ポルシェのエントリースポーツ、718ケイマン/ボクスターの次期型に導入されると言われていた完全電気バージョンが、発売前に開発中止の危機に瀕しているようだとのウワサが飛び込んできた。これまで長年、この計画を追い続けてきたスクープ班にとっては、これは大きな衝撃だ。

ポルシェはEV開発計画の縮小に続き、コスト削減にも取り組んでいるが、スケジュールの遅延とコストの高騰は、この電動スポーツモデルの開発を大いに悩ませてきた問題だ。

ポルシェは長年にわたり、718ボクスターとケイマンのEVモデルの開発に取り組んできた。そして昨年、この2車種のEVの開発に道を開くため、旧型内燃機関(ICE)モデルの受注を停止し、生産終了を発表した。
しかし、その長い開発期間にもかかわらず、新たな報道によると、ポルシェは718ボクスターとケイマンのEVモデルがショールームに並ぶ前に開発中止とする可能性があるというのだ。
確かに、昨年からポルシェの718シリーズに対する開発が二転三転している。当初EVのみの設定だったが、顧客からの強い要望に応え、次世代718の内燃機関バージョンも開発中であることを発表した。ただし、このガソリンモデルはケイマンGT4、GT4 RS、そして718スパイダーRSの後継モデルなど高性能モデルのみの設定で、マニュアルギヤボックスと排気音にこだわる純粋主義者に向けた限定生産のスペシャルモデルとなる可能性が高いと伝えられていた。
しかし、その後、高価なフラッグシップモデルだけでなく、718のより多くのモデルラインアップに内燃エンジンオプションが提供される可能性があることが明らかになった。
マクラーレンの元CEO、マイケル・ライターズ氏が1月1日、ポルシェの最高経営責任者(CEO)に就任。ライターズ氏が最初に下す大きな決断の一つは、開発費の増大と度重なる遅延を理由に、電気自動車(EV)の718シリーズを全面的に廃止することかもしれないというのだ。
ポルシェは、これまでの電気自動車(EV)のみの戦略から撤退したことで支出抑制のプレッシャーにさらされており、さらに2025年には中国での販売が26%も急落すると見込まれている。また、ポルシェは現在、プラグインハイブリッドモデルのラインアップ追加を検討しているというが、この計画には、新たなアーキテクチャと多額の資金投入が必要となるため、かなり経営を圧迫するものと見られる。
今後、内燃機関版の718の開発には多くの時間を要するものとみられ、次世代718モデルの発売をさらに遅らせる可能性がある。それどころか、もし発売されたとしても、市場に投入される頃には既に時代遅れになっている可能性さえある。
ライターズ氏は、過去10年間ポルシェのCEOを務めた前任者のオリバー・ブルーメ氏から、膨大なToDoリストを引き継いでいるという。ポルシェのEV事業撤退は、昨年の営業利益を18億ユーロ(21億ドル)減少させたと報じられている。
何度かお伝えしているが、電気自動車(EV)版の718ケイマンとボクスターは、既に何度かのスケジュール遅延に直面している。2025年初頭、スウェーデンのバッテリーメーカーであるノースボルトの破産申請もあって、ポルシェがケイマンとボクスターに必要な高性能バッテリーセルの調達に苦労していることを明らかにしている。電気自動車(EV)版の718ケイマンとボクスターの販売開始は今年が予定されていたが、少なくともその可能性は現状ではほぼゼロとみて良いだろう。
EV市場は世界的に伸び悩んではいるものの、今後、徐々に加速するものという予測は継続中だ。しかしながら今後数十年は、内燃機関エンジン+電気モーターが繁栄する現実的な時代が続くのかもしれない。
















