マップの最適化でトルクとレスポンスを向上!
手軽にスポーツ走行を楽しめる新たなベースマシン
非力なNAエンジンにCVTのみの設定…、そんな理由から注目度はいまひとつだったHA37Sアルト。しかし、その可能性にいち早く着目し、着実にECU解析を進めてきたのがアルトチューンで知られるラインナップレーシングだ。

「2ペダルが当たり前の時代ですし、AT限定免許のユーザーも多い。36アルトではAGS車を積極的にチューニングしてきました。ただ当時のCVTは減速フィールに違和感があり、正直苦手でしたね。しかしCVT専用となった37アルトは、その違和感が解消され、ボディ剛性の向上もあって走りが確実に進化していた。そこで“走れるベース車”に仕立てようと、パーツ開発とECU攻略を進めてきました」と代表の松山さん。
協調制御の影響もありECU解析は難航したが、スピードリミッターを除く制御の攻略は完了。リミッターは作動条件が複数設定されているようで、現在はそれらを一つずつ洗い出し、完全解除を目指している段階だ。

エンジン自体は従来と同じR06Aだが、CVT制御の進化もあり、高速域の伸びは大きく改善。36アルトで感じられた100km/h付近での頭打ち感はなく、37アルトは120km/hを超えてもスムーズに加速する。また、割れやすかったバッテリーケース周辺や整備性も改善され、完成度は確実に高まっている。
CVT専用車のためのECUチューン

ECUチューンではスロットルマップとトルクマップを軸に最適化を実施。中間域のトルクを厚くし、アクセルに対するレスポンスを鋭く仕上げている。価格はレギュラー仕様が5万8000円、ハイオク仕様が6万8000円を予定。

36アルトではCVTフルード温度上昇によるセーフモード介入が課題だったが、37アルトはサーモレス化によって水温を80度台半ばに管理すれば十分に対策可能という。CVTフルードはロックアップタイミングへの影響も考慮し、現時点では純正状態でテストを継続している。
電装系の強化でさらなる底上げ
軽量化やコストダウンの影響で純正は細径ハーネスを採用しており、電圧減衰が大きい。そこでアースラインを強化する「プレミアムアース極」、イグニッションコイルやオルタネーターへの電圧低下を抑制する「919ワイヤー」を設定。いずれもトルクアップやピックアップ向上に直結するチューニングだ。
専用エキゾーストも設定!

フロントパイプ以降を42.7φで通し、60φストレートテールへ導く保安基準適合のリーガルタイプマフラー(7万4800円)もラインナップ。トルクとレスポンスを重視しつつ、快適なレーシングサウンドを実現する。37アルトに加え、兄弟車キャロルにも対応し、4WD用も開発予定だ。
新デモカーで最終検証

ECUチューンの最終確認に用いる新デモカーは、重量増を補うためドンガラ仕様とした。カーテンエアバッグなど安全装備や剛性向上による重量増はあるが、営業車需要でバンモデルが好調なこともあり、37アルトは今後有力なベース車となる可能性が高い。

ESP(横滑り防止装置)は単純にスイッチをオフにしても制御が残るため、36アルト用解除キットを流用。ただし、サーキット走行を前提に整備モードへ簡単に切り替えられる専用パーツも構想中だ。

足元にはキャンバー4度半でジャストフィットするボルクレーシングTE37ソニック(6.5J+20×15)を装着。従来は偏心ブッシュでキャンバーを調整していたが、価格高騰を受け、現在はアッパーおよびナックルでのセッティングへ移行している。

「フルード温度上昇でセーフモードが介入しやすかったCVT車の弱点も、水温管理だけで対策できることがわかってきましたし、高速域の速度規制対応により、以前と異なり100km/hオーバーからもしっかり加速します。ECUチューンで豹変する37アルトは要チェックです!」とは松山さん。
点火系強化パーツやマフラーなど、すでにリリース済みのメニューも含め、37アルトのポテンシャルを着実に引き出すラインナップレーシング。ECUに興味を持つユーザー向けに試乗車も用意しているという。37アルトオーナーにとって見逃せない存在となりそうだ。
●取材協力:ラインナップ(松山商会) 兵庫県姫路市花田町小川574-1 TEL:079-260-7077
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