格上を“カモる”悦び
自走でサーキット往復もこなすストリート仕様!
1990年代、世界的なオープン2シーターブームの火付け役となったのが初代ロードスターだ。1989年に1.6L・B6-ZE(120ps/14.0kgm)を搭載したNA6CEが登場し、1993年のマイナーチェンジで1.8L・BP-ZE(130ps/16.0kgm)へ進化。型式もNA8Cへと改められた。
いまなお熱心なファンを持つNAロードスターだけに、取材車両のオーナー・澤田さんも当然NA8C狙いかと思いきや、話を聞くと意外な答えが返ってきた。

「サーキットを走るためにFR車を探していたんですよ。狙っていたのはS15シルビア。でも、中古車が高くて予算的に合わない。そんな時に出てきたのが、このNA8C。安くて楽しめれば良かったんで、特に拘りはなかったですね」。
購入したのはTD04タービンが組まれたボルトオンターボ仕様。各部を手直ししつつ、一年に4~5回の鈴鹿サーキット通いが始まった。その後、知人を介してグローバルにチューニングを依頼するように。同社代表の永井さんが言う。


腰下はCP製CA18用鍛造ピストンやBPターボ用コンロッドで強化。ヘッドはラッシュアジャスターを廃してインナーシム化が図られ、戸田レーシング製264度カムと併せて高回転化を実現する。タービンはHKS GTⅡ-7460。サージタンクと64φスロットルはアメリカのスカンク2製を組み合わせる。
「エンジンは腰下からヘッドまでひと通りやって、タービンを変更。制御はF-CON Vプロでやっとる。ブースト圧は常用0.9キロ。最大1.3キロで350psやね。それで車重が1トン以下でしょ。実走セッティングで乗った時、あまりにも暴力的な加速をするもんで笑っちゃった。タイヤが冷えてると普通に加速してるつもりでも3速までホイールスピンが止まらんもんね」。
レブリミットは8500rpmに設定され、サーキットでは8000rpmを目安にシフト。ブースト圧を0.9キロに抑えているのは純正5速MTを守るためだ。というのも以前、YZサーキットを1.3キロで走らせたところ、たった1周半でミッションが飛んだ苦い経験があるからに他ならない。

前置きインタークーラーはトラスト製コアを使用。オイルクーラーもトラスト製を装着する。また、ラジエターはアルミ2層のコーヨーレーシングラジエタータイプZに交換し、熱量が増えるボルトオンターボ仕様でも十分な冷却性能を確保。

元々フロントバンパーのみ交換されていた外装は、コーナリングスピードの向上を狙って幅広タイヤ装着&トレッド拡大のためにワイドボディ化。さらに、フロントフェンダーやリヤバンパーのアウトレットダクト加工、前後アンダーパネルの装着など、高速サーキットの鈴鹿に合わせて空力性能の向上も図られる。結果、初走行で2分25秒台だったタイムは2分22秒5まで短縮。しかも、フルブーストを掛けられれば、まだまだタイムアップの余地が残されてるのは言うまでもない。
ちなみにこのタイム、同じ日に走ったエスプリRZ34純正タービン改ハイフロー525ps仕様(ドライバーはターザン山田)の2分22秒395に肉薄すると言えば、速さも分かってもらえるはず。
車高調はTEINモノスポーツ。バネレートはフロント20kg/mm、リヤ18kg/mmをチョイスする。また、ブレーキはフロントにNDロードスター純正ブレンボキャリパーと280mmローターを組み、リヤにはNBロードスターRS純正を流用して容量アップを図る。パッドはZONE製オーダーメイド品だ。

アンダーコートを剥がすなど軽量化の跡がうかがえる室内。追加メーターはメータークラスター左側にオオモリ製ブースト計をセットし、ダッシュボード中央にデフィ製水温、油温、油圧計が並ぶ。ブースト圧はHKS EVC6-IR 2.4で制御。

トランクルーム内に設置されたキノクニ製コレクタータンク。燃料ポンプは純正タンクからの吸い上げにサード製、コレクタータンクからの圧送にボッシュ製を使用する。インジェクターは550ccに交換。

サード製GTウイングスペックFUJIが生み出すダウンフォースを活かすため、トランクパネル裏側にはメインフレームに力を受け持たせる自作ステーを装着。

また、純正リヤバンパーはパラシュート効果の低減を狙ってアウトレットダクト加工が施され、フロアにはジェットストリーム製アンダーディフューザーも装着される。マフラーはメインパイプ径76.3φのグローバルワンオフ品だ。

ボルトオンターボとは思えない戦闘力を備えながら、ナンバー付きで自走可能。格上マシンを食っていく、このNAロードスターの在り方こそ、チューニングカーの醍醐味と言えるだろう。
⚫︎取材協力:グローバル 岐阜県羽島郡岐南町平成2-105 TEL:058-374-8838
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