モビリティ市場の潮流と threee の狙い

マイクロモビリティの進化は単なる新型車両の登場ではない。移動手段としての性能や利便性に加え、社会的価値や企業経営の内実にまで踏み込んだ“次世代の足”としての再定義が必要となる。2026年2月、CREVAS GROUPが新たに打ち出したEV三輪モビリティブランド「threee(スリー)」は、こうした広義のモビリティ進化を体現する挑戦である。単なる新製品の発表ではなく、企業の生産性改革や脱炭素戦略、地域社会の活性化を視野に入れた「移動の再設計」ともいえる取り組みがここに始まる。

世界のマイクロモビリティ市場は急速に拡大し、2033年には約139億米ドル規模に達すると予測される勢いだ。背景には都市部の交通渋滞、脱炭素化の要請、都市インフラの再編という複合的な課題があり、従来の自動車中心の移動構造に変革を迫る環境が整いつつある。とりわけ“ラストワンマイル”や“地域内移動”といった用途では、低速・小型・低コストという特性を持つEV三輪車両が強みを発揮できると期待されている。

しかし、導入コストの高さや保守体制への不安感が普及の妨げとなるケースも少なくない。こうした課題を踏まえ、CREVAS GROUPはthreeeブランドに対して「日本市場に最適化された開発」と「導入支援スキーム」をセットで提供することを打ち出した。これにより、企業や自治体は初期投資を抑えつつ、モビリティを自らの業務や戦略に組み込むことが可能になる。

マイクロモビリティが単なる移動手段として捉えられていた時代は終わりつつある。threeeは移動の効率化やコスト最適化だけではなく、「企業の収益構造に変革をもたらすツール」として再定義することを目指している。モノとしての車両だけでなく、導入から運用までを見据えた社会実装が鍵となる。

threee のラインナップとその特性

threeeは「コンパクト × クリーン × スマート」というコンセプトを掲げ、普通自動車免許で運転可能な「側車付軽二輪」仕様の三輪EVを基本に、多様なニーズを満たす3モデルを投入する。これらはヘルメット不要、車検・車庫証明不要という気軽さを備え、都市移動から業務用途まで幅広いシーンで活躍する設計だ。

「felio(フェリオ)」は3人乗りの屋根付きモデルであり、買い物や観光といった日常ユースから観光地での移動まで、誰でも手軽にEV走行を体験できる。屋根という保護を得て用途が広がることで、一般ユーザーだけでなく、観光ガイドや地域レンタカー事業者にとっても活用価値が高い。

「trava(トラバ)」はトラクターバイクスタイルを採用し、力強いビジュアルと荷台の実用性が特徴となる。一次産業や建設現場といった業務利用を視野に入れた設計で、狭い場所でも取り回しが良く、資材や荷物の運搬機能を担うことで“足”としての役割を超えた付加価値を提供する。

「bikee(バイキー)」は2人乗り仕様で、安定感ある走行性能とスタイリッシュなデザインが融合するモデルだ。低重心設計とワイドタイヤの採用により、都市部の狭小スペースでも快適に移動できる機動性を持つ。訪問介護や配達業務など、人の移動とモノの配送が混在する現場にマッチするモデルともいえる。

これらの3本柱は単体で見ればモビリティの多様化を示すに過ぎないが、threeeの真価はこれらの車両を「導入支援スキーム ZEROCRER(ゼロクレール)」と組み合わせて提供する点にある。初期費用ゼロという導入方式は、これまで資金負担がネックとなっていた企業や団体に対し、リスクを最小化しながら最新EVを運用できる道を開く。

threee の社会実装と導入事例

threeeの導入は既に一部地域で具体的な動きを見せている。離島や観光地などのエリアを中心に、レンタカー事業者への車両提供が進んでおり、観光ツアーでの利用が開始されている。こうした導入は、単に移動手段として機能するだけでなく、地域観光の回遊性や体験価値の向上に寄与する役割を果たしている。

加えて、地域の大手企業や金融支援組織との連携による業務用途での活用も拡大している。大型物流や専用車両では対応しきれない局面に対し、threeeは小回りの利く“現場の足”として注目される。この実績は、都市部だけでなく地方においてもモビリティの価値が見直されていることを示す。

農業や漁業市場でもthreeeは期待されている。狭い農道や港湾内での資材運搬、現場間の移動といった現実的な課題に対し、EV三輪モビリティは一次産業の働き方改革を実現する一助となる。こうした活用は環境負荷の軽減にとどまらず、現場労働の負担軽減と生産性向上という二重の意義を持つ。

さらに、インフルエンサーとの情報発信や大型イベントへの協賛といったマーケティング活動も活発化しており、楽しさや体験価値を前面に打ち出すアプローチが進む。これによって“移動の楽しさ”と“実用性の両立”というtwo faces of mobilityが共存する世界観が描かれている。

ショールーム開設とthreeeの未来

2026年3月1日、東京都港区のCREVAS GROUP本社内にthreeeのショールームがオープンする。ここでは実車展示だけでなく、質感や操作性を体感できる空間が用意され、導入相談や試乗予約も受付される。ユーザーが直接threeeの世界観に触れることで、モビリティがもたらす価値の理解が深化することが期待される。

threeeは単なる製品ブランドではない。企業がモビリティを導入する際のリスクとコストを下げ、実運用を通じて収益構造に変革を促すツールであるという位置付けが明確にされている。移動の効率化、省力化、収益性向上という三つの価値を統合することで、企業の競争力強化に寄与する側面を持つ。

モビリティと企業経営の接点がこれまで以上に重要視される社会において、threeeはその先端を走るブランドとして位置付けられる。単に走るための車両ではなく、企業の原動力を生み出す“新たな足場”として、threeeの挑戦はこれからさらに広がっていくだろう。

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