お便り 4ストチューンの要「ハイカム」って何がスゴイ? の件

投稿者:沖縄県/海人さん

チェンの回答

エンジンチューン用語の一つでもある「ハイカム」。これはカムシャフトと呼ばれるエンジン内部にあるバルブを開閉するためのパーツのことを指し、ノーマルのカムシャフトに対して、よりパワーが出しやすい形状(仕様)になっているものを「ハイカム」と総称しているんだ。

メカニズムとしては、バルブのリフト量(バルブが上下する距離)を大きくするのと、バルブが開いている時間を長くする部品。そうすることで混合気を長い時間大量に取り込めるため、大きなパワーをゲットできるんだ。2ストエンジンでいうところのポートと同じ役割だね。

例えば、アパートのドアだと一度に何十人も出入りできないけど、学校の校門だったら数分のうちに何百人も行き来できるでしょ? ハイカムってそんな感じ。

でも良いことばかりでもない。アパートに大きなドアを作っても四畳半に何十人も収容できない。また重い校門は開け閉めに大きな力が要るから大変。ハイカムもバルブスプリングを大きく縮めないといけないからパワーロスに繋がるんだ。チェンの経験上でいうとハイカムを入れるとまず最高出力は上がる。

しかし、ノーマルエンジンの場合、多くの混合気を要求する高回転域でメリットが働くいっぽう、メカニカルロスによって低回転域の出力は下がってしまう方向に。とくに馬力の低い小排気量車は違いを感じるかもしれない。「ノーマルエンジンのままハイカムを入れると低速が弱くなる」と言われる理由はここにあるんだよね。

つまり高回転を常用する競技では有効だけど街乗りオンリーなら「ハイカム」の投入はよく考えたいトコロ。社外製品の中には、特性の違いでライトチューン向けだったり、ハイチューン向けだったりと、いくつかグレードがあって選べるようになっているものも。愛車のパワーや使うシーンによって選ぶと良いだろう。実際にチェンの友人はマフラー交換と駆動系チューンだけの125ccスクーターにハイカムを入れて効果を体感して喜んでいたよ。

逆にボアアップ等のパワーチューンをしている場合はノーマルカムだと低回転のトルクは出るけど高回転域はどんどんトルクが落ちていく「頭打ち」な特性になってしまう。こんな時は「ハイカム」を入れると全域でトルクが上がることが多いから効果絶大だぜ。

まとめ

● 最高出力UPに効果的

● ボアアップエンジンとは相性抜群

写真はキタコ製ホンダ・エイプ用ハイカムシャフト。中央に二つある黒いおにぎりの形状をノーマルから変える事でパワーを得る。

著者紹介 チェン

元レースメカニックで、カスタムビルダーや二輪誌編集部員のキャリアを持つ。現在はスーパーモトのレースに参戦し、ハイエースで全国を飛び回っている。