スバルはやっぱり雪道が得意だった! 生産上限に達するほど販売好調

恥ずかしながら&遅ればせながら、スバル・フォレスターを”はじめて”運転する機会を得た。
2025年4月に発表された6代目フォレスターは、ご存知のように2025-2026 日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれるなどモータージャーナリストの評価の高いスバル伝統のSUVモデルだ。現行モデルが生産上限に達したこともあり、すでに年次改良モデルの先行予約を開始しているという話もあるから、実際に売れているのも間違いない。
はたして、メディアからも、マーケットからも高く評価されているフォレスターとは、どんなクルマなのだろうか。興味津々での初ドライブとなりそうだ。
そして、フォレスターとの初対面のステージはクローズドな積雪路。対向車などを気にせず、クルマを味わうことに専念できる環境ではあるが、路面のコンディションはけっして良いとはいえない。試乗当日は気温が上がったこともあって、日陰は圧雪路や凍結路で、日向はシャーベット状だったり、舗装が出ていたりする箇所もあった。
目まぐるしく変化する路面コンディションで、フォレスターはどんな走り味を感じさせてくれるのだろうか。

あらためて整理すると、フォレスターは2.5Lストロングハイブリッドと1.8Lターボ、2タイプのパワートレインを設定している。いずれも駆動方式は4WDだけの設定となるのは、フォレスターらしいところだ。もちろん、エンジンはいずれもスバル伝統の水平対向”ボクサー”エンジンとなっている。
ストロングハイブリッドは、トランスミッションに発電用モーターと駆動用モーターを内蔵したタイプで、モーターの反応速度を活かした走りが、どのように仕上がっているのか興味津々。さらにハイブリッド車の4WDでは珍しく、プロペラシャフトにより機械的につないだメカニカルタイプとなっているのもフォレスターの特徴だ。
1.8Lターボはスバルというブランドらしく、常にリヤタイヤにも駆動を配分するAWD(常時全輪駆動)システムとなっている。非電動のボクサーターボと合わせて、純粋にガソリンエンジンのドライビングが楽しめることを期待するユーザーも多いだろう。
雪上試乗にあわせて、スタッドレスタイヤを履いていることもあり、乗り心地や静粛性などはひとまず横に置いておいて、今回は雪道でのハンドリングや挙動を軸に確認していくことにしたい。






ことさらに意識せず雪道を安心して走れるハイブリッド
フォレスターのスタイリングには、オーソドックスなグローバルSUVモデルといった印象を持っているが、ドライバーズシートに腰を下ろすと目前には、12.3インチのフル液晶メーターや11.6インチの縦型センターディスプレイによるデジタルコックピットが広がっている。
シートやハンドル位置を調整することでドライビングポジションは合わせやすく、視界も良好。リラックスして初ドライブを楽しめそうだ。もっとも、こうした運転姿勢の取りやすさはスバル車の伝統的な特徴であり、想定通り。
まずはストロングハイブリッドをから乗ってみる。スバルが電動パワートレインを、どのように御しているかが個人的に気になるチェックポイントとした。
第一印象をひと言であらわせば「リニアで自然」。
アクセルワークに対して駆動力は期待通りに発揮されているし、ハンドリングについても反応遅れを感じることはない。さすがにブレーキは、ドライ路面のようにはいかず、60km/hを超える速度からのフルブレーキングではABSが作動しつづけることになるが、車両姿勢が乱れるようなことはなかった。

