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今日は何の日?

■初代GT-Rのスカイライン、ハコスカGT-R誕生

日産「スカイライン2000GT-R」

1969年(昭和44)年2月21日、日産自動車は3代目「スカイライン(通称ハコスカ)」に高性能グレード「スカイライン2000GT-R」を設定して発売した。スカイライン2000GT-Rは、1964年の第2回グランプリ(GP)レースにおいて伝説の走りで多くのファンを魅了したスカイランGTの流れをくむ、最高峰の高性能モデルである。

第2回GPでのスカイラインGTの活躍

1963年の第1回日本GPで惨敗した雪辱を晴らすために、プリンス自動車(後に日産が吸収合併)が翌1964年の第2回日本GPのために仕立てたのが、「スカイラインGT(S54A-1型)」である。もともと1.8Lの直4エンジンを搭載していた2代目スカイラインに、フロント部を約200mm延長して半ば強引に直6エンジンを収めたレースのためのモデルである。

スカイライン2000GT-R 1969JAFグランプリ優勝車仕様(篠原孝道選手の39号車)

スカイラインGTは、シングルキャブレターを装着した最高出力105psの2.0L直6 SOHCエンジンを搭載したが、レース用オプションに125psの3連装ウェーバーキャブレターを装着した仕様も選べた。

第2回日本GPレースでは、圧倒的な性能を持つ「ポルシェ904」に、生沢徹選手が駆けるチューンナップしたスカイラインGTが必死に追いすがり、7周目のヘアピンでポルシェ904を抜き去り、一時的だが先頭に立つという快挙をやってのけた。国産車が最高峰のポルシェを抜いたことに観客は熱狂し、ここに“スカG伝説”が誕生したのだ。

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スカイラインGTベースの市販モデル2000GT登場

プリンス スカイライン 2000GT(1965年/S54B-2型)

スカイラインGTは、レース参戦のホモロゲーションのために急遽仕立てられた限定100台だけ市販化されたが、さらなる販売を要望したファンのために、翌1965年2月に「スカイラン2000GT(S54B-2型)」が追加された。

2000GTは、それまで手作業による鈑金で延ばしていたエンジンルームを生産性向上のためにプレス製造とした。パワートレインは、最高出力125ps/17.0kgmを発揮する3連装ウェーバーキャブ装着の2.0L直6 SOHCエンジンと4速MTの組み合わせ。フロントをディスクブレーキとし、タコメーターは丸くなったスピードメーターと並んでインパネに装着され。また、フロントフェンダーには、“赤バッジ(赤いGTエンブレム)”が誇らしげに配備された。

また、2000GTが人気となって3連装ウェーバーキャブが不足したことから、1965年9月に105psのシングルキャブ仕様の「スカイライン2000GT-A(S54A-1型)」を追加し、“青バッジ”を配備。これにより、ウェーバー3連装キャブ仕様の2000GTは「2000GT-B」と改名された。

この頃から、落ち着いた雰囲気のセダンボディにハイパワーなエンジンを搭載した2000GTは、“羊の皮を被った狼”と呼ばれるようになった。

レースで勝つために生まれたスカイライン2000GT-R

1969年にデビューした日産3代目(ハコスカ)「スカイラインGT-R」

人気のスカイライン2000GTを開発したプリンス自動車だったが、1966年8月に日産自動車に吸収合併され、以降日産スカイラインとなった。そして1969年2月のこの日、日産はレースで他を圧倒するモデルとしてスカイライン2000GT-Bをパワーアップさせた高性能モデル「スカイラインGT-R」をデビューさせた。

「スカイライン2000GT-R」搭載の2.0L直6 DOHC(S20型)エンジン

最大の注目であるパワートレインは、プロトタイプレーシングカー「R380」搭載のソレックス3連装キャブレター装着の2.0L直6 DOHC(S20型)エンジンと、5速MTの組み合わせ。最高出力160ps/最大トルク18.0kgmを発揮し、最高速度は200km/hを誇った。

「スカイライン2000GT-R」のコクピット

ハイパワーに対応して足回りは強化され、ステアリングギア比もクイックに変更された。また伝統のサーフィンラインはワイドタイヤを履くために廃止され、ホイールアーチが大きくえぐられた。さらに、レースに不要なヒーターやラジオなどはオプション設定とされた。

日産「スカイライン2000GT-R」

車両価格は、150万円。当時の大卒初任給は、3.3万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で1045万円に相当する。ちなみに、1968年発売の「スカイライン2000GT」の価格は86万円であり、GT-Rがいかに高額車かが分かる。

1970年に追加された2ドア”ハコスカ”スカイライン2000GT-R
1970年に追加された2ドア”ハコスカ”スカイライン2000GT-R

スカイラインGT-Rは、その使命に従ってレースへ参戦した。同年5月3日に開催されたデビュー戦のJAFグランプリレースで、辛勝ではあったが勝利を収めると、ここから破竹の連勝が始まった。その後も他を寄せつけない圧倒的な走りで、スカイラインGT-Rは1972年まで国内レース49連勝という金字塔を作ったのだ。

日産「スカイライン2000GT-R」

スカイラインGT-Rを引き継いだ日産GT-Rもついに終焉

歴代スカイラインGT-R

スカイラインGT-Rは、その後も日本を代表する高性能モデルとして進化を続けが、10代目(1999年~)のBNR34型スカイラインGT-Rで、一旦生産を休止した。

その5年後の2007年に登場したのが、3.8L V6ツインターボを搭載し、スカイラインの冠が取れたR35型「日産GT-R」だった。最高出力480ps/最大トルク60.0kgm、最高速度は300km/hを超え、さらにGT-Rは進化を続け、2025年時点で最高出力は570ps/最大トルク65.0kgm(NISMO仕様で600ps)まで向上した。

2025年8月、最後のGT-R「Premium edition T-Spec」がラインオフされた

しかし、残念ながら2025年8月をもってGT-Rは生産を終了した。ピュアエンジン搭載の高性能スポーツは、環境規制対応や市場の需要低下などの課題があり、生き残るには厳しい状況が続いているのだ。

2025年8月、最後のGT-R「Premium edition T-Spec」がラインオフされた

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スカイライン(ハコスカ)2000GT-Rは当時150万円だったが、令和の現在、中古相場ではほとんどが2000万円を超え、状態の良い個体では3000万円を超えるものもあるそうだ。日本のモータースポーツや高性能技術は、スカイラインGT-Rを中心に発展したと言っても過言ではない。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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