FERRARI SF90 STRADALE
フェラーリ SF90ストラダーレとは


「フェラーリ SF90 ストラダーレ」は2019年に発表されたミッドシップ2シーターで、スクーデリア・フェラーリ創立90周年を記念して名付けられたモデルである。量産フェラーリとして初めてプラグインハイブリッドシステムを採用し、従来の内燃機関中心の思想から大きく舵を切ったことでも同ブランドにとってのマイルストーンと言える。後継モデルの「849 テスタロッサ」がまもなく日本にも導入される予定だ。
新しいハイブリッドアーキテクチャーには、レースで培った技術やノウハウが注ぎ込まれた。特に、エンジンおよびギアボックスに加え、高電圧システム(バッテリーやインバーターなど)とビークルダイナミクスコントロール(トラクション制御、ブレーキ、トルクベクタリング)といった多岐にわたる複雑な制御ロジックを徹底的に統合。「誰もが車のポテンシャルを最大限引き出してドライブする楽しみをもたらした」と謳う。
当時はフェラーリの将来を担う量産フラッグシップとして位置付けられ、今日に至る電動化戦略の出発点とも言える存在だ。
フェラーリ SF90ストラダーレの外観・内装


フェラーリ SF90ストラダーレは、外観と内装の両面で次世代フェラーリの方向性を明確に示している。外観は空力性能を最優先しながら新しいデザイン言語を採用。内装はデジタル化を徹底することで、従来モデルとは異なる価値観を打ち出した。
外観:機能を最優先した先進フォルム
フェラーリ SF90ストラダーレの外観は、デザインそのものが空力性能と直結する設計思想に基づいている。低く鋭いフロントノーズと大型のエアインテークにより、冷却性能とダウンフォースを両立。リヤには可動式の「シャットオフ・ガーニー」を装備し、走行状況に応じて空力バランスを最適化。高速域ではダウンフォースを増大させ、直線では抵抗を抑える制御が行われる。4灯テールランプは伝統を継承しつつ未来的に進化し、SF90が新世代フェラーリであることを視覚的に示している。
内装:デジタル化された次世代コックピット
フェラーリ SF90ストラダーレの内装は、フェラーリ初となるフルデジタルメーターを採用。湾曲型デジタルディスプレイには、走行情報、ナビゲーション、ハイブリッドシステムの状態などが一元的に表示される。ステアリングホイールには、ウインカーやライト操作までを集約したタッチ式操作系と“eマネッティーノ”コントロールを配置。物理スイッチを極力排除したことで、ドライバーの視線移動を最小限に抑えた。内装素材にはカーボンファイバーやアルカンターラを多用し、質感と先進性、フェラーリらしいスポーツ性を高い次元でバランスした空間に仕上げられている。
フェラーリ SF90ストラダーレのサイズ


フェラーリ SF90ストラダーレのサイズは、PHEVシステムを搭載しながらもスーパーカーとして理想的なプロポーションを維持している。ボディサイズとパッケージングの完成度は非常に高い。
ボディサイズ:ワイド&ローの基本構成
ボディサイズは全長4710mm、全幅1972mm、全高1186mmとフェラーリらしいワイド&ローなプロポーション。数値以上に低く構えたスタンスが印象的で、視覚的にも強い存在感を放つ。PHEV化に伴う重量増を考慮しつつ、バッテリーやモーターを車体下部に配置することで低重心化を徹底。リヤミッドシップレイアウトと相まって、高い走行安定性を確保している。
デザイン面では、リヤがフロントよりも短いオーバーハングとキャビンを前方にシフトしたことで生まれた“キャブフォワード”構成によって、エンジンがミッドマウントであることを強調している。フェラーリは、「フォルム、テクノロジー、パフォーマンスのシームレスな統合」と表現している。
室内スペース:走行性能優先の設計
室内は完全に2シーターに割り切った設計で、後席や広いラゲージスペースはない。ドライバーは極めて低い位置に着座し、前方視界はスポーツ走行を前提とした設定だ。居住性や快適性よりも、操作性と一体感を最優先しており、SF90ストラダーレが日常的な移動手段ではなく走るための道具であることを明確に示している。トランクは74L、リヤシェルフには20Lの容量が確保されており、ある程度の荷物は搭載が可能。
未来的なインターフェイスは航空機のような“ラップ・アラウンド・コクピット”デザインによって、クルマとドライバーの一体感を促している。データの一部はヘッドアップディスプレイによってフロントガラスに映し出され、ドライバーの視線は常に路上に向けられるよう配慮されている。
フェラーリ SF90ストラダーレの走行性能・燃費性能

