クラブカルチャー全盛期、ジャンルを越えたミックス美学
いまから振り返ると、2010年前後はミニバンカスタムがもっとも熱かった時代のひとつだ。VIP全盛、ユーロの台頭、イベント会場にはツライチと深リムが並び、夜になればネオンとモニターが光り輝いた。そんな真っただ中にいたのが、このTCRエスティマだ。
当時20年選手になろうとしていたTCRは、すでに“旧型”というポジション。それでも色褪せなかった理由は、熱量だ。乗り換えが当たり前の時代に「乗り続ける」ことを選び、何度もリメイクを重ね、進化させる。その姿勢そのものがカスタムだった。
オーナーの伊藤さんにとって、このエスティマは単なる愛車ではない。小学生の頃、父が新車で購入したファミリーカー。それが18歳で初めての愛車になった。事故をきっかけに「自分が乗る」と決意し、そこからドレスアップが始まった。
当時は情報も今ほど多くない。雑誌とイベントがすべてだった。理想に近づけず悩んだ時期もあったというが、エスティマ専門クラブ「ファーストエッグ」との出会いが転機となる。仲間の存在が視野を広げ、覚悟を決めた。
「ミニバンカスタム、黄金期の象徴」VIP×ユーロを融合したTCR
完成形は、VIPでもユーロでもないハイブリッド。ボリュームエアロにブリスターフェンダー、深リム、鬼キャン。ジャンルを越えて“自分らしさ”を優先したフォルムは、いま見ても古さを感じさせない。むしろ、いまだからこそ新鮮だ。
インテリアの多連モニターも、当時の象徴的カスタム。32枚という数字が時代を物語る。しかし単なる数ではなく、どう魅せるかまで計算されたインストールは、完成度の高さを証明している。
あれから十数年。流行は変わり、車種も世代交代した。それでも、このTCRには確かにドラマが刻まれている。家族の記憶、仲間との時間、そして若さゆえの本気。
だから思う。2010年のTCR、やっぱりカッコいい。









追加モニターも当時の象徴! インテリアに設置したモニターは全32枚





SPECIFICATION
■エアロ:F/S/R=スピリッツ・アバンギャルドコレクション加工
■ ホイール:スーパースター・レオンハルトオルデン(右)&レオンハルトラーゼン(左)(19×F10J-5、R11J-14)
■タイヤ:ダンロップ・ルマンLM703(F245/35、R275/30)
■ エクステリア:ヘッドライト&テールレンズ=後期純正加工、オーバーフェンダー=ワンオフ、ウイング=ジャンクションプロデュース、リアウインドウ=ルシーダ純正、フォグランプ=ブローデザイン
■インテリア:ステアリング=ギャルソン、フロアマット=ワンオフ、各部塗装&張り替え
■サスペンション:エアサス=ACC
■マフラー:ワンオフ
■オーディオ:ヘッドユニット&アンプ&スピーカー=アルパイン、ウーファー=おライオン、モニター=32個
■ボディカラー:ソレイユオレンジ(全塗装)


