FORD Mustang Dark Horse SC

マスタング GT3やGTDからのフィードバック

「フォード マスタング ダークホース SC」の走行シーン。
「マスタング ダークホース SC」の開発に際して、フォード・レーシングは、レーシングカーのマスタング GT3と並行して開発を行った。

新型「フォード マスタング ダークホース SC」は、現行のマスタング ダークホースから数々の改良を実施。5.0リッターV型8気筒自然吸気エンジンは5.2リッターに排気量を拡大し、スーパーチャージャーを装着、7速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)が組み合わせられる。

マスタング ダークホース SCは、日常的にサーキットを舞台とするフォード・レーシングのエンジニアたちによって、「トラック・ファースト(サーキット第一主義)」を開発ポリシーに掲げて開発。史上最も先進的で、最もパワフル、そして最もサーキット志向のマスタングを作り上げるにあたり、開発中のマスタング ダークホース SCをセブリングやバージニア・インターナショナル・レースウェイに持ち込み、マスタング GTDやマスタング GT3 レーシングカーと並行してテストを行なっている。

マスタング GTDの開発チームと連携したことで、マスタング ダークホース SCトラックパックには、ブレンボ製カーボンセラミックブレーキとミシュラン・パイロットスポーツカップ2Rタイヤを採用。新設計のボンネットやカーボンファイバー製ベント、刷新されたフロントフェイシアやアンダーボディの通気構造など、エアロダイナミクスも大幅にアップデートされた。

エアロダイナミクスを大幅にアップデート

「フォード マスタング ダークホース SC」のエクステリア。
フロントセクションは、新形状のボンネットフードを採用。リヤにはダックテール形状の専用デッキリッドや、新形状のリヤウイングが導入された。

エアロダイナミクスに関しては、一切の妥協が排された。新設計のアルミ製ボンネットには大型ベントが設けられ、パワートレインの冷却性能を高めると同時に、フロントセクションの挙動を安定化。ベントトレイを外すと、現行ダークホース比で2.5倍のダウンフォースを発生し、約290km/hの速度域でリヤアクスルに、620ポンド(約281kg)ものダウンフォースを発生させる。

リヤセクションには、ダックテール形状の専用デッキリッドや新型リヤウイングも導入。エアロダイナミクス効率が10%も向上し、さらに走行中の後方視界も大幅に改善されることになった。このアップデートの効果が非常に大きかったため、マスタング GTDにもマスタング ダークホース SCと同じ形状のリヤセクションが採用されている。

カーボンファイバー製ホイールとブレンボ製カーボンセラミックブレーキにより、オプションの「トラックパッケージ」では約68kg(150ポンド)もの軽量化を実現。さらにスチール製だったサスペンションパーツを鍛造リンクに置き換え、マグネシウム製の軽量ストラットタワーブレースを追加したことで、操舵感の向上とバネ下重量の低減も図られた。

フラットボトム形状のステアリングホイール

「フォード マスタング ダークホース SC」のコクピット。
アルカンターラとカーボンファイバーが組み合わされたコクピットには、マスタング GTD由来のフラットボトム形状のステアリングが採用された。

コクピットには、12時位置に専用ストライプが配され、パフォーマンスコントロール付きフラットボトムステアリングを採用。シートとインテリアトリムは、アルカンターラとカーボンファイバー仕上げがチョイスされた。トラックパックには、スペースグレーまたはティール(青緑色)のアクセントが加えられたレカロ製レザー&ディナミカスポーツシートに変更され、後席はラゲッジシェルフに置き換えられる。

チーフプログラムエンジニアを務めたアリー・グルーネフェルトは、マスタング ダークホース SCの完成に喜びを隠さない。

「モータースポーツを巻き込んで完成したマスタング ダークホース SCは、マスタング ダークホース パフォーマンスパッケージとマスタング GTDの中間に位置し、マスタングのラインナップ最上位の一角を占めるモデルです。世界が予想していなかったほどのハイパワーマスタングであり、レーシングエンジニアにロードカーを設計させたからこそ生まれました」

公道走行可能なGT3マシンとして開発された「フォード マスタング GTD」のエクステリア。

最高出力800PS超の「フォード マスタング GTD」は公道走行可能なGT3レーシングカー【動画】

フォードは、レーシングカーのマスタング GT3と同時開発されたハイパフォーマンス仕様「マスタング GTD」を発表した。マスタング GTDは、フォード・フラットロック組立工場で製造後、カナダ・マーカムのマルチマティックへと送られ、ハンドメイドで専用装備を装着。予定価格は30万ドルとなっており、2024年後半から2025年前半にかけて販売される予定だ。