59秒台を目指すGT-Rに、上質なサウンドという選択

マフラーサウンドもオーディオも楽しめるワガママメイキング!

2006年に日産/NISMOと契約し、Z33、R35、RZ34とGT500の歴代マシンで20シーズンにわたりSUPER GTを戦い抜いてきた松田次生選手。Nissan GT-R NISMO GT500での2度のシリーズチャンピオン獲得をはじめ、シリーズ最多25勝、通算203戦、歴代最多1267ポイントという金字塔を打ち立ててきた名ドライバーだ。

そして2026年シーズンからは、SUPER GT GT500クラス23号車のチーム監督就任も発表されている。

そんな松田選手が、2011年から15年ものあいだ所有し続けているのが、このBCNR33である。

「16万km走行の中古車を購入して、現在は21万km。複数台所有していることを考えれば、かなり乗っている方だと思います。街乗りも快適にこなせる仕様で、エアロに頼らず筑波59秒台を目指してチューニングを続けています」。

エンジンはBNR34用のニュルエンジンをベースに製作。排気量はあえて2.6Lのまま、HKSのGT3-2530タービンを2基装着し、520ps&63kgmを発生する。さらなるパワーアップも可能だが、耐久性を最優先し、ブースト圧は1.3キロに抑えられている。

HKSのVカム・ステップ1を組み合わせることで、低回転域から扱いやすい特性を確保。制御はF-CON Vプロが担い、吸排気系もHKSで統一。インテークはレーシングサクション、マフラーには保安基準適合ながら600psまで対応するスーパーターボマフラーを装着する。

足まわりにはサーキット走行を見据えてHKSのハイパーマックスRをセット。タイヤはアドバンA052(FR:265/35R18)、ホイールはボルクレーシングCE28Nプラス(FR:10.5J+15)を組み合わせ、ブレーキは前後ともエンドレスのキットで強化が図られている。

街乗りの快適性を犠牲にせず、サーキットでは確実にタイムを削る…。その一貫した思想は、オーディオメイクにも色濃く反映されている。

「購入時は大型アンプやウーファーが組まれていて、かなりの重量増でした。一度は最低限のシンプルな構成にしたのですが、カロッツェリアさんとのご縁ができて、自分の使い方に合った提案をしてもらい、今の仕様に落ち着きました」。

一般的に、スポーツカーで高音質を狙うとなれば、デッドニングによって車内の静粛性を高める手法が定石とされてきた。しかし松田選手が選んだのは、「デッドニングをしない」という単なる逆張りでも、異なるアプローチを誇示するためでもない。この第二世代GT-R、BCNR33にふさわしい最高峰のサウンドとは何かを突き詰めた結果にほかならない。

そもそもBCNR33のような世代のスポーツカーで、現代基準の高音質は成立するのか。さらに言えば、エンジンサウンドを積極的に楽しむクルマにおいて、音楽まで本気で楽しむことなど可能なのか…。そんな根源的な疑問を起点に、システム構築は進められた。

そして導き出された答えは、意外なほど明快だった。マフラーから響くエキゾーストノートと、解像度の高い音楽再生は、決して相反する存在ではない。むしろ両者を高次元で成立させることで、このBCNR33は“走りの刺激”と“聴く歓び”を同時に味わえる一台へと昇華したのである。

メインユニットには、カロッツェリアのフラッグシップカーナビであるサイバーナビ「AVIC-CZ912Ⅳ-DC」を投入。カーナビという枠を超え、長年培われてきたカロッツェリアの音響ノウハウが凝縮された“オーディオとしての完成度”の高さが、このBCNR33にふさわしい選択だった。徹底したノイズ対策と高精度クロックにより、エンジン音やロードノイズが存在する環境でも、音の輪郭や定位を鮮明に描き出す。

画面サイズは7インチだが、フルフラットデザインのため車内に自然と溶け込み、R33のインテリアの雰囲気を損なわない点も決め手となった。最新ナビを装着するとクルマの良さが薄れる、と敬遠されがちな世代のモデルでありながら、過度な主張はなく上質感だけを添える。このR33はシンプルに仕上げたいという松田次生の考えにも、しっかりと寄り添う存在だ。

スピーカーセットは、カロッツェリアのカスタムフィットスピーカーにおけるフラッグシップモデル、“Vシリーズ”の「TS-V174S」を採用。先代モデルから約7年の歳月を経て2024年に投入された最新作で、カロッツェリアが掲げる「原音を忠実に再現する」という音作りを、極めて高い次元で体現したモデルだ。

楽器そのものの音色や演奏する空気感、アーティストの息づかいまでをありのままに描き出すその表現力は、レスポンスよく走るR33のキャラクターとも重なる。入力された信号に対して正確に反応することで、力強さとスピード感を備えた中低域を生み出し、メリハリのあるクリアな音楽再生を実現している。

ドアスピーカーは開繊カーボン振動板と新設計バスケットフレームを採用。拡大された振動板面積と相まって、引き締まりと量感を両立した中低域を実現する。

サブウーファーは17cm×8cmサイズの「TS-WX010A」をチョイス。助手席足元のフロアマット下に収まる超小型設計ながら、マフラーサウンドに負けない歯切れの良い低音を再生する。重量も1.51kgと軽量で、パフォーマンス重視のチューニングカーにも導入しやすい。

「マフラーサウンドを楽しみながら、ボーカルや楽器の中高域もしっかりと聴こえる。リヤスピーカーレスの最小構成にもかかわらず、音の輪郭がとても明確で正直驚きました。エキゾーストと音楽、その両方を楽しみたい人にとって理想的な仕様だと思います。このGT-Rは、大阪オートメッセのカロッツェリアブースに展示予定なので、ぜひこのサウンドを体感しに来てください!」とは松田選手。

さらに大阪オートメッセ期間中の2月15日15時からは、カロッツェリアブースにて松田選手本人によるトークショーも予定されているとのこと。GT-Rでのモノ作りに対する考え方や、走りと音を高次元で両立させた今回のオーディオメイクについて、本人の言葉で聞ける貴重な機会となりそうだ。興味のある方は、ぜひ会場に足を運んでみてほしい。

快適装備付きで筑波1分切りを狙うチューニングカーは多いが、オーディオ面までここまで煮詰められた例は稀。それも最小限の手数で、だ。今後は足まわりのリフレッシュとエンジンの煮詰めを進めたのち、本格的なタイムアタックに入るという。

快適性を高めるためのオーディオ刷新でありながら、パーツ導入の判断基準は終始チューニングカー作りの視点にある。まさに一流レーシングドライバーの愛車に相応しい仕上がりと言えるだろう。

なおこの車両のオーディオシステム詳細や、サイバーナビの音響セッティングデータについてはカロッツェリア公式サイト内の「サウンド進化計画」企画ページ内で公開されているので、そちらもチェックしていただきたい。

【関連リンク】
カロッツェリア
https://jpn.pioneer/ja/carrozzeria/
サウンド進化計画
https://jpn.pioneer/ja/carrozzeria/brand_event/spice/music-visual/sound_restoration/

「レースクイーン“楓紗季”の愛車が覚醒!?」走り優先のZ33女子が“オーディオ沼”に落ちた日