モアパワーへの回答。
320馬力仕様のZ33ロードスターは魅力的すぎる!
2000年にZ32の生産が終了してから2年。ブランクを経て登場したZ33、すなわち5代目フェアレディZは、日産として初めてスカイライン(V35)と基本コンポーネンツを共有し、2シーター専用モデルとして生まれ変わった。それは従来のZとは明確に異なる、大きな転換点でもあった。
心臓部は3.5L・V6のVQ35DE。デビュー当初は280psを発生し、2005年のマイナーチェンジで294ps(6速MT)へとパワーアップ。さらに2007年には、ブロック設計の刷新とツインスロットル化を受けたVQ35HRへ進化し、最高出力は313psに到達する。

そんなZ33に電動ソフトトップを持つロードスターが追加されたのは2003年。グレードは、ベーシックなバージョンSと装備充実のバージョンTで展開し、2005年には最上級グレードとしてバージョンSTが追加された。取材車両はバージョンSの6速MTモデルだ。そのチューニングを手掛けたのがペントルーフ。
「オーナーが中古で買ったんですけど、遅いから何とかならない?ってことでウチに持ってきたんです。そのオーナーは2.7Lフルチューン仕様のBNR32も持っていて。Z33のノーマルじゃあ遅いって感じても仕方ないですよね」と北林さん。


街乗りで感じる速さに対する不満の解消が目的だったため、大パワーを得るのではなく、日常域でのストレス軽減を狙ってチューニング。そこでパワーアップの手段に選ばれたのは、トルク変動が少なく、NAフィールを残したまま、エンジン回転の上昇に伴ってリニアにパワーが追従するボルトオンスーパーチャージャーだった。また、排気系には手を加えず、吸気系のみの手直しで完結。ターボのように熱害の心配をしないで済むのもメリットだ。

エンジン本体も燃料系もノーマルのまま、HKS GT2スーパーチャージャーを装着。制御はF-CON iSが担当する。十分な安全マージンを見込んで最大ブースト圧は0.4キロに抑えられるけど、カタログスペックに対してパワーで40ps、トルクで5kgm上回る数値をシャシダイで計測している。
ピークパワーは5900rpmで321.1psをマークし、キレイな右肩上がりのグラフから、エンジン回転の上昇に伴って高まるパワー特性が想像できる。また、トルクは4800rpmで最大42.3kgmに到達。2500~4000rpmの中間トルクも向上していて、速さと扱い易さがプラスされる。


排気系はメタルキャタライザー、センターパイプ、スーパーサウンドマスターマフラーとHKSで統一。マフラーはメインパイプ径65φ→50φ×2、テール径102φ左右シングル出しとなる。「この組み合わせだと、いい音がするんですよね」と北林さん。
ブレーキは前後ともバージョンT純正ブレンボキャリパー&大径ローターに交換して容量アップ。パッドはエンドレス製を組み、制動性能とコントロール性をさらに高める。足回りにセットされるのはHKSハイパーマックス車高調。

ステアリングホイールはモモコマンド2Rに交換されるけど、シフトノブは純正。追加メーターも装着されず、ダッシュボード周りはノーマル状態を保つ。ちなみに、シートも純正のまま。

外装はノーマルを基本に、適度な車高ダウンとレイズホムラ装着による19インチ化に留めている。必要以上に飾り立てることはない。それでいながら、ボルトオンスーパーチャージャー化によって速さをちょい足しするという、まさにオープンエアを楽しむロードスターの性格に合ったイジリ方。見た目も中身も、その仕上りは“大人のチューニングカー”と呼ぶのが相応しい。
●取材協力:ペントルーフ 東京都大田区大森東2-28-2 TEL:03-5493-0840
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