エンジン車とBEVを設定 自慢の運転フィールは健在

輸入コンパクトカーの中でも屈指の人気者であるMINIは、2023年から24年にかけて全モデルを一気に刷新。同時にネーミングも見直されて、スポーティな売れ筋のグレード名として使われてきた「クーパー」は、ハッチバック(とそれをベースとしたコンバーチブル)そのものを表す車種名となった。新世代MINIにはSUVのカントリーマンや電気自動車(BEV)専用のエースマンもあるが、これらにクーパーというグレードは用意されない。

エクステリア

63対37となる前後重量配分がゴーカートフィールを生み出す。キーを持った状態でクルマに近づいたり離れたりすると、テールレンズが挨拶をするかのように点滅する機能はユニークだ。最小回転半径は5.2m。

クラシックではないニューMINIのハッチバックとしては通算4代目となる新型クーパーは、相変わらずMINIにしか見えない。絵に描いたような台形プロポーションはMINIそのものだが、そこに円や楕円などの幾何学モチーフが散りばめられているところが新しい。どことなく棚っぽい凹断面ダッシュボードに、巨大な円形センターディスプレイとステアリングホイール、センターのスイッチパネルのみを組み合わせただけ……のようなシンプルなインテリアは、このクルマの元ネタでもあるクラシックミニ(の1960年代の初期モデル)を彷彿とさせる。これは多様な機能を指一本で操れる最新デジタル技術があればこそ実現したデザインでもある。

乗降性

新型クーパーはラインナップ中にエンジン車とBEVが普通に並んでいることも、大きな特徴だ。エンジンはすべてガソリンで、1.5ℓ3気筒ターボの「C」と2.0ℓ4気筒ターボの「S」という2グレードが用意される。そしてBEVは、最高出力184PSのモーターと40.7kWhのリチウムイオン電池を組み合わせる「E」と、218PS+54.2kWhの「SE」という布陣となる。3ドアにはこれら4グレードすべてが揃うが、5ドアはガソリン車の2グレードのみ。さらに各モデルに、パワフルな「ジョンクーパーワークス」が追加設定された。

インストルメントパネル

インパネ中央に置かれた直径240㎜の円形ディスプレイにすべての情報を集約したデザインはミニらしい伝統と先進を感じさせるもの。ドライバーの視線移動を抑えるべく、ヘッドアップディスプレイも装備されている。

3ドアと5ドアの両方に設定されるガソリン車のプラットフォームやパワートレインといった主要コンポーネンツは従来改良型で、基本的な居住性は先代と変わらず、走りもまさに正常進化。自慢のゴーカートフィールは健在だが、接地感や安定性はさらに熟成。その上でセンターディスプレイでエクスペリエンスモードを切り替えると、メーターデザインのほか乗り味も微妙に変わる。

居住性

加えて、BEV版が3ドアにだけ用意されるのは前記のとおりだ。新型クーパーのBEVとガソリン車は、当たり前のように同じクルマに見えるのだが、実はプラットフォームからホイールベース、アッパーボディまで、BEVはガソリン車と別物の新開発車なのは興味深い。そう言われてみると、ボンネットやドアの分割線、ドアアウターハンドルがガソリン車と違っている。そんなBEV版クーパーは、中国・長城汽車とBMWによる合弁のスポットライト・オートモーティブ社で生産される。

うれしい装備

メーターデザインやアンビエントライトを切り替え、コクピットの雰囲気を変える「MINIエクスペリエンス・モード」は、円形ディスプレイ下側のトグルスイッチを操作することでいつでも楽しめる。
ラゲッジのオーバーハング部には、深さ130㎜ほどの使い勝手が良いアンダートランクが用意される。荷物を積み込む際にはフロアボードを片手で押さえておく必要はあるが、軽いので気にならない。
月間販売台数   NO DATA
現行型発表    24年3月(「JOHN COOPER WORKS E」追加 25年2月)
WLTCモード燃費  16.3 ㎞/ℓ※「C」  

ラゲッジルーム

ハードウエアは別物のガソリン車とBEVながら、走りはよく似る。つまり、どちらも見事なまでのゴーカートフィールだ。さらに言えば、アクセル反応が鋭く、しかも低重心のBEV版の方が、俊敏かつ水平姿勢のMINIらしい身のこなしを、よりピュアに味わうことができる。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.168「2025-2026年 コンパクトカーのすべて」の再構成です。

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