No.75 ホンダ NSX パトロールカー (サスペンション可動・希望小売価格594円・税込)
No.75 ホンダ NSX パトロールカー リヤビュー

2026年1月の第3土曜日に、それまでの『No.75 アキュラ インテグラ』に代わって新たに『トミカ』に加わったのが、『No.75 ホンダ NSX パトロールカー』です。

2025年4月、三重県警察に少し特別なパトカーが加わりました。ホンダの高性能スポーツカー、NSXの2代目モデルをベースにしたパトカー仕様車で、地元への感謝や交通安全への思いから、滋賀県草津市の不動産会社の社長さんが寄贈したものです。そのお披露目は鈴鹿サーキットで行なわれ、白と黒のパトカーの姿になったNSXがサーキットを走る様子は、多くの人に強い印象を残しました。

NSXパトカー 実車フロントビュー(Photo:三重県警)*業務遂行に支障の無いよう、編集部にて画像の一部を加工しています
NSXパトカー 実車リヤビュー(Photo:三重県警)*業務遂行に支障の無いよう、編集部にて画像の一部を加工しています

本田技研工業(以下、Honda)のNSXは「世界に通用するHondaの顔を持ちたい」との願いから1990年に誕生した、クーペタイプ、2シーターのスポーツカーです。言うまでもなくHonda車の頂点に君臨したミッドシップスーパースポーツで、2017年2月からは2代目モデルが日本での販売が開始され、2022年末に惜しまれつつ生産が終了しました。

3.0ℓ あるいは3.2ℓの V型6気筒エンジンと6速MTあるいは4速ATを組み合わせて後輪を駆動するオーソドックスな形式の初代モデルに対し、2代目モデルは3.5ℓ のV型6気筒直噴+ポート噴射ツインターボエンジンに9速DCTと、前2基/後1基のモーターを組み合わせてトルクベクタリングを可能とするAWDハイブリッドスーパースポーツへと生まれ変わりました。専用の生産工場も日本国内からアメリカ・オハイオ州へと移されています。

まるでレーシングカーのようなNSXのインパネまわり
スポーツカーなので2名しか乗れない

しかしハイテクを駆使したスーパースポーツになったとは言え、「ドライバーがクルマに合わせて乗りこなす」という考え方が一般的だったスーパースポーツの世界を一変させた、初代モデルから取り入れられている、「卓越した運動性能を持ちながら誰もが快適に操ることができる“人間中心”」という概念は新型でも健在です。優れた視界と自然なポジションが取れるコクピットで、誰もが安心してその高い動力性能を楽しめる様々な技術や工夫が盛り込まれています。

3.5ℓ V6直噴ツインターボエンジンに9速DCTと、前2基/後1基のモーターを組み合わせたAWDハイブリッドスーパースポーツ
モーターの駆動力を加速や旋回性能にも活かす独自技術“SPORT HYBRID SH-AWD”

その中心となるのが、Hondaが長年にわたって研究を続けてきた、モーターの駆動力を加速や旋回性能にも活かす独自技術の最新の成果である“SPORT HYBRID SH-AWD(Super Handling-All Wheel Drive)”です。これは先に述べた通り、高効率・高出力の3モーターハイブリッドシステムで、左右のタイヤに異なる量の駆動力を与え、タイヤの角度変化だけでは得られない回頭性能や旋回性能を生み出す、「駆動力を曲がる性能にも活かす」ことが可能となっています。これを「駆動力(トルク)」の「大きさや向きを指定する(ベクタリング)」ことから「トルクベクタリング」と言います。これにより2代目NSXは、エンジンだけでは達成することが難しい高いレベルのレスポンスとハンドリング性能による、新たな走りの喜びを実現しています。

さらに2代目NSXでは、シーンに合わせて4つのモードから最適な車両特性を選択できる『Integrated Dynamics System』の採用により、日常からサーキットでのスポーツ走行まで、より幅広い場面で楽しめるスーパースポーツを実現しています。

三重県警のヘリコプターと。このコンビからの交通違反車の逃走はまず不可能だ(PHOTO:三重県警)*業務遂行に支障の無いよう、編集部にて画像の一部を加工しています

2代目NSXは、2018年には専用タイヤの装備や各部の剛性向上と制御の最適化がはかられた改良モデルが登場、20年4月にはWLTCモードによる燃料消費率および排出ガスに対応し、「平成30年排出ガス基準50%低減レベル(☆☆☆☆)」認定を取得した改良型が発売されました。また、2021年には最終モデルとして全世界で350台、国内では30台限定販売となる『Type S』が発表されました。