フォレスター・ストロングハイブリッドの走りを、さらに深掘りしてみよう。
日常的な速度域ではモーターを主体とした駆動となるため、当然ながらアクセル操作に対するトルクのリニア感はストロングハイブリッドらしいところで、電動パワートレインらしいメリット。ただ、モーターのリニアリティだけであれば他社のハイブリッドと共通の要素といえる。
フォレスターのストロングハイブリッドがスバルらしいと感じるポイントは、4WD制御と出力特性、そしてゆっくり伸びるサスペンションがマッチしている点だろう。前述したように、ストロングハイブリッドであえて機械式4WDを採用していることも合わせて、後輪スタビリティの変化が少なく、自然なスタビリティが感じられる。
ようは、安心してアクセルを踏み込んでいけるハイブリッド4WDに仕上がっている。
ただし、常に完璧というわけではない。フォレスターの特徴的な機能として「X-MODE」でスノーモードを選ぶと、今回のように圧雪からドライまでミックスした路面でギクシャクすることもある。主な理由として、スノーモードではアクセル開度が小さめの領域おいて、出力特性を抑えるような制御をしている点があるだろう。踏み始めが大人しいため、踏み込んでいったときにトルクが急に立ち上がる印象になっているといえそうだ。
あえてスノーモードを選ばずとも、デフォルトの状態で圧雪路も不安なく走れるフォレスター・ストロングハイブリッド。スバルのSUVに雪道での安心を求めるユーザーであれば、後悔のない選択になるだろう。

後輪で雪を蹴散らすボクサーターボの気持ちよさ

つづいて、1.8Lのボクサーターボを積むフォレスターに乗ってみた。
ハイブリッドより約100kg軽いこともあって、ステアリング操作に対して軽快に向きが変わる気持ちよさが印象的だ。調子にのってアクセルをグンと踏み込んでいくとターボらしい太いトルクが出てくる。そしてリヤタイヤが雪をかいて加速するフィーリングが楽しい。
言語化すれば、後輪へ配分されるトルクがハイブリッドより大きく、リヤのメカニカルグリップも高いことが、スバルのボクサーターボらしい走りを生み出しているといえそうだ。
全体的な走りは洗練されているし、けっしてエンジンの主張が激しいわけでもないが、古き良きスバルを楽しみたいユーザーにはベストなチョイスとなるのが、フォレスターの1.8Lターボ車といえる。
現時点では「SPORT」系グレードにしか搭載されていない1.8Lターボが拡大して、エントリーグレードなどにも積まれるようになれば、より幅広いユーザーにフォレスターが刺さることになるだろう。年次改良において、フォレスターが”ターボ推し”に進化することを期待している熱心なスバリストも少なくないのではないだろうか。
ちなみに、フォレスターの1.8Lターボはレギュラーガソリン仕様となっている。13.5km/Lのモード燃費はけっして良い数値とはいえないが、ガソリン代というランニングコストが抑えられるのであれば、あえてハイブリッドを選ばずとも…というユーザーも生まれそうだ。

フォレスター主要スペック
フォレスタープレミアムS-HEV
全長×全幅×全高:4655mm×1830mm×1730mm
ホイールベース:2670mm
最低地上高:220mm
車重:1750kg
駆動方式:4WD
乗車定員:5名
エンジン型式:FB25
総排気量:2498cc
エンジン最高出力:160PS(118kW)/5600rpm
エンジン最大トルク:209Nm(21.3kg-m)/4000-4400rpm
バッテリー種類:リチウムイオン電池
バッテリー容量:4.3Ah
モーター最高出力:119.6PS(88kW)
モーター最大トルク:270Nm(27.5kg-m)
燃料消費率(WLTCモード):18.4km/L
サスペンション形式:フロント・ストラット/リヤ・ダブルウィッシュボーン
最小回転半径:5.4m
タイヤサイズ:235/50R19
フォレスタースポーツEX
全長×全幅×全高:4655mm×1830mm×1730mm
ホイールベース:2670mm
最低地上高:220mm
車重:1660kg
駆動方式:4WD
乗車定員:5名
エンジン型式:CB18
総排気量:1795cc
エンジン最高出力:177PS(130kW)/5200-5600rpm
エンジン最大トルク:300Nm(30.6kg-m)/1600-3600rpm
燃料消費率(WLTCモード):13.5km/L
サスペンション形式:フロント・ストラット/リヤ・ダブルウィッシュボーン
最小回転半径:5.4m
タイヤサイズ:225/55R18




