連載

あのコンセプトカー、どうなった?

FT-HS→FT-1→これがA90スープラに

TOYOTA FT-1
TOYOTA FT-1

FT-1は”よりエモーショナル”なスポーツカーデザインを模索するなかでその可能性のひとつを示すべくデザインされたクーペコンセプトだ。

デザインを担当したのは、当時、創立40周年を迎えたトヨタの米国デザイン拠点のCalty Design Research(キャルティデザイン)。

このFT-1は、のちにA90スープラとして商品化されるわけだが、FT-1の前段にあるのが、2007年のFT-HSである。ここでいう「FT」とは、Future Toyotaを意味している。FT-HS→FT-1→A90スープラに共通するのは、ロングノーズ・ショートデッキの典型的なFRスポーツのプロポーションだ。

TOYOTA FT-HS

エンジンは直列6気筒

TOYOTA FT-1のエンジンは公表されていないが、想定は直列6気筒だろう。

想定するパワートレーンは
FT-HS(2007年):3.5L V6ガソリンエンジン+ハイブリッド
FT-1(2014年):直6エンジン
A90スープラ(2019年):3.0L直6ターボ/2.0L直4ターボ

TOYOTA 2000GT

FT-HSはV6+ハイブリッドだったが、トヨタ2000GTから続くトヨタFRスポーツカーの系譜を考えると、ここは直列6気筒エンジンが正統と言えるかもしれない。実際に商品化されたA90スープラは、3.0L直6ターボエンジン(B58型)を搭載したわけだが、エンジンそのものは、BMW製だ。

TOYOTA FT-HS 全長×全幅×全高:4325mm×1860mm×1290mm ホイールベース:2650mm
TOYOTA FT-1 全長×全幅×全高:4675mm×1970mm×1225mm ホイールベース:2740mm
A90スープラ 全長×全幅×全高:4380mm×1865mm×1295mm ホイールベース:2470mm

サイズは
FT-HS(2007年)
全長×全幅×全高:4325mm×1860mm×1290mm
ホイールベース:2650mm

TOYTOA FT-1 2014年
全長×全幅×全高:4675mm×1970mm×1225mm
ホイールベース:2740mm

トヨタ・スープラ(2019年)
全長×全幅×全高:4380mm×1865mm×1295mm
ホイールベース:2470mm
となっていて、A90スープラのボディサイズは、FT-1よりもFT-HSの方が近いことがわかる。

TOYOTA FT-1
A90スープラ デザインテイストは、FT-1譲りだ。

デザインテイストは、FT-1はA90スープラの元ネタであるのは明白だ。
ホイールベース/全長の比率はFT-HSが62.3%、FT-1が58.6%、A90スープラが56.4%。

GR GT 全長×全幅×全高:4820mm×2000mm×1195mm ホイールベース:2725mm

ちなみに、最新のGR GT(エンジンは4.0L V8ターボ)は
GR GT(2025年)
全長×全幅×全高:4820mm×2000mm×1195mm
ホイールベース:2725mm
でホイールベース/全長の比率は56.5%である。

TOYOTA FT-1
A90スープラ

FT-1がワールドプレミアされた2014年のトヨタは、リーマンショックを乗り越え、東日本大震災を経て、2013年度(2013年4月~2014年3月期)は業績も好調で、グループの総販売台数も1000万台超えを果たしている。社長は豊田章男氏(現会長)だった。当時からトヨタのスポーツカーに対する強い想いがあったのだろう。

FT-HS→FT-1→A90スープラと続いたトヨタのスポーツカーの実現への流れの次は、なんだろうか? 2月6日に行なわれたトヨタの社長交代記者会見(佐藤恒治現社長→近健太次期社長)でも、セリカについての言及があった。MR-2の復活の可能性も噂されている。コンセプトカーからの流れで見ると、「ああ、あのコンセプトカーが、こうなったのね」と面白く読み解けるかもしれない。

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