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■フェアレディ2000が米国のレースで1位~5位独占

1969年2月米国SCCA・ナショナルレースで1位~5位を独占したダットサン「フェアレディ2000」のレースでの様子

1969(昭和44)年3月3日、日産自動車は2月23日に開催された米国ラスベガスのスターダスト・インターナショナル・レース・ウェイ(1周約4.8km)で開催されたSCCA(スポーツカークラブ・オブ・アメリカ)・ナショナルレースで、「ダットサン・フェアレディ2000」がDクラスで1位~5位を独占したことを発表した。

日産自動車のスポーツカーの源流

戦後の1950年代、米国を中心に英国製「トライアンフTR」 や「MBG」、イタリアのアルファロメオ「ジュリエッタ」など欧州製の小型スポーツカーが人気を獲得。日産も海外市場に進出するため、欧州の小型スポーツに対抗できるモデルの開発を進めた。

ダットサンスポーツ(DC-3 型)/ダットサンDB-2 型と同じ860cc D10型(直4・SV)20psのパワーユニットを搭載したシャシーに、太田祐一氏デザインによる英国風の斬新なボディを搭載し、1952(昭和27)年1 月にお披露目されたショーモデル。ショーでの好評を受けて、約20 台が実際に販売されたと言われている

まず1952年1月に日産として、また国産車としても戦後初のオープンカー「ダットサンDC-3」を投入。続いて1959年6月には、FRP製ボディを纏った「ダットサンスポーツ1000(S211)」、1960年1月には北米専用モデルながら初めてフェアレディ(※表記は「フェアレデー」)の名を冠した「ダットサン・フェアレデー1200(SPL212)」の発売を始めた。

1960年にデビューした「ダットサン・フェアレデー1200(SPL212)」、海外専用ながら初めてフェアレディを名乗る

ただし、いずれも既存の量産型セダンのシャシーを流用したオープンタイプのスポーツカー、いわゆる“屋根なしセダン”で、販売も振るわなかった。

国内で初めてフェアレディを名乗ったフェアレディ1500登場

1962年10月に登場した本格オープンスポーツの「ダットサン・フェアレディ1500」

これでは欧州製の小型スポーツカーには太刀打ちできないことから、日産は本格的なスポーツカーの開発を目指して出来上がったのが、1962年10月デビューの「フェアレディ1500」だ。

1962年10月に登場した本格オープンスポーツの「ダットサン・フェアレディ1500」のリヤビュー

フェアレディ1500は、新しくデザインされた3人乗りの当時欧州で流行っていたクラシカルなスタイリングを採用。主要なコンポーネンツは、初代「ブルーバード(310型)」の改良品が使われた。

1962年10月に登場した本格オープンスポーツの「ダットサン・フェアレディ1500」

パワートレーンは、セドリック用の1.5L 直4 OHVを最高出力71ps/最大トルク11.5kgまでチューンアップしたエンジンと4速MTの組み合わせ、駆動方式はFRである。出力自体は突出したものではなかったが、車重が870kgと軽かったため、最高速度は150km/h、0-400m加速19.7秒を記録。その快速ぶりを証明するように、翌1963年には第1回日本GPのスポーツカー1300cc~2500ccクラスで圧倒的な走りを見せつけ優勝した。

1965年5月にデビューした「フェアレディ1600」
1965年5月にデビューした「フェアレディ1600」
1965年5月にデビューした「フェアレディ1600」のコクピット
1965年5月にデビューした「フェアレディ1600」に搭載されたエンジン

米国で人気を博したフェアレディ1500は、米国輸出モデルの重要な役目を担うようになり、米国市場からの要望に応える形で排気量を1.6Lに拡大した「フェアレディ1600(SP311)」が1965年5月に投入された。フェアレディ1600は、2連装キャブレターなどでチューンアップして最高出力90ps/最大トルク13.5kgmを発揮するエンジンを搭載し、最高速度は165km/hまで向上、欧州製1.6Lクラスのスポーツカーを凌駕した。

最高峰のフェアレディ2000デビュー

フェアレディ1600でも、メインマーケットの米国のスポーツカーファンにとっては、まだパワー不足だった。

1967年3月にデビューしたフェアレディシリーズの最高峰「ダットサン・フェアレディ2000(SR311)」
1967年3月にデビューしたフェアレディシリーズの最高峰「ダットサン・フェアレディ2000(SR311)」、モーターファン誌テストより

そこで日産は1967年3月に、さらに排気量を拡大したフェアレディシリーズの最高峰「フェアレディ2000(SR311)」を投入した。パワートレーンは、最高出力145ps/最大トルク18.0gm を発揮するソレックス2連装キャブを装着した2.0L 直4 SOHCエンジンと5速MTの組み合わせ。足回りは一段と強化され、フロントがダブルウィッシュボーン、リアがリーフ・リジットというトラディショナルな型式だったが、大幅な改良が加えられた。

AUTO SPORT誌1968年2月号にてテストが行なわれたフェアレディ2000
AUTO SPORT誌1968年2月号にてテストが行なわれたフェアレディ2000

フェアレディ2000の価格は、88万円。当時の大卒初任給は2.9万円程度(約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で約698万円に相当する。

AUTO SPORT誌1968年3月号にて富士スピードウェイで走行テストが行なわれたフェアレディ2000

最高速度は205km/h、0-400m加速は15.4秒を記録し、1967年5月の日本GPのGTクラスで圧巻の1、2、3フィニッシュを飾り、当時は国内敵なしだった。さらにフェアレディ2000は、本場米国のレースにも挑戦したのだ。

フェアレディ2000は米国のレースでも活躍

1969年2月米国SCCA・ナショナルレースで1位~5位を独占したダットサン「フェアレディ2000」のレースでの様子

1969年2月23日、フェアレディ2000は米国ネバダ州ラスベガスのスターダスト・インターナショナル・レース・ウェイ(1周約1.8km)で行なわれたSCCA・ナショナルレースのDクラスに参戦した。

本レースは、米国スポーツカー・クラブ主催の1969年度全米選手権、南太平洋ディビジョンの第1戦であり、Dクラスには「アルファロメオ」、「オースチン・ヒーレー」、「トライアンフ」、「ロータス・ヨーロッパ」、「ジャガーXK」などが参戦する中で、フェアレディ2000は圧巻の1位~6位独占を成し遂げたのだ。

フェアレディ2000は1970年 米・ジョージア州のロード・アトランタのSCCA・ナショナル・レース 全米選手権Dクラスで1、3、4、5位を獲得、シリーズも制覇した

【1968年 SCCAナショナルロードレースにも参戦したフェアレディ2000を画像で見る!】

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1969年10月デビューし、大ヒットした初代「フェアレディZ」(S30型)
1969年10月デビューし、大ヒットした初代「フェアレディZ」(S30型)のサイドビュー

フェアレディ2000の北米販売やレースでの成功によって、日産はスポーツカーを作る技術力に自信を持った。一方、オープン2シーターでは市場が限定的で、欧州のポルシェなどのスポーツカーに対抗するにはまだパワー不足だった。これらの反省を踏まえて、クローズドクーペスタイルの「フェアレディZ」が1969年10月に誕生したのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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