先生(右):損 保太郎
某損保サービスセンターに勤務。今回はなかなか一般の人には理解されにくい、保険用語についてレクチャーするよ。
 
生徒(左):モン太
友達にバイクを貸して、保険用語は約款を見ても、ネットで調べてもよくわからないモン。ボクにもわかるように教えてね!

【被保険者】 【ひほけんしゃ】

保険の対象となる人のこと。保険の対象となるのは契約者だけではない。たとえば対物賠償責任保険では、特に運転者を限定する特約に入っていなければ、契約車両を運転する人が被保険者となる。たとえばAさんの車をBさんが運転して事故を起こしても補償される。この場合、Aさんが契約している保険だけど、Bさんが「被保険者」になるってわけ。各保険種類によって被保険者の対象となる人が異なるから約款でチェックしてみてね。

【強制保険と任意保険】【きょうせいほけん/にんいほけん】

「強制保険」というのは自賠責保険のことを言う。これは法律で加入が義務付けられたもので、事故の相手の人身の損害(怪我等)の部分のみ補償される。万一加入していないもしくは期限が切れたまま一般道を走行した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる(違反点数6点)。対して「任意保険」は、一般的には自動車保険と呼ばれ、自賠責保険ではカバーしきれない人身の損害の補償や物損の賠償の他にも、自身の車の補償を受けられる車両保険等、さまざまなオプションを付けられる。

 【保険料と保険金】 【ほけんりょう/ほけんきん】

「保険料」は、保険契約にしたがって「契約者が保険会社に支払うお金」のこと。そして「保険金」は、事故が起きたときに約款にしたがって、「保険会社から被保険者に払われるお金」のこと。嘘をついて保険会社からお金をだましとることを保険金詐欺っていうでしょ。

【保険金額】 【ほけんきんがく】

事故を起こした時に支払われる保険金の限度額の事を言う。例えば、「俺の車は車両保険200万円で入っているぜ!」という場合、車両修理のために支払われる金額が200万円までってこと。ちなみに対人・対物無制限と言うのは、保険金額に限度がないという意味。

【ノンフリート契約】 【のんふりーとけいやく】

等級が付いていて(1等級から20等級まである)一般的に新規加入時は6等級から始まる。数字が上がると保険料の割引率が高くなる。1年間無事故だと1等級ずつ上がっていく仕組みで、逆に事故を起こして保険を使うと3等級も下がってしまう。つまり事故歴の多い人は保険料が高く、無事故の人は割引率が上がって保険料が安くなる仕組みだ。

【無責と免責と取り下げ】 【むせき/めんせき/とりさげ】

「無責」というのは被保険者に損害が発生せず、保険金を支払うものがないことを言う。事故は起きたけど、自動車に傷が付いていなかったり、損害があったけど被害者が賠償請求をしてこなかった場合を言う。いっぽう「免責」というのは、約款の保険金を支払わない場合のこと。たとえば飲酒運転をして事故を起こした場合、車両保険は支払わないと約款に規定されている。この場合が免責となる。「取り下げ」というのは、損害額が小さく、保険を使うと等級が下がってしまうため、そうならない様に被保険者が保険金の請求権を放棄することをいう。

【自損自弁】 【じそんじべん】

事故を起こしたけど、当事者それぞれが相手に請求せず、自分の損害は自身で負担する解決方法のことで、示談方法のひとつ。過失割合やそれぞれの賠償額が同じくらいのときに「自損自弁」となることが多い。

【慰謝料】 【いしゃりょう】

精神的な損害に対して支払われるお金のこと。交通事故の賠償という観点でいうと慰謝料は怪我をした場合など、その怪我の程度や後遺障害の程度によって支払われるもの。物損の場合には基本的に慰謝料は認められていない。

※本項では一般的な用語の解説を簡単にしています。内容や用語の意味合いは保険会社各社によって変わる場合があります

※この記事は月刊モトチャンプ2024年7月号のものです。