フェラーリ SF90ストラダーレは、走行性能と燃費性能を高次元で両立させた次世代スーパーカーである。フェラーリ初のPHEV化によるメリットは加速性能だけにとどまらない。
走行性能:1000馬力が生む異次元の加速
SF90ストラダーレは4.0リッターV8ツインターボと3基のモーターを組み合わせ、システム最高出力1000PSを誇る。前輪を2基のモーターで駆動するe-4WDにより、発進時から圧倒的なトラクション性能を発揮する。0-100km/h加速は2.5秒だが、その数値以上に初期加速の鋭さが特徴だ。コーナリング時には四輪全てのトルク配分を緻密に制御するとともに、フロントモーターのトルクベクタリング機能によって軽快で正確なハンドリングを実現している。
燃費性能:PHEVならではの効率性
PHEVであるフェラーリ SF90 ストラダーレは、短距離であればモーターのみのEV走行が可能だ。住宅街や市街地ではエンジンを停止したまま走行でき、騒音や燃料消費を抑えられる。燃費は6.1L/100km(約16.4km/L)と発表されており、1000PSのモンスターマシンとしては驚異的な高効率と言える。燃費数値そのものよりも、高性能スーパーカーでありながら効率性を確保している点が重要で、フェラーリの電動化が単なる規制対応ではないことを示している。
フェラーリ SF90ストラダーレの購入価格・維持費

フェラーリ SF90ストラダーレの購入価格と維持費は、当時のフェラーリにおけるフラッグシップモデルにふさわしい水準となる。搭載されている最新技術の数々を考えれば、相応と言えるだろう。
購入価格:新車は超高額帯
フェラーリ SF90 ストラダーレが新車で販売されていた時の価格は、標準仕様が5000万円台中盤に設定されていた。サーキット走行を意識した「XX」系では1億円を超え、フェラーリ量産モデルの中でも最上位クラスであった。当時のフラッグシップとしての位置付けが明確だ。
維持費:ハイブリッド特有の管理も必要
メンテナンスに関してはPHEV特有のバッテリー管理や電装系点検が必要だが、正規ディーラーのサポート体制は充実している。定期的な点検と適切な管理を行えば、長期にわたって良好なコンディションが維持できるだろう。(以下は、維持費に関する基本的なアイテムをまとめた目安。)
| 区分 | 項目 | 年間費用(円) | 備考 |
| 税金・保険 | 自動車税 | 6万5500 | 3990cc |
| 重量税 | 1万6400 | 重量2tまで2年間で3万2800円 | |
| 自賠責 | 8825 | 2年分1万7650円 | |
| 任意保険 | 車両保険に加入するか等の条件によって大きく異なる | ||
| メンテナンス | オイル | 15万 | 銘柄等により変動。年1回交換と想定 |
| タイヤ | 30万 | 4年で交換と想定 | |
| 消耗品 | 随時 | ブレーキパッド、ブレーキフルード、バッテリー等の交換・整備費用 | |
| 日常費用 | 燃料 | 4万 | 年間1500km走行、燃費約7km/L、ガソリン¥180/Lで計算 |
| 駐車場 | 60万 | 都内マンション併設タワーパーキング想定(5万円/月) | |
| 合計 | 約120万〜 | 注)税金・自賠責保険料以外はすべて概算。定期メンテナンスに関わるパーツ代や整備費用等は含まず。 |
フェラーリ SF90 ストラダーレ モデル解説




