カーボン・ニュートラル 推し活、診療、スイーツショップなど活躍の舞台は無限大…トヨタe-Paletteは単なる移動手段ではなかった!【写真・75枚目】 病院への通院が困難な高齢者や妊婦、過疎地の住民に対し、看護師と医療機器を載せた車両が直接赴く移動診療を想定したe-Palette。実際の活用シーンのデモが行われた。 メディア取材会では、多彩な用途に向けて仕様を整えたe-Paletteが多数用意されていた。 e-Paletteは低床・大開口構造のため、足腰の弱い高齢者でも乗り降りしやすく、スロープ設置により車いす利用者も容易に乗車可能なのがメリット。 車両の急速充電口に、市販のV2H(Vehicle to Home/Load)変換器を接続し、コンセントから電力を供給する。また、車内の広い空間に避難用テントや家電製品を積み込み、そのまま避難所を形成・支援することもできる。 災害発生時、e-Paletteは「移動できる非常用電源」として避難所等のインフラを支える役割を担う。1台で一般家庭約7日分の電力を供給可能だ。 車両にはTeladoc HEALTH(テラドック ヘルス)と呼ばれる遠隔医療システムを搭載。大型ディスプレイにより、医師が目の前にいるような感覚で診療を受けられる。 高齢者が座りやすい浅めの座面と背もたれを備えた椅子。180cmの人が寝られるベッドにもなる。 モバイルエコーを用いれば、内臓や妊婦健診における胎児の状態をリアルタイムで医師と共有できる。 電子聴診器を用いて、心音や呼吸音を遠隔地の医師へリアルタイムで伝送可能。 室内高にも余裕があるため、看護師が立って作業できる。白を基調とした内装は、通常の病院の診察室に近い安心感を演出する。 20倍光学ズーム×3.5倍デジタルズームのカメラと広角カメラをふたつ搭載。ナイトビジョン対応で、暗い部屋でも鮮明に状況を見られる。さらに一体化したスピーカーとマイクも備わる。 窓ガラスには特殊フィルムを採用。スイッチ操作で不透明に変更でき、診察中のプライバシーを確保。 e-Paletteの活用提案を支援するMR(複合現実)シミュレーターのデモ風景。VRゴーグルを被ると... 眼の前にはCGのe-Paletteが現れる。実際の風景と合成されて表示され、かなりリアリティが感じられる。 今回は選手ではなく、アルバルク東京のアリーナMCを務めるたつをさんが登場。配信スタジオからの中継が行われたが、音声の遅延もなく、自然なやりとりを楽しむことができた。 シートはアルバルク東京のイメージカラーでコーディネイト。 車内は大型ディスプレイ、5つのマイクを用いた集音システム、パイオニアの高性能スピーカー&ウーハーを用いた音響設備、そして乗客の様子を捉えるカメラなどが備わる。 クリアなサウンドも臨場感を高めてくれるポイント。 こちらが集音マイク。e-Paletteではなく別の車両を用いて2年前から実証を行っており、ピンマイクっでは乗客が緊張してしまうため、車載マイクを用いることになったそうだ。 天井の照明は影ができにくい面発光LED照明を追加設置。患者の状態を視覚的に正確に把握できるよう、十分な照度を確保している。 「コミュニケーションパレット」と名付けられた、移動体験サービスの提案。移動中の車内と遠隔地を高画質な映像と低遅延の音声で繋ぎ、双方向の交流を可能にするパッケージ型モビリティサービスで、今回はプロバスケットボールチーム「アルバルク東京」の試合後の選手とファンがリアルタイムに会話を楽しむサービスのデモが行われた。 今回の取材会には、2タイプの移動店舗型e-Paletteが展示されていた。こちらはセレクトショップをイメージしたもの。什器(カウンターや棚)を車内に収納し、ドライバーが目的地まで運転してその場で組み立て、販売終了後は再び収納して撤収する運用が可能。 こちらが車内。 e-Paletteは単なる移動手段にとどまらず、移動型店舗として活用することを想定。昨年秋より、お台場エリアにおいて「パレットマルシェ」と称した移動型店舗の実証実験が継続されている。具体的には、エリアの特性やイベントによる人流の変化を分析し、最適な場所と時間を選んで出店。例えばトヨタアリーナ東京でバスケットボールの試合がある日には、1万人規模の観客が集まる時間帯や場所のデータを蓄積・活用し、公式グッズの販売場所や商品ラインナップを検討する試みを行なっている。 e-Paletteはレベル2相当の自動運転に対応しているが、レベル4の実現を目指している。開発パートナーであるティアフォーでは車両制御インターフェースの標準化により、多様な自動運転システムの搭載を可能にするとともに、システムの冗長性を確保することで高い安全性の実現を目指している。 実車と同サイズのグラフィックで表示されるため、什器の種類や配置の場所などを変更した際、そのイメージが掴みやすい。また、複数人が同時にVRゴーグルを用いて同じe-Paletteを前にしながら検討することも可能なのがメリット。 もう1台が、スイーツショップをイメージしたもの。こちらは作り付けの什器が設置されており、特定の事業者に向けたオーダーメイド仕様となっている。 写真は横浜・山下ふ頭にある美術館「ザ・ムービアム ヨコハマ」で運行されているe-Paletteの様子。バス待合所から建物まで、徒歩だと20分かかるルートを往復している。 この画像の記事を読む