ステージを問わず万能に楽める!

吸排気チューンメインのオールラウンダー

ステージを問わず万能に楽しめるキャラクターを追求したのが、アペックスのGR86デモカーだ。日常域では快適性を損なわず、減衰力を引き締めれば峠やサーキットでも高いパフォーマンスを発揮する。吸排気チューンを中心に足まわりを強化した構成は、一般ユーザーでも現実的に再現できる内容となっている。

パワーアップの核となるのは、同社オリジナルのフルエキゾーストシステムだ。4-2-1レイアウトのエキゾーストマニホールドに加え、排気効率を高める130cpsiキャタライザー、そして左右出しレイアウトを採用したRSエボリューションX Quadマフラーを組み合わせることで、高効率な排気環境を構築している。

さらに、純正エアクリーナーボックスの性能を引き出す専用インテークダクトを追加。吸入空気量を増大させることで、ECUノーマルのまま約15psの出力向上を達成した。低回転域から厚みのあるトルクを発生し、扱いやすさと力強さを両立している点も見逃せない。

足まわりには、20年以上にわたって進化を続けてきた「N1エボリューションダンパー」を装着。46φの大径ピストンを採用したモノチューブ構造により、微低速域から確実に減衰力を立ち上げる特性を実現する。スプリングレートはフロント10kg/mm、リヤ8kg/mmとし、ストリートとスポーツ走行のバランスを重視したセッティングが施されている。

横方向の入力が大きいフロントには倒立式ダンパーを採用し、フリクションを低減。サスペンションの追従性を高めることで、限界域でのコントロール性と安定感を向上させた。路面のうねりやギャップに対してもしなやかに対応し、突き上げ感を抑えた質の高い乗り味を実現している。

「フルキットだけでなく、スプリングレスキットやダンパー単体での提供も可能です。用途や好みに応じた仕様変更にも対応します。この車両では、リヤダンパーのケース側をピロ化したアジャストケースピロ仕様を採用しており、レスポンスとコントロール性の向上に貢献しています」とは、アペックスの柏倉さん。

ブレーキにはプロジェクトμ製のBSE4&FS2Aキャリパーを装着。加えて、同社オリジナルのN1ブレーキエアシュラウドも導入した。GR86/BRZ専用設計のこのパーツは、キャリパー温度を10℃以上低減する効果が確認されており、スポーツ走行時の安定性向上に貢献する。

足元にはBBSのRE-V7を装着し、タイヤにはブリヂストンのポテンザRE-71RSを前後255/35R18でセット。高いグリップ性能を最大限に引き出す構成だ。

試乗を担当したレーシングドライバーの菊地靖選手は、その完成度を次のように評価する。

「十分なストローク量が確保されていて、車高の低さ以上に足がよく動いている印象だ。剛性感が高く接地感も明確で、ステアリング操作に対するノーズの反応が非常に鋭い。アクセルオンでは確実にトラクションが立ち上がり、縁石に乗っても挙動は乱れない。タイヤが常に路面を捉えているような安心感があるし、さらに高いレートにも対応できる余裕すら感じられた」。

冷却系や駆動系はあえてノーマルのままとするライトチューンながら、筑波サーキット・コース2000で1分2〜3秒台のラップタイムを記録する実力を秘めるこのGR86。ポイントを的確に押さえたパッケージングは、多くのGR86オーナーにとって理想的なチューニングの指針となるはずだ。

●取材協力:アペックス TEL:0544-65-5061

「NOB谷口が峠でガチ検証!」アペックスN1エボリューションダンパーの実力

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