フェラーリ SF90 ストラダーレは、当時のフェラーリがめざした将来を担う中核モデル。2019年のデビュー後、2020年にはオープンボディの「SF90 スパイダー」が登場。2024年夏に生産終了が発表された。
フェラーリ SF90 ストラダーレ
フェラーリ SF90 ストラダーレは、フェラーリが量産車で本格的に電動化へ踏み出した最初のモデルだ。外観は空力性能を徹底追求した先鋭的デザイン、内装はフルデジタル化された次世代コクピットを採用。1000PSという圧倒的な走行性能に加え、EV走行や燃費性能といった新たな価値を備える点がそれまでのV8フェラーリとの決定的な違いである。当時のフラグシップとして価格は非常に高額だが、技術的先進性と象徴性を考えれば、フェラーリの歴史に残る1台と言える。
約5年でライフを終えたが、フェラーリのV8モデルとしては標準的なモデル寿命と言える。また、当時のフェラーリは296GTB/GTSに代表される次世代V6ハイブリッドや、さらに高性能なXX系のラインナップ刷新を進めており、戦略的な世代交代だったと言える。
| 発表 | 2019年 |
| 全長/全幅/全高/ホイールベース | 4710/1972/1186/2650mm |
| パワートレイン | V型8気筒ツインターボ |
| 総排気量 | 3990cc |
| エンジン最高出力、最大トルク ハイブリッドモジュール システム最高出力 | 780PS(574kW)/7500rpm、800Nm/6000rpm 220PS(162kW) 1000PS |
| トランスミッション、駆動方式 | 8速 F1 デュアルクラッチ、E4WD |
| 車両重量 | 1570kg |
| 0→100km/h加速 | 2.5秒 |
| 最高速度 | 340km/h |
フェラーリ SF90 スパイダー
フェラーリ SF90 スパイダーは、SF90ストラダーレをベースにしたオープントップモデルで、フェラーリ初の量産PHEVスパイダーである。電動式リトラクタブル・ハードトップを採用し、約14秒で開閉が可能。ルーフ収納時も、前衛的な美しさをもつボディラインを大きく崩さない点が特徴だ。パワートレインはクーペと同一で、4.0リッターV8ツインターボと3基のモーターによりシステム最高出力1000PSを発生する。オープン化による重量の増加はクーペの+100kgと最小限に抑えており、走行性能への影響は限定的とされる。開放感と圧倒的パフォーマンスを両立した、フェラーリの電動時代を象徴するスパイダーモデルである。
| 発表 | 2020年 |
| 全長/全幅/全高/ホイールベース | 4704/1973/1191/2649mm |
| パワートレイン | V型8気筒ツインターボ |
| 総排気量 | 3990cc |
| エンジン最高出力、最大トルク ハイブリッドモジュール システム最高出力 | 780PS(574kW)/7500rpm、800Nm/6000rpm 220PS(162kW) 1000PS |
| トランスミッション、駆動方式 | 8速 F1 デュアルクラッチ、E4WD |
| 車両重量 | 1670kg |
| 0→100km/h加速 | 2.5秒 |
| 最高速度 | 340km/h |
フェラーリ SF90 XX ストラダーレ/スパイダー
フェラーリ SF90 XX ストラダーレは、SF90 ストラダーレをベースに開発されたサーキット志向の限定モデルで、従来はXXプログラム専用だった「XX」の名を初めて公道走行可能な市販車に与えた点が最大の特徴だ。パワートレインはベースモデルを踏襲しつつ、制御が徹底的に最適化されている。空力面では固定式リヤウイングをはじめとする専用のエアロパーツにより、通常モデルを大きく上回るダウンフォースを獲得している。生産台数は限定され、SF90シリーズの中でも最も過激かつコレクター性の高い存在として位置付けられる。
| 発表 | 2023年 |
| 全長/全幅/全高/ホイールベース | 4850/2000/1225/2650mm |
| パワートレイン | V型8気筒ツインターボ |
| 総排気量 | 3990cc |
| エンジン最高出力、最大トルク ハイブリッドモジュール システム最高出力 | 797PS(586kW)/7900rpm、804Nm/6250rpm 233PS(171kW) 1030PS |
| トランスミッション、駆動方式 | 8速 F1 デュアルクラッチ、E4WD |
| 車両重量 | 1560kg(スパイダーは1660kg) |
| 0→100km/h加速 | 2.3秒 |
| 最高速度 | 320km/h |
フェラーリ SF90 ストラダーレ の新車・中古車価格

フェラーリ SF90 ストラダーレは中古市場でも高値を維持している。フェラーリの他のモデルと同様にオプションなどの仕様によって価格帯は幅広いが、希少性ともあいまって基本的には高額に設定されている。
| モデル | 新車価格(当時) | 中古車価格(2026年2月時点) |
| フェラーリ SF90 ストラダーレ | 5442万円~ | 3500万~8000万円 |
| フェラーリ SF90 スパイダー | 5965万円~ | 5000万~約1億円 |
| フェラーリ SF90 XX ストラダーレ | 9800万円~ | ー |
| フェラーリ SF90 XX スパイダー | 1億801万円 | ー |
フェラーリ SF90ストラダーレ について多い質問

以下では、フェラーリ SF90 ストラダーレについて多い質問に回答する。
Q:フェラーリ SF90 ストラダーレの街乗りは現実的か
電子制御の完成度が非常に高く、アクセルレスポンスやクラッチ制御も穏やかに調整されている。したがって、低速走行でも扱いにくさは少ない。PHEVのためEVモードを選択すれば、住宅街などでも静かに走行できる点は従来のフェラーリにはない利点だ。一方で、全幅約2mというボディサイズや低い車高、後方視界の制約は避けられず、狭い道路や立体駐車場では注意が必要となる。街乗りは可能だが、日常的に使いこなすにはある程度の慣れが求められる。
Q:フェラーリ SF90 ストラダーレの維持費は他のフェラーリと比べて高いか
フェラーリ SF90ストラダーレの維持費は他のV8/V6フェラーリと比べて高めとなることが考えられる。理由はPHEVシステムによる構造の複雑さと、車両価格に比例した保険料や消耗品コストにある。一方で、定期点検や基本的なメンテナンス費用自体はフェラーリの他モデルと大きく変わらず、正規ディーラーのサポート体制も共通だ。維持費は高水準だが、V8系のフラッグシップモデルとして妥当な範囲といえる。
Q:中古での購入は安全か
正規ディーラーの認定中古車であれば、厳格な点検整備と保証が付帯するため安全性や信頼性の面で安心感は高い。特にSF90 ストラダーレはPHEVであるため、ハイブリッドシステムや電装系のチェック体制が整った販売元を選ぶことが重要だ。中古車選びでは価格だけで判断せず、整備履歴、走行距離、使用環境、保証内容を総合的に確認したい。適切に管理された個体であれば、中古車でも高いパフォーマンスを安心して楽しむことができる。
フェラーリ SF90 ストラダーレ の購入方法

フェラーリ SF90 ストラダーレは新車販売が終了しており、中古車での購入となる。購入時は価格や特性、維持費などを総合的に検討し、自身の使用目的に合った仕様を選ぶことが重要となる。

