125psのSUツインキャブを装着した2.0L直6 SOHC(L20型)と、4速MT(Z)/5速MTおよび3速AT(Z-L)の組み合わせ。

1974年にデビューした日産S30型「フェアレディZ 2by2」

車両価格は、131.7万円(Z)/149.8万円(5速MTのZ-L)/156.3万円(3速ATのZ-L)に設定された。これは、ベースの2シーター車よりも40万円ほど高額である。

新たに設定された“2by2“は、北米では期待通り人気モデルとなったが、日本の販売は期待したほど伸びなかった。

日本では、パッとしなかった”2by2“モデル

日産S130型フェアレディ 280Z-T 2by2

国内で、フェアレディZ“2by2”の人気が盛り上がらなかったのにはいくつかの理由が考えられるが、代表的な要因は以下のようなことである。

日産Z31型フェアレディ Z 2by2 300X

日本では、スポーツカーは特別なスタイリングや純粋な走行性能を求めて、あえて2人乗りのクルマであることを主張して特別感を楽しみたいという思いが強かった。また、“2by2”にするために全長や全幅が大きくなる傾向があり、当時の税制上の優遇措置があった小型乗用車の5ナンバー枠を超えてしまうことが多かったため、税金が高くなるデメリットがあった。

日産Z32型フェアレディZ 2by2

一方の北米では、スポーツカーであれ、多様な目的で利用することが多いため、ある程度の実用性が重視されるので“2by2“が好まれるのだ。

結局、フェアレディZの”2by2”は、初代(S30型)から1989年7月に販売された4代目(Z32型)まで設定されたが、それ以降は日米とも設定されなかった。

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2002年にデビューした日産5代目(Z33型)「フェアレディZ」。この世代から2by2は設定されなくなった
2003年にデビューした日産「スカイラインクーペ(北米名:インフィニティG35クーペ)」

フェアレディZの“2by2”は、米国からの要望で開発され米国では人気を博していたが、上記の通り北米でも5代目(Z33型)以降、“2by2”は消えた。2003年にスカイラインクーペ(北米名、インフィニティG35クーペ)が発売されたため、これが実質的にZ32型“2by2”の後継車種と認識され、北米でもフェアレディZの“2by2”は必要なくなったのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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