スズキがやらないなら俺が作る!
ラパンSSを超えるワークス仕様
ラパンのホットモデルといえば、ターボ&MTを備えた“SS”の存在を思い浮かべる人も多い。しかし現行のスズキ・アルトラパンにはNA/2ペダル仕様しか設定がなく、純ガソリン車もラインナップから姿を消した。かつての“走り”のイメージは、いまや希薄になりつつある。

ここで紹介するHE33S型ラパンのオーナーも、「スタイルは好きだけど、乗ってみると遅い…」と感じていたひとり。だが、そこで諦めなかったのがこの男だ。なんとアルトワークスからターボエンジンと5速MTを移植。しかも、その換装作業はすべて自身の手で行ったというのだから恐れ入る。


エンジンは単なる丸ごとスワップではない。ブロックとクランクシャフトはラパン純正を活かしつつ、ヘッドガスケットやピストン、タービンはアルトワークス用を流用。コンロッドにはキャリロ製を組み合わせた。NAとターボではブロック仕様が異なるが、そのまま使うのではなくオイルジェットやオイルラインを追加加工。こうした手間を惜しまず投入した結果、最高出力95psを実現している。ブースト制御はHKSのEVCを用い、最大ブースト圧は1.2キロに設定した。

アクセルオフ時に弾けるようなサウンドが特徴のバブリングは、N-TECの「REV ATTACK」にて施工。トヨタ、日産、スズキ、一部のホンダ車などに対応し、費用は5万4000円+取り付け工賃となる。さらにバブリングを導入する場合はECUセッティングが必須で、別途1万5000円の書き換え工賃が発生する。
なお、常時バブリングさせると近接排気音規制に抵触する可能性や触媒への負担があるため、N-TECではオン/オフ切り替え可能な仕様で対処している。

ECUもアルトワークス純正を流用し、セッティングはバブリングと同時にN-TECでの現車合わせを実施。N-TECのECU書き換えは、レギュラー仕様で4万9500円、ハイオク仕様で7万7000円。
スピードリミッター引き上げやスロットルマップのリニア化、燃料・点火マップ最適化、可変バルブタイミング制御の適正化、レブリミット変更、ブーストマップ調整など、多岐にわたるアップデートが施されている。


インテリアはまだ製作途中の部分もあり、配線加工に試行錯誤した痕跡が残る。5速MT化に合わせてコンソールやクラッチペダルもアルトワークス用を流用し、違和感のないポジションとなるよう丁寧にフィッティングを行った。

メーカーがやらないなら自分で作る…。その情熱が生み出した“現代版ラパンSS”。見た目はキュート、中身はワークス以上というギャップこそが最大の魅力だ。ライトウェイトボディに95psを詰め込んだ走りは、街中でもワインディングでも痛快そのもの。オーナーの執念が形となった、唯一無二のラパンである。
●取材協力:N-TEC 愛知県半田市瑞穂町7-1-3 TEL:0569-47-8481
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