リトルカブ用14インチホイールに前後90/100のMXタイヤを装着。極限まで落とした車高と鉄板デコレーションで、現代アートのような佇まいに仕上げている。

お尻がガリガリ⁉ 左右非対称にこだわったスチームパンクな美学

走ってナンボの実走派もいれば、ショーモデル的に割り切った表現系も集まる――それが奈良カブの懐の深さ。この1台は最低限の走行性能を確保しつつ、ビジュアルへ大胆に振り切った存在。もはや現代アートの域だ。

ベースはスタンダードな鉄カブ50。極限のローダウンを目指し前後サスペンションを加工し、小径のリトルカブ用14インチホイールに迫力のブロックタイヤを装着。リヤはシート下へ割り込むほど低く、リジッドマウント風のセットアップで独特のシルエットを描く。

どこかジブリ作品を思わせるデコレーション

最大の見どころは、車体各部に配された鋭利な鉄板のデコレーション。スチームパンクをイメージし、あえてサビを残した質感で世紀末的な空気を演出する。ダミー配管も加わり、どこかジブリ作品を思わせる世界観に仕上がっている。

マフラーは社外アップタイプのエキパイに、ハーレーダビッドソン用サイレンサーをドッキング。無国籍でノージャンルな構成ながら、細身に詰めたレッグシールドによって“カブらしさ”もきちんとキープする。

デザインテーマは左右非対称。鉄板の形状や枚数だけでなく、ハンドルまでも左右オフセット。レッグシールドのダクト加工も右側のみと徹底しており、その一貫した美学に思わずうなる完成度だ。

左右非対称の美学はハンドルにも色濃く表れている。根元から大胆にオフセットされたルックスはかなり斬新だが、意外にも普通に乗れてしまうという。
小型LEDを埋め込んだ単眼ヘッドライト仕様。ダミーの銅管を配し、スチームパンクのイメージを色濃く演出する。
メインフレーム上にサブフレーム的にタンクを溶接。実際の燃料配管は下部の銅管のみで、鋭利な鉄板はあくまでデザイン要素となっている。
当初は丸棒ステップだったが、あえてチェーンを溶接してステップ化。シフトペダルもワンオフ製作し、意図的にサビを残して世界観を強調する。
スイングアームはピボット下へ根元を溶接し、鉄板アートのようにリジッド化。サイドスタンドはほぼ横向きに展開する独特の構造だ。

撮影したのはこのEVENT!

「奈良カブミーティングVol.16」
■日時:2024年5月4日(土・祝)
■開催地:唐子・鑓遺跡史跡公園(奈良県)

こちらの車両は日本一参加者が集うカブイベント「奈良カブミーティング」で撮影されたもの。次回は2026年5月10日(日)開催(場所は同じ)。詳細はこちらのSNS(奈良カブ)をチェック!


※こちらの記事はモトチャンプ2024年8月号に掲載されたものです。