フォレスターのストロングハイブリッドは、THS2の第4世代

SUBARU「フォレスター」は、2026年春に年次改良を受け、アプライドC型に移行する見込みで、販売店ではすでに受注も開始されている。その前に、現行のB型で雪上走行をする機会があった。滑りやすい冬道でその真価を実感した。

試乗車は現行のB型

フォトギャラリーはこちら

現行フォレスターは、販売の主力を担っているストロングハイブリッドの「S:HEV」と直噴ガソリンターボの「SPORT」に大別できる。前者は、SUBARUの走りの中で長年の課題であった燃費(WLTCモード燃費は18.4km/L〜18.8km/L)に一定の道筋を付けた。一定の道筋と条件付きなのは、フォレスターのハイブリッドシステムは、トヨタの最新世代ではなく「THSⅡ」の第4世代をベースに改良されたシステムを使っている点だ。

サスペンションは比較的ソフトで、乗り心地にも配慮

フォレスターを指名する多くのSUBARUファンにとっては、燃費ももちろん大事だろうが、それ以上にSUBARUならではの走りに重きをおいているはずで、現行のB型が早々に生産分を売り切ってしまったことからも分かるように、近年の同社では大ヒット作といえるほどの人気になっている。

なお、新型「RAV4」の2.5Lハイブリッド車の同システムは第5世代がベース。PHEVは、第6世代に移行している。新型RAV4の2.5Lハイブリッド車のWLTCモード燃費は、22.5〜22.9km/Lで、エンジンなどのパワートレーンはもちろん異なるが、フォレスターとRAV4を比べると、約4km/Lもの差がある。

ヨコハマタイヤの「アイスガードG075」を履いていた

一方、フォレスターの直噴ターボは、13.6km/Lとストロングハイブリッドよりも5km/L程度も落ちるものの、豪快な加速フィールが持ち味。ストロングハイブリッドと直噴ターボの雪上での走りは、オンロードでの印象を再確認できるものだった。なお、装着していたタイヤは、両モデルともにヨコハマタイヤの「アイスガードG075」。

雪上で抜群の安定性を披露するのはストロングハイブリッド

発進と同時にトルクが即立ち上がるストロングハイブリッドは、モーターアシストの制御がリニアで、緻密ということもあり、シーンを問わず安定している。

加えて、車両重量がターボよりも80〜100kgほど重いこともあり、少しラフにアクセルを踏み込んでも発進時の直進性が高く、滑りやすいコーナーでもとにかく安定志向。横滑り防止装置のVDCをオフ(安全のため完全には解除されない)にして走っても安定性は大きく変わらず、ホイールスピンも最小限に抑えられている。VDCオフの状態で走り続けても群馬サイクルスポーツセンターのタフなコースであっても安定感は抜群だった。

一方の直噴ターボは、速度域を問わず軽さが際立ち、コーナーへの侵入も軽快感がある。同時に、後輪を少し滑らせてコーナーを立ち上がるような走りも許容する。VDCをオフにして走るとさらに後輪のスリップやコーナーでのドリフトアングルは明らかに増すが、破綻に向かうような挙動は抱かせない。しっかりとステアリングを握っていれば、シャーベット路面や少し凍りかけた路面でも安定感は十分に高かった。

また、両モデルともに共通しているのは、サスペンションは比較的ソフトでありながらもよく曲がることで、回り込むようなコーナーでも容易に向きを変えてくれる。なお、「X-MODE」はノーマルのままでも何の問題もなく走行できた。滑りやすいシャーベット路面では「SNOW・DIRT」にすると安定感がわずかに増す印象。

X-MODEは、ノーマルのままでも走破できた

S:HEVと直噴ターボを乗り比べると、じゃじゃ馬であるのはオンロードも雪上も同じだ。一般的には、安心感と安定感を重視するのなら迷わずS:HEVを選択すべきだろう。ただし、S:HEVは、静粛性にも優れる反面、上下動や左右の揺れが比較的大きく、電動車両らしい乗り味であることは伝わってくる。

直噴ターボは、過給までの間はもちろん感じさせるものの、過給後の豪快な加速フィールは雪上でも健在で、どちらが楽しいかといえばもちろんターボに軍配が上がる。

C型に移行するフォレスターは、直噴ターボの新グレードの「ツーリング」がエントリー価格税込400万円切りを実現するそうで、同モデルの裾野を広げる役割を担うはずだ。