「コンセプトありき」が廉価でも絶品を生む
カロッツェリアの新製品に実感させられるのは、サウンドコンセプトの明快さだ。「オープン&スムース」というコンセプトが単なる号令ではなく、理にかなったものとして技術の説得力を高めている。また、その効果も大きくカロッツエリアという製品の方向性を明確にしてきているように思えるのだ。
簡単におさらいしておくと、クルマの室内という条件の悪い環境下で自然な音場空間を実現し、高域から低域までのサウンドを滑らかに繋げるということ。具体的に言えば、高音域から中音域までをトゥイーターから再生するということだ。特にトゥイーターが高い位置にあり、ウーファーが低い位置にある車内では、音像定位と臨場感あふれる音場を提供することに大いに役立つとの考えだ。
このコンセプトの実現を、フラッグシップモデルから今回発売されたベースモデルのFシリーズまでもが実践している。
さらに面白いのが、エントリーモデルであるために価格を抑えるわけだが、構造などの考え方はハイエンドモデルの経験がしっかりと生きている点にある。今回発表されたカスタムフィットスピーカー「Fシリーズ」では、ウーファーのフレームにハイエンドモデル同様にトラスバスケット構造を用いているが、素材を鋳造ではなくスチールのプレス製品として価格を抑えている。
また、軽量で高剛性のカーボン含有IMCC(インジェクション・モールディング・カーボナイズド・コーン)振動板を採用。トゥイーターには、マイカ強化型抄紙ダイヤフラムで高い剛性と軽量化を実現したり、頂点駆動方式、ネオジムマグネットなどを採用している。これによりトゥイーターの再生周波数特性は、驚くことに1700Hz〜6万Hzまでの再生周波数帯域を持っている。これによってウーファーにも余裕が生まれることになる。
さらにお手軽にこのコンセプトを実感できるユニットとして、チューンアップトゥイーター「TS-T450」もリリースされた。これは今回のセパレート2ウェイユニットのワイドレンジのトゥイーターを独立した製品としたもの。このトゥイーターに合わせて帯域を分ける専用ネットワークコードを同梱しているので、手軽に純正スピーカーなどからシステムアップが図れる。それでいて、カロッツェリアの考える「オープン&スムース」のコンセプトに浸れるというわけだ。





