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今日は何の日?■ひとクラス上の高級感が味わえた2代目ドマーニ

1997(平成9)年1月31日、ホンダはクラスを超えた高い基本性能と高品質の内外装を追求した2代目「ドマーニ」を発売した。初代ドマーニはコンチェルトの後を継いだシビックベースの日本専売車だったが、2代目は先代よりも上級化してひとつ上のクラスのセダンを目指した。
ローバー社との共同開発で誕生したコンチェルト

ホンダは欧州での4輪車生産の足掛かりとするため、1979年にBL(ブリティッシュ・レイランド)社と技術提携を締結。その後資本提携も結び、多くのコラボモデルを投入した。例えば、「レジェンド」と「ローバー800シリーズ」、「アコード」と「ローバー600」などがある。ちなみにBL社は、1986年にローバーグループ社と改称したが、その間もホンダとローバー社の関係は続いた。

1988年6月にローバー社との共同開発で誕生したのが、小型セダンの「コンチェルト」。4代目「シビック」をベースにした4ドアセダンと5ドアセダンで、欧州と日本で販売されたが足回りの仕様が異なった。スタイリングは欧州テイストの落ち着いた雰囲気で、車格としてはシビックとアコードの中間的な位置づけだった。
パワートレインは、最高出力91ps/最大トルク12.1kgmの1.5L、105ps/13.8kgmの1.6L 直4 SOHC高性能エンジンの2種エンジンと、4速ATおよび5速MTの組み合わせ。駆動方式はFFベースだが、4ドアセダンにはフルタイム4WDも用意された。
上質感のある小型セダンだったが、当時はバブル景気の真っただ中、あまりに正統派(地味)過ぎて、販売は期待したほど伸びず、僅か4年で生産を終えた。
コンチェルトの後継として登場したドマーニ

コンチェルトの後継にあたるのが1992年11月にデビューした「ドマーニ」だが、海外モデルからは完全に切り離されて、ホンダの独自開発による日本専用車になった。
ベースとなったのは、シビックのセダン「シビック・フェリオ」で、ボディ骨格やパワートレインが共用された。スタイリングは、角型ヘッドライトにスラントノーズとオーソドックスなセダンスタイル。インテリアもベースとなったシビック・フェリオより上級化された。

パワートレインは、最高出力120ps/最大トルク14.5kgmの1.6L 直4 SOHC、130ps/14.8kgmの同VTEC仕様、140ps/17.4kgmの1.8L 直4 DOHCの3種エンジンと、4速AT および5速MTの組み合わせ。駆動方式は基本FFだが、コンチェルト同様フルタイム4WDが用意された。もともと先代のコンチェルトは欧州を意識して開発されたので、実用性や快適性が重視されたモデルだった。
ドマーニは広い室内空間と快適な乗り心地、力強い走りを実現したコンパクトなセダンだったが、コンチェルト同様に地味な印象は避けられず、厳しい販売を強いられた。
上級指向を目指した2代目ドマーニ


1997年1月のこの日、ドマーニはモデルチェンジで2代目に移行した。2代目の開発コンセプトは、“ハイグレードCLASSYセダン”とし、先代よりも上級指向で各部は“ミニ・レジェンド“をイメージして仕上げられた。ミディアムセダンながら、レジェンドと同等の上質感が味わえる、いわば”小さな高級車“を狙ったのだ。
スタイリングは落ち着きのあるオーソドックスなフォルムで、フロントグリルやウインドウ回りのクローム処理で高級感を主張。インテリアについても、シートやドアトリムに配したグレー基調のファブリックと、コンソール部などにあしらった木目調パネルが落ち着いた大人のセダンをアピールした。


パワートレインは、ベースグレードの最高出力105ps/最大トルク13.6kgmを発揮する1.5L 直4 SOHC、120ps/14.7kgmの1.6L 直4 SOHCの2種エンジンと、5速MTおよび4速AT、そしてホンダマチックCVTの組み合わせ。駆動方式は、初代と同様にFFとフルタイム4WDが用意された。また足回りについても、4輪ダブルウィッシュボーンで乗り心地を向上させ、各部の遮音対策を充実させて静粛さをレベルアップして、コンセプト通り高級感が実感できた。

車両価格は、FF仕様で138.8万円(1.5L車)/147.8万~169.8万円(1.6L車)に設定された。2代目ドマーニの完成度は高く評価されたが、販売台数はその評価に追いつけなかった。初代同様オーソドックス過ぎて、インパクトに欠けたのかもしない。
ドマーニは、この2代目を最後に、2000年に販売を終えて歴史の幕を下ろした。
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2代目ドマーニが登場した頃は、ファミリーカーの主役はミニバンやSUVに変わり、特にミディアムクラス以下の小型セダンの需要は激減した。そのような中で個性に欠けたオーソドックスなドマーニは、市場で居場所がなかったのだろう。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。




