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今日は何の日?■“ウサギ”をイメージした女性向け軽乗用車アルトラパン

2002(平成14)年1月22日、スズキは新型軽乗用車「アルトラパン」を発表(発売は同月30日)した。アルトを冠しているが、ベースは前年にデビューした「MRワゴン」であり、最大の特徴は“ラパン(ウサギ)”をイメージした丸みを帯びたキュートなフォルムであり、ターゲットは若い独身女性である。
ベースとなったMRワゴンはお洒落なタウンカー
アルトラパンのベースとなった「MRワゴン」は、アルトラパン発売の前年2001年12月にデビューした。MRワゴンは、セダン「アルト」とハイトワゴン「ワゴンR」の中間的な位置づけで開発され、“大人4人がくつろいで座れる広さと心地よさ”をコンセプトにお洒落なタウンカーを目指した。

スタイリングは、街並みが似合う柔らかくワンモーションのフォルムを採用。全長、全幅、ホイールベースは、2代目ワゴンRと同じだが、全高が1600mmで2代目ワゴンRの1645mm~1680mmに比べて、最大で80mm低いハイトワゴンだが、大人4人がゆっくりくつろげる室内スペースは、大きな魅力だった。
パワートレインは、最高出力54ps/最大トルク6.4kgmを発揮する660cc直3 DOHC VVT(可変バルブ機構)、同エンジンで60ps/8.5kgmのインタークーラーターボの2種エンジンと、4速ATの組み合わせ。駆動方式は、FFとフルタイム4WDが用意された。
丸みを帯びたボクシーなデザインが特徴のアルトラパン

2002年1月のこの日に発表された「アルトラパン」は、「アルト」の名を冠しているが、上記の通りMRワゴンをベースにして、プラットフォームやエンジンなどを流用して女性をターゲットに仕立てられた。
丸みを帯びたボクシーなボディや前後ランプなど随所に丸みのある角型を採用。インテリアは、家具や雑貨をイメージして女性が好みそうな雰囲気に作り上げられた。名前の通り、“ウサギ(ラパン)”のような可愛く優しい雰囲気で20代独身女性をメインターゲットにしたのだ。
パワートレインは、MRワゴンでも使われた660cc 直3 DOHC VVTエンジンと4速ATの組み合わせのみ。ターボモデルは設定されなかった。駆動方式は、FFとフルタイム4WDが用意された。

またボディカラーも多彩な12色を揃え、ルーフとアルミホイールにホワイト塗装を施した2トーンカラーの3色を用意。さらにインテリアについては、淡いオレンジの“アプリコット”と深い青の“ネイビーブルー”の2色で女性らしさが強調された。
車両価格は、2WD仕様で95.0万~109.8万円。MRワゴンは、97.8万~127.5万円なので、アルトラパンの方が若干安価な設定だった。
その後も進化しながら若い女性から支持されているアルトラパン

若い女性ファンをガッチリつかんだ「アルトラパン」は、その後も女性に人気の軽乗用車として好調な販売を続けている。


・2代目(2008年11月~)
初めてのモデルチェンジで2代目に移行。初代と同様のボクシーで低いボディフォルムを継承しながらも、レトロ調だった初代に対してモダンなデザインへと進化した。2013年6月には「アルトラパンショコラ」を発売。キュートな丸目ライトが特徴的なフロントマスクやチョコレートなどスイーツを思わせるインテリアカラーとしたことで、若い女性を中心に人気となった。

・3代目(2015年6月~)
3代目は、“女性のため”をより鮮明にするため、企画からすべての段階で女性視点をより多く盛り込んだ。従来のボクシーなデザインでぬくもりを強調し、インテリアはソファーやテーブルといったモチーフを取り入れくつろげる空間が演出された。全車にレーダーブレーキサポート(衝突被害軽減ブレーキ)を標準装備するなど、軽自動車に求められる基本性能全般がブラッシュアップされた。


以降マイナーチェンジを繰り返しながら、ラパンは女性好みの軽乗用車として洗練さを磨き上げている。フルモデルチェンジの確かな情報はまだ公表されていないが、2027年には4代目が登場しそうだ。


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若い女性をメインターゲットにすることは、ユーザー層を狭めることに他ならない。しかし、乗用車の中で40%近いシェアを持つ軽乗用車だから、例えターゲット層を絞ってもかなり大きな市場と言える。したがって、女性をターゲットにした軽自動車は他社からも数多く販売されており、若い独身女性に限れば、アルトラパンは人気トップを争っているのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。


