バラして判明したK14Cエンジンの傾向と対策
ハードなチューニングパーツ以外も多彩なラインナップ!
新車販売は終了したものの、ZC33Sのカスタム熱は依然として高い。とくに後期4型やファイナルエディションの新規オーナーが増え、初期型ユーザーの間でもリフレッシュを兼ねた性能向上メニューへの関心が高まっている。
そんなスイフトスポーツを軸に、長年スズキ車のチューニングを手掛けてきたのがアールズだ。2025年シーズンはスーパー耐久ST-4クラスに参戦するAutoLaboスズキ・スイフトスポーツをサポート。スポンサー兼テクニカルアドバイザーとして実戦データを収集し、それを市販パーツ開発へとフィードバックしている。

「K14Cエンジンを分解する機会が増えて分かったのは、純然たる高回転型スポーツエンジンではないということ。高回転域が伸び悩む原因は動弁系設計にあり、ECUセッティングだけでは限界があると実感しました」と代表の松野氏。

そこで現在開発中なのが強化バルブスプリング。柔らかめの純正レートを見直し、適正化することで高回転域でのバルブサージングを抑制する狙いだ。


もうひとつの課題が、インテークポートに蓄積しやすいカーボンスラッジ。ポート内部には流速を高めるためと思われるくぼみが設けられているが、これがスラッジの溜まり場になりやすい。

実際、走行1万km程度でもインテークバルブ傘部には明確なカーボン堆積が確認された。回していない個体で発生するノッキング症状も、この蓄積が一因の可能性があるという。対策としては、洗浄性能を追求した燃料添加剤の開発を進めている。

クランクシャフトの設計も興味深い。各気筒に1個ずつのカウンターウエイト構成で、厚みや重量も抑えられている。中低速トルク重視型の性格を示す設計で、高回転型とは方向性が異なることが読み取れる。

一方、ハイフロータービンや吸排気を組み合わせ220psオーバーを発生するデモカーのような仕様では、冷却対策が不可欠。スポーツ走行時は水温95℃以下の維持がトラブル防止の目安となる。

ストッパー構造を備えたメタルヘッドガスケットはハイブースト対応と燃焼室シール性向上を両立。結果として耐久性アップとオーバーヒート抑制にも貢献する。厚みは0.65mmと0.8mmを設定。


さらに実用性を高めるアイテムも充実。4点ベルト装着時の操作性を改善するワンタッチハザードスイッチキットや、不要時にオートライトを任意キャンセルできるユニットなど、日常域のストレスを軽減する製品も用意する。

足まわりでは、車高調までは不要というユーザー向けにノーマル形状のストリートスポーツダンパーを設定。スプリングセットや強化アッパーゴムも選択可能で、用途に応じた最適化が図れる。

「ファイナルエディションの人気を見ると、次期モデルへの期待も高まります。ただ、ガソリン+6MTのコンパクトスポーツという魅力はZC33Sならでは。専門店として、これからも走りの楽しさを支えていきます」と松野氏。
実戦で得た知見を市販パーツへ落とし込む姿勢こそ、スペシャリストの真骨頂。アールズはこれからもZC33Sチューニングの進化を牽引していく。
●取材協力:アールズ 静岡県浜松市東区貴平町505-1 TEL:053-431-6303
【関連リンク】
アールズ
http://www.rsrs.jp

