ハーレーダビッドソン・ロードグライドリミテッド……4,353,800円~

近年のビッグツインの概要
当記事の目的は2026年型ロードグライドリミテッドの乗り味をお伝えすることだが、ハーレーダビッドソンのビッグツインに関しては、車名を言われても何だかよくわからん……という人が少なくないと思う。そこで、まずは近年のこのシリーズの概要を説明しておきたい。

ハーレーダビッドソンにとって大昔からの主力機種であるビッグツインは、現在は「グランドアメリカンツーリング」と「クルーザー」の2系統に分類でき、2026年3月の日本市場では、前者は9機種、後者は7機種が、ラインアップに並んでいる(グランドアメリカンツーリングには、特別仕様のCVO×4台が含まれる)。

2つの系統の主な相違点はシャシーで、フレームのメイン部の形状は似ているものの、ロングランでの快適性を重視する「グランドアメリカンツーリング」は、パワーユニットの前後マウントにラバーを使用し、リアサスはオーソドックなツインショックを選択。一方でカスタム志向を感じる「クルーザー」は、パワーユニットが前後ともリジッドマウントで、リアサスは外部からショックユニットが見えないソフテイルタイプを採用している。

なおミルウォーキーエイトと呼ばれるOHV4バルブ45度Vツインエンジンの基本構成は、現行ビッグツイン全車に共通だが、排気量は1977/1923/1868/1745ccの4種類が存在。また、クランクケース内部のバランサーと冷却方式は、「グランドアメリカンツーリング」は1本/空水冷、「クルーザー」は2本/空冷である。
レギュラーモデルの最高峰

ハーレーダビッドソンのビッグツインにはさまざまなモデルが存在し、車両による明確な上下は存在しない。ただしCVOを除く、レギュラーモデルの最高峰と言われることが多いのは、各車各様のフェアリングやレッグシールド、パニア/トップケース、グリップ/シートヒーターなどを標準装備し、価格が435万3800円~となる、「グランドアメリカンツーリング」のロードグライドリミテッドとストリートグライドリミテッドだ。

そんなロードグライドリミテッドとストリートグライドリミテッドは、2026年型からは可変バルブ機構のVVTを導入。シリンダーヘッドや吸排気系、前後ホイール、オーディオ、パニア+トップケースなどの見直しも行っている。

ちなみに、ハーレーダビッドソンは伝統を重視するメーカーだが、「グランドアメリカンツーリング」は最新の電子デバイスにも積極的で、コーナリングABSやトラクション・ドラッグスリップ・クルーズコントロール、4種のライディングモード、タイヤ空気圧モ二ターなどを導入。12.3インチのTFTディスプレイはタッチパネル式で、昔ながらの指針式速度/回転計の表示も可能だ。

外観からは想像できない乗りやすさ
さて、ここまでは現在のビッグツインの柱のひとつである「グランドアメリカンツーリング」の概要を記してみたが、実は最近の僕が試乗したハーレーダビッドソンのビッグツインは「クルーザー」ばかりで、ひと昔前の分類で言うならツーリング系に乗るのは十数年ぶりである。

そして2010年代前半のロードグライドウルトラを思い浮かべつつ、2026年型ロードグライドリミテッドを試乗した僕の率直な印象は、乗りやすい……だった。
もちろん、排気量が1689ccで最大トルクが126/129Nmだった2010年代前半のロードグライドウルトラと比較するなら、1923cc・175Nmのロードグライドリミテッドは相当にパワフルになっていて、スポーツモードの全開加速は目がついていかなくなるほど強烈。

とはいえ、VVTを含めた最先端の電子デバイスや、しっかり感が大幅に増したフレーム、扱いやすいブレーキ、柔軟な動きを見せるサスペンションなどの相乗効果なのだろう、かつてのロードグライドウルトラのような巨体を頑張って動かしている雰囲気は希薄で、慣れが進めば日常の足として使えそうな気がしないでもない?

そういったフィーリングは、僕にとっては意外だった。逆に言うなら近年のツーリング系と「グランドアメリカンツーリング」に対して、僕はパワーとトルクの増大に注力しているという印象を抱いていたのだが、ハーレーダビッドソンはこのシリーズの敷居を少しでも下げるべく、親しみやすさにもしっかり磨きをかけていたのだ。

そんなわけで、2026年型ロードグライドリミテッドに好感触を抱いた僕ではあるけれど、撮影時の押し引きやUターンでは車体の重さと大きさをしみじみ実感。と言っても、1625mmの軸間距離と417kgの車重は、2010年代前半のロードグライドウルトラと大差がないのである。ではどうして重さと大きさを感じたのかと言うと、加齢による体力の低下だろう。
40代の頃は許容範囲だったものの、55歳になった今の僕にとってロードグライドリミテッドの押し引きはなかなかに厳しく、できることならホンダ・ゴールドウイングやBMW R18シリーズのような、リバース機構を導入して欲しいと思った。
ライディングポジション(身長182cm・体重74kg)


ハーレーダビッドンの中ではやや高めの部類になるけれど、シート高は740mmなので、一般的な体格の日本人なら足つき性に不安を感じることはないはず。なお基本設計の多くを共有するストリートグライドリミテッドと比較すると、ハンドルグリップ位置はかなり手前に設定。
ディティール解説










主要諸元
車名:ROAD GLIDE LIMITED
全長×全幅×全高:2620mm×1035mm×──mm
軸間距離:1625mm
最低地上高:130mm
シート高:740mm
キャスター/トレール:26°/173mm
エンジン形式:空水冷4ストローク45度V型2気筒
弁形式:OHV4バルブ
総排気量:1923cc
内径×行程:103.5mm×114.3mm
圧縮比:10.3
最高出力:107HP/5020rpm
最大トルク:175N・m/3500rpm
始動方式:セルフスターター
点火方式:フルトランジスタ
潤滑方式:圧送式ウェットサンプ
燃料供給方式:フューエルインジェクション
トランスミッション形式:常時噛合式6段リターン
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング
ギヤ・レシオ
1速:9.593
2速:6.650
3速:4.938
4速:4.000
5速:3.407
6速:2.875
1・2次減速比:1.352・2.125
フレーム形式:セミダブルクレードル
懸架方式前:テレスコピック正立式φ49m
懸架方式後:スイングアーム・ツインショック
タイヤサイズ前:130/60B19
タイヤサイズ後:180/55B18
ブレーキ形式前:油圧式ダブルディスク
ブレーキ形式後:油圧式シングルディスク
車両重量:417kg
使用燃料:無鉛ハイオクガソリン
燃料タンク容量:22.7L
乗車定員:2名
燃料消費率:5.9ℓ/100km


