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今日は何の日?■三菱電機のETC車載器第1号発売

2001(平成13)年3月15日、三菱電機は市販向け第1号となるETC車載器の発売を始めた。従来の料金所で現金で支払う方式に対して、ETCは料金所で車両が停車しないためにスムーズな交通が図れ、渋滞解消、排気ガス、騒音の低減が図れるのだ。
ETCとその狙い
ETCは、ITS(高度道路交通システム)の中心的な役割を担う身近なシステムであり、料金所に設置した路側通信機器とクルマに搭載したETC車載器の間で無線通信(狭域通信5.8GHz)して、自動的に高速料金を支払うシステムである。

ゲート進入時には、入口料金所で路側アンテナからクルマのETC車載器に、入口情報(IC名称、時刻等)が送信される。走行後の退出時には、出口料金所でETC車載器から路側アンテナに、入口情報が送信され、それらの情報をもとに通行料金が計算され、路側アンテナからETC車載器に料金情報を送信する。後日、料金は支払い口座から自動的に引き落とされるようになっている。
ETCは、ドライバーにとっては何よりも利便性が向上する。無線通信により一旦停止することなく、料金所通過時間の短縮やキャッシュレス化が実現し、さらに使用条件によっては各種割引が受けられるなど料金メリットがある。さらに、料金所での渋滞が減少することで、料金所でのストップ&ゴーが減少して、付近の騒音やCO₂など排気ガス削減に寄与する。また、渋滞緩和などにより交通流、物流の効率化が進むというメリットもあるのだ。
三菱電機のETC車載器
2001年3月30日から、いよいよ一部の高速/有料道路でITSの本格サービスが開始されることになった。これを受けて各車載器メーカーから続々とETC機器が発売されたが、その先陣を切って3月のこの日に発売されたのが、三菱電機のETC車載器だ。

アンテナと本体一体化された「EP-200シリーズ」とアンテナ、本体分離式の「EP-300シリーズ」の2シリーズが用意された。それぞれに小型車両向けの12V仕様とトラックなど大型車両向けの24V仕様があり、乗用車などは一体型のEP-220(3.5万円)か分離型のEP-320(4.5万円)の12V仕様が選べる。一体型はアンテナを内蔵しているため、電波の受けやすいダッシュボ−ド前端に設置する必要があるが、分離型はアンテナさえダッシュ上に置けば本体はどこに取り付けてもよいという設置の自由度がある。

EP-300シリーズには音声で案内するスピーカーも内蔵されているが、EP-200シリーズでもオプションのEP-0VC0(9800円)をつなげれば音声案内が受けられる。ユーザーはETCを扱うカード会社に加盟、通常のクレジットカードとは別にETCカードを発行してもらい、それをカードに挿して初めて利用が可能になる。
ETCサービスの展開

2001年3月30日からETCサービスが開始されたのは、千葉地区と沖縄地区、首都高速の3地区である。
・千葉地区
東関東自動車道、新空港自動車道、館山自動車道、京葉道路、千葉東金道路、東京湾アクアライン、東京湾アクアライン連絡道の45料金所
・沖縄地区
沖縄自動車、南風原道路の11料金所
・首都高速
東京線、神奈川線、埼玉線の11料金所

同年11月には、全国の高速道路でETCの利用が始まったが、当初はETC設置や登録の手続きが煩雑でメリットも少なったことから装着率は伸び悩んでいた。しかし、ETC料金所よびETCレーンの増設、ETC料金割引やETC車載器助成制度等の実施などにより、徐々に装着率は伸び、2026年現在の装着率は95%に達した。

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ETC装着率の95%は高いが、これは高速道路を使っている車両の装着率である。日常的に買い物や子供の送り迎えなどが中心の主婦層などは、高速道路を使う機会がほぼないのでETCは不要である。したがって、全乗用車におけるETC装着率は、60%~70%程度らしい。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
