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今日は何の日?

■日本車初のバタフライドアで注目されたセラ

1990年にレビューしたトヨタ「セラ」

1990(平成2)年3月8日、トヨタからバタフライドア(※ガルウイングとは呼ばない)を採用した「セラ」がデビューした。セラは「スターレット」をベースにガラスを多用した丸みを帯びたボディに国産量産車初のバタフライドアを採用するなど、その斬新なスタイルは大きな注目を集めた。

バブルの勢いに乗ってバタフライドアのセラがデビュー

1987年の“東京モーターショー”で公開され観衆の大きな注目を集めた「AXV-II」

セラの原型であるコンセプトカー「AXV-II」は、トヨタの若い技術者が夢のあるクルマを目指して開発した小型スペシャリティカーで、1987年の“東京モーターショー”で公開され観衆の大きな注目を集めた。

トヨタ「セラ」
トヨタ「セラ」のリヤビュー

AXV-IIは、1990年3月のこの日に市販化されて「セラ」を名乗った。セラは、「スターレット」をベースにガラスを多用した丸みを帯びたボディに、国産量産車初のバタフライドアを採用。また、インテリアについても、“スーパーライブサウンドシステム”や専用の内装を採用するなど、すべてにおいて個性的で斬新さが特徴だった。

トヨタ「セラ」に搭載される1.5L 5E-FHE型エンジン

パワートレーンは、1.5L 直4 DOHCのスターレット用をロングストローク化して最高出力110ps/最大トルク13.5kgmを発揮するエンジンと、5速MTおよび4速ATの組み合わせ。ただし、バタフライドアやガラスを多用した結果、車両が重くなってスーパーカーのようなスタイリングの割に走りは評価されなかった。

トヨタ「セラ」のバタフライドア(発売時はガルウイングと表記されていた)

車両価格は、ベースグレードで160.0万円(5速MT)/167.5万円(4速AT)に設定。当時の大卒初任給は17万円程度(約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で約216万円/227万円に相当する。ユニークで豪華な仕様ながら、セラは初年度こそ1万台近く販売したものの、その後は右肩下がりとなり1995年にあえなく生産を終えた。

トヨタ「セラ」のコクピット
1990年にレビューしたトヨタ「セラ」は解放感抜群!

セラのドア機構は、厳密にはバタフライドア

一般的な左右に開くヒンジドアでなく、上方にドアが開くタイプは跳ね上げ式ドアと呼ばれる。跳ね上げ式も、ヒンジ位置と開く方向によって次の3方式に大別される。

ガルウイングドア

メルセデス・ベンツ 300SLのガルウイングドア
メルセデス・ベンツ 300SLのガルウイングドア

ヒンジは、ルーフとドア上辺の間、車体中心線に平行に設置。カモメの翼(ガルウイング)のように、ドアは真上方向に跳ね上がる。「メルセデス・ベンツ300SL」で初めて採用された、日本ではマツダの「オートザムAZ-1」が唯一採用。

バタフライドア

1990年にレビューしたトヨタ「セラ」

Aピラー沿いに複数のヒンジ設置し、上方向+外側へ大きく、蝶(バタフライ)の羽にように開く。開口部が広く、乗降性が良い。BMW「i8」、トヨタ「セラ」などが採用。

シザーズドア

ランボルギーニ・カウンタックのシザーズドア
ランボルギーニ レヴエルトのシザーズドア

Aピラー下部(車体側)に縦方向にヒンジを設置。ハサミ(シザーズ)のように斜め前方へ真上気味に開く。ドアは外側に張り出さず、縦回転が中心となる。ランボルギーニ「カウンタック」の採用で有名。

ケーニグセグ・レゲーラのラプタードア

トヨタは当初からセラのドア形式をガルウイングと称していたが、厳密には上記のバタフライドアに属する。日本でガルウイングを採用したのは、量産車としてはマツダの「AZ-1」のみである。ただし、厳密に分けると混乱するので、これらを含めて跳ね上げ式ドア全般をガルウイングと呼ぶ場合もあるようだ。

日本で唯一ガルウイングを装備した軽スポーツのオートザムAZ-1

参考までに、ガルウイングを採用し1992年9月にデビューしたマツダの「オートザムAZ-1」に触れておきたい。

1992年にデビューしたマツダ「オートザムAZ-1」。ガルウイングのMRスポーツ

1980年代後半、バブル景気を背景に軽自動車でも高性能、高機能のクルマが続々と登場した。そのような中、マツダはモノコックフレームをFRP製ボディパネルで覆ったボディに、ガルウイングを装備したAZ-1を発売した。AZ-1のガルウイングは、ルーフ中央部を通るフレームにヒンジを付け、サイドウインドウとドアとも上方に開く。ガルウイングの装備は、軽としては最初で最後である。

パワートレーンは、スズキから調達したアルトワークスの当時最強を誇った最高出力64psを発揮する660cc 直3 DOHCターボエンジンと5MTの組み合わせ。駆動方式はエンジンを運転席直後に横置きに搭載したMRレイアウトで、前後車両配分44:56を実現された。

ただし、剛性を高めるためにセンターメンバーとサイドメンバーが太く設計されたので、室内スペースは2人乗りギリギリの状態で、居住性は十分ではなく、車重もガルウイング装備による増加は避けられなかった。

画期的な装備で多くの若者から注目を集めたが、発売時にバブル崩壊が起こり、販売は期待通りには伸びずわずか2年で生産を終えてしまった。

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バブル景気を背景に、注目を集めながら世に送り出された「セラ」と「AZ-1」は、販売面では成功とはいかなかった。カウンタックのようなスーパーカーならガルウイングもより高級感を増すことになるが、実用性が重視される一般的なコンパクトカーや軽自動車では、コストや重量増しとなるガルウイング、バタフライドアの採用は現実的ではないのか。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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