連載
今日は何の日?■デザインも走りも磨き上げた3代目マーチ

2002(平成14)年3月5日、日産自動車は世界戦略車のコンパクトカー「マーチ」の3代目を発売した。3代目となる新型「マーチ」は、“ユーザーフレンドリーを追求したおしゃれな新世代コンパクトカー”を開発コンセプトとし、個性的なデザインや軽快な走りに加えて、優れた燃費性能や排ガス性能でも注目された。
世界に通用するリッターカーを目指して誕生したマーチ(K10型)

1970年代後半は、1977年発売のダイハツ「シャレード」や1979年のホンダ「シティ」など人気モデルの登場で、コンパクトカー市場は一気に活況を呈した。シャレードは乗用車初の1.0L 4ストローク3気筒エンジンで注目され、リッターカーの先駆車とされている。シティは、1.2Lエンジンを搭載して背高ノッポの“トールボーイ”と呼ばれ、圧倒的に広い室内空間を持つ個性的なコンパクトカーとして若者から支持されて大ヒットした。

この盛り上がったコンパクトカーブームに対応するため、日産は1982年10月に初代「マーチ」を投入。初代マーチは、内外装を著名なイタリア人デザイナーのジウジアーロがデザインし、洗練された親しみのあるハッチバックスタイルと運転のしやすさが特徴だった。
パワートレーンは、日産初のアルミ製エンジンの最高出力57ps/最大トルク8.0kgmを発揮する1.0L 直4 SOHCと4速/5速MTおよび3速ATの組み合わせ、駆動方式はFFのみ。初代マーチは欧州では「マイクラ」の車名で販売され、日本と同様欧州でも人気を獲得した。
完成度の高さで欧州でも高い評価を獲得した2代目(K11型)

1992年1月のこの日、マーチは初めてのモデルチェンジで2代目に移行した。2代目は本格的な世界戦略車として、海外市場向けのマイクラは日産の英国サンダーランド工場で生産されるようになった。

2代目マーチは、プラットフォームやエンジンなどすべてを一新。サイズは初代とほぼ同じだが、ホイールベースは60mm長くして室内空間の拡大と走行安定性の向上を図った。スタイリングは、先代と同じ5人乗りの3ドア/5ドアハッチバックだが、初代が直線基調だったのに対し、2代目は角が取れた丸みのあるものとなった。

パワートレーンは、新開発の58ps/8.1kgmの1.0L 直4 DOHC、79ps/10.8kgmの1.3L 直4 DOHCの2種エンジンと5速MT/4速ATおよびCVTの組み合わせ、駆動方式はFFである。その他、パワーステアリングやエアコン、テールゲートオープナー、電動ミラー、パワーウインドウをほぼ全車に標準装備するという具合に、実用的なファミリカーとして完成度が高められた。
2代目マーチは1992年の“日本カー・オブ・ザ・イヤー”に加え、日本車としては初となる“欧州カー・オブ・ザ・イヤー”も受賞。2代目マーチの実力、完成度の高さを象徴するものと言えるだろう。
キュートなデザインと低燃費・高出力で人気を加速した3代目(K12型)

2002年3月のこの日にデビューした3代目マーチは、それまでのマーチの基本コンセプトを継承しながらも、2代目よりさらに丸みを持たせた愛くるしいキュートなスタイリングに変貌した。特に、印象的なデザインのヘッドライトとグリルに内蔵されたフロントターンランプ、ヘッドランプに融合されたヘッドランプマーカーなどが特徴だった。

パワートレーンは、新開発の68ps/9.8kgmの1.0L 直4 DOHC、90ps/12.3kgmの1.2L 直4 DOHC、98ps/14.0kgmの1.4L 直4 DOCの3種エンジンと、4速ATおよび5速MTの組み合わせで、駆動方式はFFのみ。可変バルブタイミング機構が装備されたエンジンや、ロックアップ機構付きトルコンATなどによって、超低排出ガス車の認定を受け、同時に低燃費と快速な走りが高い評価を受けた。

車両価格は、95.3万~132.0万円に設定。当時は、トヨタ「ヴィッツ(1999年~)」、ホンダ「フィット(2001年~)」が登場して大ヒットしてコンパクトカーの競争が激化していた。ヴィッツとフィットには及ばなかったが、3代目マーチの初年度の販売は平均1万台/月を超え、その後も最低でも5000台をキープして大健闘した。

3代目マーチは、デビュー後もバリエーションの拡大による商品力強化を図った。同年9月には、FFベースに後輪をモーターで駆動する“e・4WD”を追加。2004年12月にはレトロ調の「ボレロ」、2007年7月には電動開閉ハードトップのオープン「マイクラC+C」を輸入販売した。

・・・・・・・・・

3代目に続いて2010年7月にデビューした4代目マーチは、日本国内ではなくタイ生産に切り替えられ、輸入という形で日本で販売された。ただし、マーチは2022年8月をもって「ノ―ト」に後を託して販売を終えた。ただ、最近になってEVとなって復活する可能性も示唆されており、復活に期待するファンも多い。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。



