連載

特集「天才タマゴ」TCRエスティマをいま再解釈する
モニター、スピーカー、立体的にインストールされたTCRエスティマのオーディオシステムは、LEDによるライトアップで奥行き感ある表情を見せる。

光で覚醒した渾身のオーディオカスタム、その完成系は異世界だった!

取材当時20代前半だったオーナーが、TCRエスティマと出会ったのは、まだ4歳の頃。「大きくて、なんかすごいクルマ」。そんな無邪気な記憶が、すべての始まりだった。

父が大切に乗り続けてきた一台。事故もなく、いつも磨き上げられ、洗車さえ簡単には触らせてもらえなかったという。その背中を見て育った少年が、18歳で免許を取得し、ハンドルを受け継ぐ。そこから物語は“所有”から“表現”へと変わっていった。

最初は手当たり次第だった。テーブル、カーテン、スピーカー。欲しいと思ったものを迷わず取り入れる。しかし転機は、地元ショップとの出会いだった。「無理してやらなくていい。本当にやりたい時に、徹底的にやろう」。その一言で、方向性が定まる。

「天才タマゴは初代が最強!?」令和でも刺さる、TCRエスティマをいま再解釈するカスタム論

【カスタムシーンを彩った名車たち/TCRエスティマ編】 最近様々なWEBサイトを賑わせているエスティマ復活の噂。海外情報ではEV化の可能性も囁かれ、現行フラッグシップのトヨタ・アルファードよりひとまわりコンパクトでありながら、質感は同等以上――そんな未来像が語られている。だが、40代・50代のクルマ好き、そしてカスタムシーンを追い続けてきた「スタイルワゴン」にとって“エスティマ”といえば、やはりTCR型、初代の存在を抜きに語れない。

外装はあえてシンプルに。TCRの丸みあるフォルムを活かし、過度に主張しないローフォルムで整える。そして本領はインテリア。外観とのギャップをコンセプトに、オレンジとブラックで構成されたフルインストール空間が広がる。ラゲッジには立体造形で組み上げたオーディオシステム。LEDのラインが光を走らせ、モニターが浮かび上がる。もはや“積んでいる”のではなく、“設計されている”。

2010年前後、カスタムオーディオはステータスだった。だがこの一台は、ただの派手さではない。色の統一、素材の質感、光の演出。そのバランス感覚は、いま見ても完成度が高い。

約6カ月の製作期間。戻ってきたTCRを見た父は「いいじゃないか」と笑ったという。その一言が、何よりの答えだった。

いまTCRはネオクラとして再評価されている。だがこの個体は懐古ではない。親から子へ、そして時代へ。

“受け継ぐ”とは、守ることではなく、進化させること。このTCRは、その意味を静かに教えてくれる。

TOYOTA・エスティマ(TCR11/平成6年式)
フロントバンパーは、DAD DXエディションをベースに開口部をモディファイ。開口部両脇へ小さなダクトを追加し、フォグランプをベンツEクラス純正に変更した。
後期純正を移植したテールレンズはフルLED 加工。後方へのアピール度が抜群なうえ、いまどきの新型車のような先進感すら漂う。
Tセレクションのキャンバーアームを使った、リアのキャンバールック。迫力満点の足元を打ち出す。
キャンバールックとともに、ディッシュディスクが重厚な足元を演出するレオンハルトヴァッフェ。当時はディッシュ系ホイールの選択肢が多かった。
3Dデザインでインストールされたラゲッジオーディオ。底面部分には3.5型サイズの小さなモニターが4個埋め込まれる。
9.2型のビッグサイズを選択したヘッドレストモニター。反転機能を使い、左右の映像をシンメトリーに映している。当時は爆発的にヒットしたカスタムメニューのひとつだ。
ロックフォードのミッドレンジスピーカーを2発インストールしたフロントのドアパネル。ロックフォードのブランドロゴもさり気なくアレンジ。
サードシート横に設置したリアスピーカー。バッフルボードを浮かび上がらせる、LEDによるライトアップもオシャレ。
ミラー&サンバイザーモニターもビッグサイズをセレクトした。室内の至る所にモニターがレイアウトされている。
リムジンボード中央のLEDは、リレー機能を追加して光が流れるように設定。矢印の方向に向かって光が流れる。
運転席まわりはブラック×オレンジのツートンカラーでペイント処理。ツヤのある質感高い仕上げでフィニッシュした。
ワンオフのコンソールボードにスイッチを集約。LED、モニターの電源はここで操作する。
オレンジのカラーリングを引き締めるため、クラッツィオのシートカバーは黒を選択。室内全体にメリハリ感を付けた。
2列目シートをはずし製作したリムジン仕様。サードシート下にはミラーモニターが埋め込まれる。

OWNER 吉川さん

Specification
⚫️エアロ : F/S/R=ギャルソン DAD DXエディション加工
⚫️ホイール :スーパースター・レオンハルトヴァッフェ(19×F8.5J+38、R9.5J+38)
⚫️タイヤ:ナンカン・ウルトラスポーツNS-Ⅱ(225/35)
⚫️エクステリア : ヘッドライト= 後期純正、テールレンズ=後期純正+LED加工、フォグランプ= ベンツEクラス純正
⚫️インテリア : ステアリング=イタルボランテ塗装、シートカバー=クラッツィオ、各部塗装& 張り替え、LED 追加
⚫️サスペンション: エアサス=ボルドワールド
⚫️マフラー: マークX 純正ディフューザー
⚫️オーディオ:ヘッドユニット=カロッツェリア、アンプ&スピーカー&ウーファー=ロックフォード、モニター=14 個

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