連載

特集「天才タマゴ」TCRエスティマをいま再解釈する

エスティマのフォルムに見事調和した、ナチュラルブリスター

2011年当時、ミニバンカスタムの世界では派手なエアロや極端なローダウンが注目を集めることも多かった。そんな中で、このTCRエスティマが目指していたのは少し違う方向だった。

テーマはシンプルだ。“走れるロースタイル”。

極端な低さを狙うのではなく、日常の走行に支障が出ない車高をベースに、走って曲がれるバランスをきちんと考える。そんな考え方を軸に作り上げられた1台だ。

外観も同様に、過度な主張はしていない。フロントまわりには小ぶりなエアロパーツを組み合わせ、全体のシルエットを崩さないように仕上げている。派手さを狙うのではなく、あくまで自然なまとまりを重視したスタイルだ。

このクルマのポイントとなっているのが、ナチュラルに仕立てられたブリスターフェンダー。ボディラインを大きく崩すことなくワイド感を与えることで、低重心な雰囲気を強調している。そこにワイドリムのホイールを組み合わせることで、足元からしっかりとした存在感を生み出している。

改めて見て感じるのは、TCRエスティマ特有のワンモーションフォルムとの相性の良さだ。フロントからリアへと滑らかにつながる独特のシルエットは、過度な装飾を加えるよりも、むしろこうしたシンプルなカスタムによって美しさが引き立つ。

つまりこのクルマは、エアロを主張させるのではなく、エスティマというクルマそのもののフォルムを活かすことを大切にしているのだ。

それはまさに“エスティマ主義”とも呼べる考え方。クルマのキャラクターを理解し、その魅力を引き出す方向でカスタムを積み重ねていく。そんなスタンスが、この1台からは伝わってくる。

そして十数年が経ったいま改めて見ても、このスタイルは古さを感じさせない。むしろ、過度な装飾に頼らない自然体のカスタムだからこそ、いまの目線でも新鮮に映る。その魅力は単なる懐かしさではない。

走りも、スタイルも、そしてエスティマらしさも。そのすべてのバランスを丁寧に整えたこの1台は、いま見てもやはりカッコいいのである。

5本スポークのホイールは限定モデル

TOYOTA・エスティマ(平成11年式/TCR10)
ホイールはケイブレイク限定モデルのファイブスタプレミアム。スタンダード感溢れる5スポ ーク×段リムのデザインがいま見てもかっこいい。
テールレンズはフルLED仕様に変更。リレーキットを組み込み、多彩な動きで魅せるイマドキ仕様がお気に入り。
フロント10J、リア11Jのリムを呑み込むために成型したナチュラルブリスター。圧倒的な存在感でアピールする。
マフラーはセッション・トレゾアをセット。時代に流されず、自分の好きなもので飾るという意思が明確に現れている。
フェンダー内側にはメッシュ仕様のダクトを設置。ブリスターフェンダーのラインを損なわないコンパクトなサイズ設計。
フロントバンパーは当時画期的だった小振り系デザインのアンクエルション。フォグランプはベンツSクラス純正に変更している。

SPECIFICATION
■ ベース車:エスティマ(平成11年式/TCR10)
■ エアロ:F/S/R=アンクエルション加工
■ ホイール:ケイブレイク・ハイブリードファイブスタプレミアム(19×F10J+10、R11J-4)
■ タイヤ:ブリヂストン(F235/35、R265/30)
■ エクステリア:ウイング=Tセレクション、グリル=20セルシオ純正、ナチュラルブリスター=ワンオフ、フォグ&フェンダーダクト=ベンツSクラス純正
■ サスペンション:車高調=ガレージマジカル
■ マフラー:セッション
■ ボディカラー:キャンディワインレッド(全塗装)

※装着パーツ・仕様は当時の取材内容を掲載。

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