なお、2代目NSXはHondaの中では特殊な車両として扱われるため、メンテナンスは、全国のHonda Carsの中から選定された、スーパースポーツのメンテナンスに必要な専用設備を備え、Hondaが認定したサービスエンジニアである『NSX スペシャリスト』が在籍する『NSX PERFORMANCE DEALER』でのみサポートされます。

前に述べたように、すでに2代目NSXも生産が終了しているため、今回のパトカー仕様は中古車をベースに仕立てられています。とは言え、警光灯やサイレン、警察無線などの装備の組み込みや、専用の白黒塗装とマーキングなどの架装を含め、ベース車両と合わせた価値は2500万円規模とみられます。しかし、これはあくまで寄贈車両であり、公費による購入ではありません。

高速道路交通警察隊の活動支援にも出動するが、基本的には交通安全啓発イベントや広報活動などでの活用が想定されてる(PHOTO:三重県警)*業務遂行に支障の無いよう、編集部にて画像の一部を加工しています

三重県警では、このNSXを日常的な取り締まりの主力として酷使するというよりも、高速道路交通警察隊の活動支援や、交通安全啓発イベント、広報活動などでの活用を想定しています。人々の目を引く存在感を持つ車両を用いることで、交通ルールや安全運転への関心を高める狙いがあるのです。振り返れば、栃木県警が初代NSXをパトカーとして配備して同様の目的に用いている例もあり、NSXと警察車両の組み合わせはまったく前例がないわけではありません。しかし、2代目NSXを実際に運用可能な形で導入したケースは2026年1月現在、日本でこの1台だけで、その意味でも今回の寄贈車は特別な存在なのです。

このNSXパトカーは「速いクルマを捕まえるための速いパトカー」という単純な図式以上の価値を持っています。高性能車が持つ運動性能や制御技術、安全性が、どのように社会的な用途へ転用できるのかを示す一例であり、日本の自動車技術の高さを象徴する存在とも言えるでしょう。

さて、『トミカ』の『No.75 ホンダ NSX パトロールカー』は、外観から一目瞭然、この日本でたった1台の、2代目NSXパトカー仕様をモデル化しています。複雑な面で構成されたボディを小さなサイズでよく再現している1台と言えるでしょう。性能と実用性を高い次元で両立させてきたNSXというスーパースポーツと公共性が交差する、極めて稀有な存在として、ぜひコレクションしておきたい1台です。

■ホンダ NC1型 NSX ベースグレード(2020年モデル)主要諸元(必ずしも『トミカ』モデル車両と同一とは限りません)

全長×全幅×全高(mm):4490×1940×1215

ホイールベース(mm):2630

トレッド(前/後・mm) :1655/1615

車両重量(kg):1800

エンジン形式:JNC型V型6気筒DOHC

排気量(cc):3492

最高出力:373kW(507ps)/6500-7500rpm

最大トルク:550Nm(56.1kgm)/2000-6000rpm

モーター型式:H2型交流同期式(1基)およびH3型交流同期式(2基)

モーター最高出力(前/H3型)27kW(37ps)/4000rpm(1基あたり) / (後/H2型)35kW(48ps)/3000rpm

モーター最大トルク(前/H3型)73Nm(7.4kgm)/0-2000rpm(1基あたり) / (後/H2型)148Nm(15.1kgm)/500-2000rpm

トランスミッション:9速AMT(DCT)パドルシフト付き

サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン/ウィッシュボーン

ブレーキ(前後) :ベンチレーテッドディスク

タイヤ:(前/後) 245/35ZR19 93Y / 305/30ZR20 103Y

■毎月第3土曜日はトミカの日!

No.72 ジープ ラングラー (ハードトップ脱着・希望小売価格594円・税込)

毎月第3土曜日は新しいトミカの発売日です。2026年1月の第3土曜日には、上でお伝えしているように、それまでの『No.75 アキュラ インテグラ』に代わって『No.75 ホンダ NSX パトロールカー』が登場します。また、それまでの『No.72 トヨタ クラウン』に代わって『No.72 ジープ ラングラー』が登場します。なお、『No.72 ジープ ラングラー』には初回のみの特別仕様(特別色)もあります。

No.72 ジープ ラングラー(初回特別仕様) (ハードトップ脱着・希望小売価格594円・税込)*初回のみの特別仕様(特別色)です