BMW開発スタッフは、どうやらウワサの最大クロスオーバーSUV、『X9』生産の検討に入ったと見られる。ただし現段階でまだ生産承認はされていないようだ。

普通に考えれば、BMWのSUVの現行ラインアップ中で最大となるX7よりも大型のSUVの必要性など理解できない。しかし販売台数を見る限り、BMWは他のどの高級車メーカーよりも顧客ニーズを理解していると言わざるを得ないのだ。ディーラーは、G07よりもさらに広い3列目シートを備えた超大型のファミリーカーを求めているというのだから驚きだ。

アメリカのディーラー筋からもたらされた「大型SUVの開発が進められている」という最近の報道から、X9登場の可能性についての憶測が飛び交っている。しかし情報筋によると、そのような車はまだ生産承認されておらず、仮に承認されたとしても、Xシリーズの新フラッグシップモデルの登場は早くとも2030年以降となるだろうということだ。
今回のX9予想CGは、我々と提携しているCGアーティストのTheottl氏が制作したものだが、勿論、現段階でプロトタイプなど存在もせず、当然、スパイショットもまだないため、あくまでも断片的な情報から構成された推測の域を出ない。ノイエクラッセの影響を散りばめているとはいえ、これはまさに「当てずっぽう」と言えるだろう。しかし、キャデラック・エスカレードの仮想的なライバルとなるであろうこのクルマの予想CGは、「ノイエクラッセデザインが今後にわたって成功するなら」という前提条件のもとで、iX3に見られる洗練されたヘッドライトのデザインが適用されたり、はるかに大きなフットプリントに合わせてキドニーグリルが拡大されたりというエッセンスが注入されて作成されている。このデザインは十分有り得そうなものと思われる。
もうひとつの予想としては、今後数ヶ月以内に登場予定と言われる7シリーズのフェイスリフトでは、分割型ヘッドライトの配置が維持されており、2027年デビュー予定と言われる次世代X7(G67)にも同様のことが起こるだろうと言われている。BMWがさらに大型のSUVを投入することになった場合、これと同様に印象的なフロントフェイシアが採用される可能性もある。
とはいえ、次の10年で状況は大きく変わる可能性がある。ノイエクラッセのデザイン言語はまだ初期段階にあり、新型iX3の納車もまだ始まっていない。さらに、今後BMWの主要製品は異なるデザインチームが担当することになると言われる。元・ポールスターのデザイン責任者であったマキシミリアン・ミッソーニ氏が、現在、アッパーミドルサイズおよびラグジュアリー部門を率いており、仮にX9が誕生するとすれば、この部門が担当することになるはずだ。
一方、BMWは別の高級SUVを開発中と伝えられている。噂されているG74は、3列シートとこれまでのBMWモデルよりも優れたオフロード性能を備え、2029年頃に登場予定とされている。
メルセデス・ベンツGクラスほど本格的なオフロード性能でないようだが、この冒険志向のモデルは社内で“Rugged(ラギッド)”というコードネームで呼ばれている。
G74は、BMWが2020年代末までにスパルタンバーグ工場で生産を計画している6種類の電気SUVのうちの1台と考えられている。ただし、航続距離に不安のある購入者向けに、ハイブリッドモデルも開発中であると報じられている。
X9が最終的に実現するとしても、BMWの伝統的な戦略に従い、トレイルでの耐久性よりもラグジュアリー性を優先する車となる可能性が高いだろう。一方、『ラギッド』は、市場の異なる層をターゲットとし、Rivian R1Sや電気自動車のGクラスといったオフロード重視の高級車から顧客を引き抜くことを目指すことになるという。




